儀式の後、二人はかつての静蓮閣の跡地を訪れた。
そこはもう、荒れ果てた廃墟ではない。一年中清らかな水が湧き出る“聖蓮池”として蘇り、瑞奈が愛した薬草の花々が、風に揺れて香っていた。
池の淵で、潤は瑞奈を背中から包み込むように抱き寄せた。
「瑞奈。私がどれほど償っても、お前の受けた心の傷は消えないかもしれない。……私はそなたに尽くし続けよう」
「潤様……」
「いや、潤と呼んでくれ。……私は王宮の主である前に、お前だけの夫なのだから」
瑞奈は、潤の広い胸にそっと身を預けた。
かつて死を覚悟した池の畔で、今は永遠の愛の言葉を聞いている。空からは、かつての冷たい雨ではなく、柔らかな金色の陽光が二人を包み込んでいた。
蔑まれた少女は、今、永遠の春をその手に掴んだ。



