雨の記憶屋 -星空のタイムスケジュール-

「それにしても、どうして……
こんな路地にいたんだろう……?」



不思議な違和感が残っている。



でも、1年間ずっと胸を締めつけていた後悔や絶望が、
少しだけ遠くに離れていったような気がした。


「……健太」


私は小さくつぶやき、空を見上げた。


さっきまで降っていた雨は嘘みたいに止んで、
濡れたアスファルトに星の光が静かに揺れている。

その揺れる光をぼんやり見つめていると、
胸の奥に、遠い夜の気配がふとよみがえった。


健太のことを思い出した。


あの日、私が強く言ってしまったこと。
電話を切ったあとも、胸の奥に残っていた後悔。


けれど今は、不思議だった。