「そう。あなたも随分姫君らしくなったのね。いたいけであどけなくて、まるで、雛遊びで喜ぶ少女のようだったのに」
式部は気を悪くした様子はなく、血のように紅いくちびるの端を持ち上げた。またも唖然とする于子に一瞥だけ寄越して立ち上がった。
「思い通りになんてならないの。仕方ないことよね。だって、太郎君ですら、思い通りにならないのだもの。だけどあなたは何も判っていない。それだけ、姫君らしくなったというのにね」
ふふ、と艶めいた笑みを残して、式部は去ってゆく。于子は式部の後ろ姿を見送りながら、ただただ唖然としていた。
――今のは、いったい、どういうこと。
式部は気を悪くした様子はなく、血のように紅いくちびるの端を持ち上げた。またも唖然とする于子に一瞥だけ寄越して立ち上がった。
「思い通りになんてならないの。仕方ないことよね。だって、太郎君ですら、思い通りにならないのだもの。だけどあなたは何も判っていない。それだけ、姫君らしくなったというのにね」
ふふ、と艶めいた笑みを残して、式部は去ってゆく。于子は式部の後ろ姿を見送りながら、ただただ唖然としていた。
――今のは、いったい、どういうこと。
