僕達はとんでもない拾い物をしてしまった。
拾い物をしたと言うより、勝手に僕達に付いて(憑いて)来たと言う方が正しいのかもしれない。
「ここが、律さんの住んでるアパートですか?」
「いや、俺のアパートじゃなくて四温が住んでるアパートだから。俺は居候させて貰ってるだけ。
いや俺もある意味幽霊だから居候って言うのも変だよなぁ〜」
律が僕の方をちらっと見た。
「四温さん、僕もお世話になっていいですか?
お願いします。僕、何処にも行く所が無いんです。
このアパートで2人と住みたいんです!!
こんな可哀想で可愛い僕を見捨てたりしないですよね??」
さっきから地味にぐいぐいくるなぁ。
僕の部屋にもう1人居候が増えそうな嫌な感じ・・
断りたいのに、この末っ子弟キャラみたいなキラキラした少年が律から離れない。
「四温さーんどうかこの通りです。
僕、まだ彷徨い始めてからそんなに日が経ってないんです。どうやって天国に行ったらいいのか分からないし、、、1人でいたらこわ〜い奴に連れていかれるかもしれません。それに僕、この辺に来たの初めてなんです。
どうか僕を1人にしないで下さいぃ〜。」
手を合わせて頭を下げられたら断りづらいと言うもの…。
「でも僕の部屋そんなに広くないしさぁ…。
布団だって敷けないしなぁー。因みにジュン君は寝る時って体が消えたりとかするの?」
「いいえ、消えません。でも大丈夫です。すみっこの端っこの方で寝ますから、何なら床でも大丈夫です」
律が気の毒そうに見ている。
なんかやり方があざとい…???
「もうーーーーっ仕方ないなぁー。隣の物置部屋でいいなら」
「ありがとうございます!!」
こうして律と僕、ジュンの3人の生活がスタートした。
初めまして
えーっ、僕の自己紹介をします。
僕は生前、みんなからジュン君と呼ばれていました。
小さい頃から体が弱くて入退院を繰り返していた僕の楽しみは、戦隊モノのドラマを見ること。
強くて、みんなを守るヒーローに憧れていた。
両親には心配させてばかりだったから、早く元気で強い子になりたかった。
だから毎週テレビは欠かさず見ていたし、憧れのヒーローの絵を書いては両親や看護婦さんに見せていた。
中学生になっても現状維持のままの生活が続いた。
それでも高校生になって調子の良い日は学校に行けるようになった。
でも学校では既に仲のいいグループが出来上がっていて、僕はその中に入ることがなかなか出来なかった。
たまにもの珍しいのか、顔が目当てだったのか分からないけど、僕に近寄ってくる女の子もいた。
でも学校を休みがちでなかなか連絡が取れない僕から離れていってしまう。
それでも僕は、そんな女の子に失望したりする事はなかった。
なぜなら、僕にはヒーローがいるから。
ヒーローはただ強いだけじゃない。自分の弱さも乗り越えて、どんなに怖くても悪に立ち向かう。
自分の為だけじゃない、仲間のため世界のために悪を倒す。
僕はいつも誰かに守られてきた。僕も誰かを守ってみたい!強くなりたい!
ヒーローはまさに僕の代わりに悪(病気)と戦ってくれる存在だったのかもしれない。
僕はヒーローに恋をしていた。
でも高校2年生の夏、本物の恋をするチャンスは二度と訪れない事が決まった。
次に目を覚ました時、僕は何故かあのお化け屋敷にいた。
最初はよく分からなかったけど、何日間かあのお化け屋敷に居たら、だんだん自分のおかれた状況を把握できる様になってきた。
ここは病院じゃない…。白い四角い部屋からは空しか見えなかったから。
体が自由に動く。
走り回る事も出来る!!
咳き込む事も熱が出る事も無い。
僕を心配そうに覗き込む人もいない。
でも誰も僕に気が付かない。
そうか、ここで彷徨っているのかもしれないなぁ…。
不安には感じたけど今の僕は自由に走り回ることが出来る、その嬉しさの方が勝っていた。
今までやれなかった事をしてみよう。
そう思うと、なんだか少し楽しくなってきた。
ここは小さい頃に連れていって貰った遊園地のお化け屋敷なんかじゃない。
華やかな映像で本当にお化けの世界に迷い込んだみたいだ。
お客さんをちょっと驚かしてやろう。
いたずら心に火がついた。
作り出された映像の中に、ほんのちょっとだけ本物のお化け(僕)を混ぜ込ませてやる。ほんのちょっとだけ、それだけで断然怖さが増す。
少しだけ髪の毛に触れてみたり、少しだけ足元の影にまとわりついてみたり。
それだけで
男の人も女の子もカップルでさえキャーキャー怖がって腰を抜かした。
走り出したり、泣き出したり、びっくりして転んだり。
最初はそれを見るのが面白かった。
でも、みんな怖がるだけ。終いには仲間を置いて走り去る。
なんだ〜所詮こんなものかー。
僕はつまらなくなってきた。
もうそろそろここから離れようかなぁ〜なんて思い始めていた時、3人の男の人が、ここにやってきた。
2人はブルブル震えているのに、1人はぜんぜん怖がらない。
初めてだったかもしれない…。
なんだか普通の人間とはちょっと違うような??
この人は僕と似たような匂いがしたけど、なぜか3人は友達みたい。
僕はこの3人から目が離せなくなった。
今日はこの3人に決めた!
僕は今までより少しアレンジをして驚かせてやることにした。
最初は首をくすぐる程度。
最後にゆっくり近づいていって通り過ぎたと思ったら
バア〜〜〜〜!!
振り向いて驚かしてやろう。
オーソドックスだけど、案外こういうのが1番怖かったりする。
まだまだ序盤なのに面白い位に怖がっている〜(笑)
案の定2人は走って逃げていってしまった。
1人を残して。あ〜あ、ショックを受けてる…そりゃそうだよね。く
結局こー言う展開な訳だ…僕は少しガッカリした。
残された人は置いてけぼりを食らって大抵は怒ったり、見捨てられた不安と苛立ちを見せる。
この人もそうだと思った。
なのに、なのにーーーこの人は2人を追いかけて怒るどころか励ましている。
もう大丈夫だよって…
2人の先頭に立って…恐怖から守ろうとしている??
この人はもしかしたら僕のヒーローかも…しれない。
僕は直感でそう思った。
この人の事がもっと知りたい。
僕は3人の後について行った。
でも、1人は想像以上に怖がりだった訳で、あの人は無しだね。
僕が2人に近づいたのにはそういう理由があったって事。
最後まで話を聞いてくれてありがとう。
今日から初めての同居生活が始まると思うとなんだかワクワクする。
今まで誰かの家に泊まりに行った事なんてなかったし、出かけたりする事もなかった。
いやいや、修学旅行も行ってなかったなぁ。
こんな形ではあるけど、今が僕の青春って言うやつなのかもしれない。
四温さんと律さんってどういう関係なんだろう?
どっちかが好きとか…?でも律さんは僕と同じ幽霊なんだから僕の方が有利なはず。
四温さんが気付かない内になんとかしないとなぁ。
拾い物をしたと言うより、勝手に僕達に付いて(憑いて)来たと言う方が正しいのかもしれない。
「ここが、律さんの住んでるアパートですか?」
「いや、俺のアパートじゃなくて四温が住んでるアパートだから。俺は居候させて貰ってるだけ。
いや俺もある意味幽霊だから居候って言うのも変だよなぁ〜」
律が僕の方をちらっと見た。
「四温さん、僕もお世話になっていいですか?
お願いします。僕、何処にも行く所が無いんです。
このアパートで2人と住みたいんです!!
こんな可哀想で可愛い僕を見捨てたりしないですよね??」
さっきから地味にぐいぐいくるなぁ。
僕の部屋にもう1人居候が増えそうな嫌な感じ・・
断りたいのに、この末っ子弟キャラみたいなキラキラした少年が律から離れない。
「四温さーんどうかこの通りです。
僕、まだ彷徨い始めてからそんなに日が経ってないんです。どうやって天国に行ったらいいのか分からないし、、、1人でいたらこわ〜い奴に連れていかれるかもしれません。それに僕、この辺に来たの初めてなんです。
どうか僕を1人にしないで下さいぃ〜。」
手を合わせて頭を下げられたら断りづらいと言うもの…。
「でも僕の部屋そんなに広くないしさぁ…。
布団だって敷けないしなぁー。因みにジュン君は寝る時って体が消えたりとかするの?」
「いいえ、消えません。でも大丈夫です。すみっこの端っこの方で寝ますから、何なら床でも大丈夫です」
律が気の毒そうに見ている。
なんかやり方があざとい…???
「もうーーーーっ仕方ないなぁー。隣の物置部屋でいいなら」
「ありがとうございます!!」
こうして律と僕、ジュンの3人の生活がスタートした。
初めまして
えーっ、僕の自己紹介をします。
僕は生前、みんなからジュン君と呼ばれていました。
小さい頃から体が弱くて入退院を繰り返していた僕の楽しみは、戦隊モノのドラマを見ること。
強くて、みんなを守るヒーローに憧れていた。
両親には心配させてばかりだったから、早く元気で強い子になりたかった。
だから毎週テレビは欠かさず見ていたし、憧れのヒーローの絵を書いては両親や看護婦さんに見せていた。
中学生になっても現状維持のままの生活が続いた。
それでも高校生になって調子の良い日は学校に行けるようになった。
でも学校では既に仲のいいグループが出来上がっていて、僕はその中に入ることがなかなか出来なかった。
たまにもの珍しいのか、顔が目当てだったのか分からないけど、僕に近寄ってくる女の子もいた。
でも学校を休みがちでなかなか連絡が取れない僕から離れていってしまう。
それでも僕は、そんな女の子に失望したりする事はなかった。
なぜなら、僕にはヒーローがいるから。
ヒーローはただ強いだけじゃない。自分の弱さも乗り越えて、どんなに怖くても悪に立ち向かう。
自分の為だけじゃない、仲間のため世界のために悪を倒す。
僕はいつも誰かに守られてきた。僕も誰かを守ってみたい!強くなりたい!
ヒーローはまさに僕の代わりに悪(病気)と戦ってくれる存在だったのかもしれない。
僕はヒーローに恋をしていた。
でも高校2年生の夏、本物の恋をするチャンスは二度と訪れない事が決まった。
次に目を覚ました時、僕は何故かあのお化け屋敷にいた。
最初はよく分からなかったけど、何日間かあのお化け屋敷に居たら、だんだん自分のおかれた状況を把握できる様になってきた。
ここは病院じゃない…。白い四角い部屋からは空しか見えなかったから。
体が自由に動く。
走り回る事も出来る!!
咳き込む事も熱が出る事も無い。
僕を心配そうに覗き込む人もいない。
でも誰も僕に気が付かない。
そうか、ここで彷徨っているのかもしれないなぁ…。
不安には感じたけど今の僕は自由に走り回ることが出来る、その嬉しさの方が勝っていた。
今までやれなかった事をしてみよう。
そう思うと、なんだか少し楽しくなってきた。
ここは小さい頃に連れていって貰った遊園地のお化け屋敷なんかじゃない。
華やかな映像で本当にお化けの世界に迷い込んだみたいだ。
お客さんをちょっと驚かしてやろう。
いたずら心に火がついた。
作り出された映像の中に、ほんのちょっとだけ本物のお化け(僕)を混ぜ込ませてやる。ほんのちょっとだけ、それだけで断然怖さが増す。
少しだけ髪の毛に触れてみたり、少しだけ足元の影にまとわりついてみたり。
それだけで
男の人も女の子もカップルでさえキャーキャー怖がって腰を抜かした。
走り出したり、泣き出したり、びっくりして転んだり。
最初はそれを見るのが面白かった。
でも、みんな怖がるだけ。終いには仲間を置いて走り去る。
なんだ〜所詮こんなものかー。
僕はつまらなくなってきた。
もうそろそろここから離れようかなぁ〜なんて思い始めていた時、3人の男の人が、ここにやってきた。
2人はブルブル震えているのに、1人はぜんぜん怖がらない。
初めてだったかもしれない…。
なんだか普通の人間とはちょっと違うような??
この人は僕と似たような匂いがしたけど、なぜか3人は友達みたい。
僕はこの3人から目が離せなくなった。
今日はこの3人に決めた!
僕は今までより少しアレンジをして驚かせてやることにした。
最初は首をくすぐる程度。
最後にゆっくり近づいていって通り過ぎたと思ったら
バア〜〜〜〜!!
振り向いて驚かしてやろう。
オーソドックスだけど、案外こういうのが1番怖かったりする。
まだまだ序盤なのに面白い位に怖がっている〜(笑)
案の定2人は走って逃げていってしまった。
1人を残して。あ〜あ、ショックを受けてる…そりゃそうだよね。く
結局こー言う展開な訳だ…僕は少しガッカリした。
残された人は置いてけぼりを食らって大抵は怒ったり、見捨てられた不安と苛立ちを見せる。
この人もそうだと思った。
なのに、なのにーーーこの人は2人を追いかけて怒るどころか励ましている。
もう大丈夫だよって…
2人の先頭に立って…恐怖から守ろうとしている??
この人はもしかしたら僕のヒーローかも…しれない。
僕は直感でそう思った。
この人の事がもっと知りたい。
僕は3人の後について行った。
でも、1人は想像以上に怖がりだった訳で、あの人は無しだね。
僕が2人に近づいたのにはそういう理由があったって事。
最後まで話を聞いてくれてありがとう。
今日から初めての同居生活が始まると思うとなんだかワクワクする。
今まで誰かの家に泊まりに行った事なんてなかったし、出かけたりする事もなかった。
いやいや、修学旅行も行ってなかったなぁ。
こんな形ではあるけど、今が僕の青春って言うやつなのかもしれない。
四温さんと律さんってどういう関係なんだろう?
どっちかが好きとか…?でも律さんは僕と同じ幽霊なんだから僕の方が有利なはず。
四温さんが気付かない内になんとかしないとなぁ。

