死んだはずの世子嬪は、すべてを知った夫に狂おしいほど愛される


(……これは)


 潤の呼吸が止まる。
 本能が告げていた。


 書物でも見たこともあるし、母からも聞いたことのある……これは呪いなどではない。
 むしろ、その正反対にある至高の浄化の力。

 清らかで、温かくて。凍りついていた潤の胸の奥に、直接触れてくるような感覚。


「……やめろ、瑞奈!」


 思わず呟く。だが彼女にその声は届かない。
 舞は激しさを増し、それと反比例するように瑞奈の体から生命の灯火が削り取られていくのが目に見えて分かった。
 彼女は、今にも風に消えてしまうのではないかと思うくらいに儚く切ない……目が離せなくなる。

 だが、潤は今なにか言わなければもう間に合わない気がしたのだ。