「慣れたもんだなぁ……」
すっからかんの夜行バスに揺らされながらそんなことを呟く。
東京に越してから、月に一回は瑚子に会いに行く。離れてしまうことを理解しながら俺たちは恋人同士になり、だからこそできるだけ会おうと努力した。
高校入学当日にアルバイトを始め、そこで稼いだお金を使って安い夜行バスの往復でどうにか、という感じだ。
【今月も、また来てくれてありがとう。いつも来させてばかりでごめんね。奏多に会えると元気が出ます。また会えるって思って日々を過ごせるから、会えない時間も充実しているように感じられるんだ。楽しい記憶を、いつもありがとう】
瑚子からのメッセージ。恋人になってから、自分の気持ちを言葉にしてくれるようになったのが、くすぐったいほど嬉しい。自然と口角が緩んでしまう。
計十時間以上、半日バスに揺られながらの復路は、正直かなり大変ではあるけれど、こんなことを言われちゃ、また何度だって会いに来ようとすぐにでも思えるのだから、俺は相当瑚子に参ってしまっているみたいだ。
俺も会えてよかった、そう始まる文章で返信を打ち込む。
こうしてたまには会える。だけれど、離れてしまったのは事実で、それによって互いに寂しいと感じる時間が増えているのも間違いなかった。
自然が豊かで、娯楽が少ないながらも緩やかな時間の流れが心地よい街。そして当たり前みたいに瑚子がいてくれる時間は、今はない。
自然は少ないけど便利なものはなんでもあって、娯楽に困ることはなくとも急速に時間が流れているように感じる窮屈な都会には、瑚子がいなかった。
そうして、過ごして、容赦なく時は流れて。
瑚子のいない生活は、あっという間に一年という時間を掻っ攫っていたのだった。付き合って、もうすぐ二年にもなる。
そして、これだけの時間が経っても尚、先に進めないでいた。きっと、瑚子は待ってくれていて、それをわかっているのに。
すっからかんの夜行バスに揺らされながらそんなことを呟く。
東京に越してから、月に一回は瑚子に会いに行く。離れてしまうことを理解しながら俺たちは恋人同士になり、だからこそできるだけ会おうと努力した。
高校入学当日にアルバイトを始め、そこで稼いだお金を使って安い夜行バスの往復でどうにか、という感じだ。
【今月も、また来てくれてありがとう。いつも来させてばかりでごめんね。奏多に会えると元気が出ます。また会えるって思って日々を過ごせるから、会えない時間も充実しているように感じられるんだ。楽しい記憶を、いつもありがとう】
瑚子からのメッセージ。恋人になってから、自分の気持ちを言葉にしてくれるようになったのが、くすぐったいほど嬉しい。自然と口角が緩んでしまう。
計十時間以上、半日バスに揺られながらの復路は、正直かなり大変ではあるけれど、こんなことを言われちゃ、また何度だって会いに来ようとすぐにでも思えるのだから、俺は相当瑚子に参ってしまっているみたいだ。
俺も会えてよかった、そう始まる文章で返信を打ち込む。
こうしてたまには会える。だけれど、離れてしまったのは事実で、それによって互いに寂しいと感じる時間が増えているのも間違いなかった。
自然が豊かで、娯楽が少ないながらも緩やかな時間の流れが心地よい街。そして当たり前みたいに瑚子がいてくれる時間は、今はない。
自然は少ないけど便利なものはなんでもあって、娯楽に困ることはなくとも急速に時間が流れているように感じる窮屈な都会には、瑚子がいなかった。
そうして、過ごして、容赦なく時は流れて。
瑚子のいない生活は、あっという間に一年という時間を掻っ攫っていたのだった。付き合って、もうすぐ二年にもなる。
そして、これだけの時間が経っても尚、先に進めないでいた。きっと、瑚子は待ってくれていて、それをわかっているのに。



