雨の記憶屋 -星空のタイムスケジュール-




けれど、なぜだろう。




不思議と、胸の奥に残っていた重たいものだけが
いつの間にか、静かにほどけていた。




遠くで――
また、ほんの一瞬だけ、
雨粒が落ちる音がした気がした。


後ろを振り返ったけれど、
そこには、もう何も見当たらなかった。


ただ、雨上がりの夜の空気だけが
静かに街を包んでいる。



それでもなぜか、
あの路地のどこかで――



また誰かが、
静かに扉を開けているような、そんな気がした。