雨の記憶屋 -星空のタイムスケジュール-

「あれ……?」


あんなところに路地なんてあっただろうか。


桜並木を歩いていると、
左奥に小さな建物が見えた。

その窓から、柔らかな光が漏れている。


なぜか分からないけれど、
私はその光に惹き寄せられるように
歩き出していた。

歩くたび、雨に濡れたアスファルトが
街灯の光を揺らしている。



足元の小さな反射が、
まるでどこかへ導いているようだった。 



「あめの…きおくや?
何かのお店かな……?」


看板には、雨の記憶屋と書いてあった。

雨も少し強くなってきた。
少しだけ雨宿りさせてもらおうかなーー。



私は木の扉をそっと押した。