俺以外を見るのは許さないから

「え?なんで?」
『ごめん、赤池君。距離置きたい』
 塩原からそのメッセージが届いたのは、2日後のことだった。
 それまではわりと頻繁にメッセージも電話もしていたが、2日前のあの出来事以来、頻度が落ちていたのは確かだ。
 けれど、その原因にはまるで思い当たらない。
 やっぱり何かあったのか?
 でも、それならなぜ、俺の呼び名まで変えたり、距離を置く必要がある?
 底知れない不安が襲ってきて、どう返事をしようかと迷っていると、学校から電話がかかってきた。
「……はい」
「赤池さん、今日は補講の日ですよ。忘れてませんか」
「あ……すみません」
「今からでもいいので、来てください」
「分かりました……」
 応えた途端に通話が途絶え、蝉の鳴き声が煩いくらいに部屋中に響き渡った。