好きすぎて人間になりました!!

 寒かったあの日にお前と出会った。
 ペットショップで安売りされていたお前に一目惚れした。
 初めてのことばかりだったけど、楽しかったな。

 いつかは別れがくるとは思っていたが、こんなに寂しいとは思わなかった。
部屋が、やけに静かだ。
 出来るならまた会いたいよ。レオ。

 …ペロぺロ。
「やめろって、レオ」
(……待てよ、レオは昨日死んだはずじゃ…?)
 花見連、25歳はそう思いながら目を覚ました。

「おはようございます!ご主人様。」
 (寝ぼけてんのか、俺は。二度寝しよう…)
「……いや、誰?!」
連は、ベッドから勢いよく起き上がり玄関へと走った…
 (鍵、閉まってるな。)
 部屋に戻ると知らない男がお座りしていた。

「お前、誰?どっから入ってきた。」
「えっ。ひどい…僕、レオなのに。」
 男は、連の質問に対して元飼い犬だと答えた。
(レオは、ラブラドールレトリバーだったはずだよな…)
(もしかして、気づいてない?)

「ちょっと来い。」
連はレオと名乗る男の腕を引き、洗面台へと向かった。
そして鏡の前に立たせた。 
「…」
「…」
「…ご主人様の横にいる人って誰ですか?」
「レオ、お前だよ。」
「…えー!!!」
「えっ!?なんで!?僕、人間になってる!!」
「いや、なんでって言われても俺が聞きたいよ…」
 (よく分かんないけど、可愛いいな…)
「あの…ご主人様。」
「言いにくいんですけど…寒いです。」
 それはそうだ。
 レオは裸のまま、連に連れ回されていた。
「あ…ごめん。今、人間だもんな。」
「服持ってくる。」
 そう言って、連は部屋へ戻った。

 ――――
「これ、着ろ。」
くんくん…
「ご主人様の匂いだ〜!!」
 満面の笑顔でレオは言う。
「嗅がなくていいから早く履け。風邪ひくぞ。」
「はい。わかりました…」
 少し寂しそうに呟いた。

 「ご主人様、ズボン入らないです。」
 レオは膝でズボンを止めながら言った。
「あっ、入りそう。」
 レオは、無理やり履こうとしていた。
「レオ、待てって!」
「はい!ご主人様!」
ビリッ!!
『あっ。』
「ほら、言っただろ!」
「俺のお気に入りの服が…」
ズボンが盛大に破れた。

「はぁ…」
 連は次にTシャツを渡した。
「これだったら入るだろ。」
「はい、ご主人様。」
 レオはTシャツを着た。
…ピチッ。
「ご主人様、苦しいです。」
「お前、それ俺の服の中でかいサイズだからな。」
そう言いながら、連はふと時間が気になり時計を見た。
 7:50と時計が時間を表していた。
連は、レオの服問題を後にして急いで準備をし、玄関へと向かった。

「ご主人様、今日もお仕事ですか?」
「そうだ。」
「とりあえず、これ羽織って待ってろ。」
 連はそう言って、レオに毛布を渡した。
「いいか。何があっても絶対に玄関開けるなよ。」
「はい。ご主人様。」
 連は、レオを後にし仕事へと向かった。