はなのゆめ

 ひとりでは、折り目が付けられない。途方に暮れていると、そばで見ていた男君(おとこぎみ)が手を伸ばす。けれども縫物など、高貴なお方にはふさわしくない仕事。姫君は困惑するけれども、男君は構わず、布に折り目を付けて押さえた。

 継母に苛められていた縫物が得意な姫君は、貴い男君に見初められた。姫君を深く愛おしむ男君は、姫君だけを妻と定め、たとえ内親王を妻にいただけるとしても、決して承知はしないのだと言う。

 おちくぼのものがたり。

 それは、その生が尽きるまで、ただ一途に、貴公子に愛された姫君のものがたり。