健太は一歩、踏み出した。 その場にいないはずなのに、胸の鼓動が急に速くなる。 濡れたアスファルトと水たまりに、 トラックのライトが鋭く反射した。 光が、雨粒の向こうで大きく揺れ、 まぶしい白が、世界を一瞬で塗りつぶした。 健太の記憶は、そこで――途切れた。 「記憶は以上です……」 店主は、やさしく私に語り続ける。 「きっと……早くあなたの家に行って 想いを伝えたかったんですね」