学校の帰り道、俺は突然幼馴染に告白された。
「俺朝霧の事好きだ」
唐突な告白に、体が固まる。状況が理解できず、んっと、思わず聞き返してしまう。
「、、待って冬時、、、それはつまり友達としてだよな?」
「、、、恋愛的にだけど」
済ました顔でそう返され、その時点で頭の中が一気にこんがらがっていく。夢かと思い、頬を抓るがただただ痛いだけで、目が覚める事はない。
そうつまりこれは現実、、という事は、今俺は本当に幼馴染の冬時真に告白されている事になる。
「つーか、、幼稚園の頃からお前の事すきだったよ」
「それは友達的な恋愛的な??」
「、、恋愛的」
バッサリと言われ、俺は頭を抱えその場にしゃがみ込んでしまう。「マジか、、」と言葉をこぼし、今の俺は困惑と混乱で頭がいっぱいだった。
「なあ、、朝霧」
「へあ」
冬時の声が聞こえ、顔を上げれば俺と同じくしゃがんだ冬時の顔が間近にある。今のこの状況で冷静になる事もできず、顔がブワッと熱くなり紅潮したのが分かった。
「、、大丈夫か、、、顔?」
「いや、、そのごめん一旦保留でいい??」
「ん、了解」
俺の手を掴み、起き上がらせた冬時は、帰りの別れ道になるまでずっとその手を離さなかった。
「んじゃまた明日」
「お、、おう」
そうして、俺らは手を振り、そのまま別々の道を歩いて帰った。
「おかえりー要」
「ただいまー母さん」
リビングに行くと、台所で夕ご飯を作る母と挨拶を交わし、ドカッとソファに座る。荷物の入ったバッグを床に放り投げ、疲れた体が少しずつソファに埋もれていった。
「そういえば、、要」
「ん?何」
「冬時くんのママが、旅行のお土産持ってきてくれたわよ」
「ふーんっえ”?」
テレビをつけリモコンを操作していた手が止まる。横目で聞いていた話に彼奴の名前が出てきて、思わず母の方を見た。
「、、土産」
「ほら、、そこのテーブルに紙袋があるでしょ」
言われて見ればと、食事用の長机の上に白い紙袋がポンと置かれていた。テレビを消し、立ち上がって行けば恐る恐る中身を探る。
そういえば一昨日くらいに、「三連休沖縄に行ってきた」と冬時から聞いていた。あんな事があったばかりなので、すっかり忘れていた。
なんだろと中身を出せば、旅行土産の菓子折りとテープで閉じられた小さめの包装紙が一つあった。
「あらそれ、、冬時君から要へのお土産じゃない?」
「え」
包装紙を開き、中から出てきたのは、俺の一番好きなジンベエザメを模したガラスでできたブレスレットだった。
しかもご丁寧に、名前の書かれた【KANAME】というビーズが通されていた。
直後タイミングよく、スマホの通知が鳴り、開いてみれば冬時からだった。説明もなくただ一言、「サプラーイズ」とピースサインの絵文字と共に、メッセージが送られてきていた。
「、、、おはよう」
「おはよう朝霧」
昨日の事などなかったような、いつも通りの冬時に内心ホッとする。俺らは登校する時、冬時が俺の家まで来る事が多い。だから今日もこうして、玄関先で待っていた冬時と並んで登校した。
「そういえば朝霧昨日の事考えてくれた?」
「昨日の事??」
はぐらかそうにも、俺の耳元に冬時が顔を寄せ、「付き合うか」と少女漫画みたいな事を言われ、ひゅっと耳を抑え距離を取る。
「朝霧俺本気だよ」
片手をズボンに突っ込んだ冬時がこちらに来て、宣言するようにそう言えば、また昨日と同じように手を掴まれる。
「ほら、、行こ」
「、、、、うん」
結局の所そこで会話は途切れ、教室につく頃にはHRが始まるギリギリだった。同クラではあるものの、席が少し離れているのもあり、別々になってしまう。
気まずいままHRが終わり、1限目の授業が始まる。そこで、机下からこっそりスマホを出し、いじっていると、またもや冬時からメッセージが来る。
「あれ、、気に入ってくれた?」
その言葉に、昨日の事を思い出し、お土産のことだと確信する。
「ありがとう、めっちゃおしゃれだし超気に入ってる」
そう返信すれば、続けて「よかった」と届き、俺はそこで巡回してきた先生に気づいた。その瞬間スマホを机の中に瞬時に仕舞い、事なきを得た。
そして斜め横の真ん中の席にいる、冬時の方をチラリと見る。すると、こちらに振り返った冬時が僅かに微笑み、手を振っていた。その表情に思わずどこかドキッとして、すぐに目をそらしてしまった。
何故だろう、今までこんな事なかったのに、冬時を見ると胸の鼓動が収まらなくなる。
「、、朝霧」
「わっ!!!冬時!!」
昼休みのチャイムが鳴り、皆各々で昼食を取りながら談笑している。俺はバッグから財布を出し、一階の購買へと向かおうとしていた。すると背後から俺に声をかけてきた冬時にビビり、一瞬驚いた声をあげてしまう。
「あっごめん、、驚かした」
「いや別に、、」
「俺も購買行くから一緒に行こ」
「あ、、うん」
いつもなら、冬時と並んで購買に行くが、今日は色々あり気まずさも相まって、距離を取ってしまっていた。俺は結局冬時と一緒に購買へと行き、お目当てのパンを買うと自分たちの教室へと戻った。
「ねえ朝霧、、今日は屋上で食べない?」
「、、、わかった」
冬時にそう提案され、逃げることができなくなってしまう。きっと屋上ということは昨日の事も踏まえ、この周りに人がいる場所では、話せない内容でもあるのだろう。
パンを片手に、俺らは解放された屋上へと上がった。扉を開ければ、強い風と共に、フェンスで囲まれたコンクリート上の広いスペースがそこにあった。
取り敢えずと、フェンスに寄りかかる形で胡座をかく。持ってきたパンの袋を開ければ、腹の減り具合もありがっつくように食べる。
「それで、、朝霧」
「うん」
「俺昨日さ、、母さん経由でお前にお土産渡したじゃん」
「ああ、、ブレスレットね」
「あれ沖縄の水族館で作ったんだけど、朝霧喜ぶかなってお前の好きなサメも入れといたんだ」
話す冬時の視線は、いつもの余裕そうな彼奴とは違い、しどろもどろで緊張しているのが分かる。頬も少し赤らんでいて、汗も少し流れていた。
「それで?」
「俺等って男同士じゃん、、だから結婚はできないし、だったらあれ俺もお揃いの持ってるから、婚約指輪代わりになんないかな」
「ちょちょちょ待て冬時!!!!」
「何朝霧?」
「、、なんか話ぶっ飛びすぎてるしそもそも俺付き合うとか一言も言ってねえよ!!」
「でも朝霧は小さい頃から、ずっと俺の隣いるし将来は俺の」
「だから付き合うのは保留って話だったろ!!まだ心の準備もできてねえし」
「俺ずっと待ってるけど、、じゃあいつになったら好きになってくれんの?」
「そっそれは」
そこで俺は行き詰まる、確かに冬時を待たせた挙げ句勝手な期待をさせて、好きになれなかったなんて事もあるかもしれない。
そしたらもっと冬時を傷つけてしまう。
「だったら俺と朝霧試しで付き合ってみない?」
「お試しって事?」
「期間は3ヶ月もしそれで朝霧が俺の事好きになれないなら、俺も諦める」
「、、じゃあ付き合ってみる?」
すると、突然俺の耳を冬時が触り、触れる度に擽ったく変な感触に「やめろ」と声をあげる。
「前々から思ってたけど、、朝霧って耳弱いよね幼稚園の時からずっと見てるから」
「かわいい」
くすっと笑われ、「恋人だからいいじゃん」と今度は膝に載せられてしまう。きっと、冬時が今の今まで我慢していたものがここで爆発したんだろう。
「あと朝霧一つ言っとくけど」
「あ?」
「俺お前の事絶対離す気ねえから」
圧のかかった笑顔で、俺を見る冬時の目の中に、光はなかった。
「俺朝霧の事好きだ」
唐突な告白に、体が固まる。状況が理解できず、んっと、思わず聞き返してしまう。
「、、待って冬時、、、それはつまり友達としてだよな?」
「、、、恋愛的にだけど」
済ました顔でそう返され、その時点で頭の中が一気にこんがらがっていく。夢かと思い、頬を抓るがただただ痛いだけで、目が覚める事はない。
そうつまりこれは現実、、という事は、今俺は本当に幼馴染の冬時真に告白されている事になる。
「つーか、、幼稚園の頃からお前の事すきだったよ」
「それは友達的な恋愛的な??」
「、、恋愛的」
バッサリと言われ、俺は頭を抱えその場にしゃがみ込んでしまう。「マジか、、」と言葉をこぼし、今の俺は困惑と混乱で頭がいっぱいだった。
「なあ、、朝霧」
「へあ」
冬時の声が聞こえ、顔を上げれば俺と同じくしゃがんだ冬時の顔が間近にある。今のこの状況で冷静になる事もできず、顔がブワッと熱くなり紅潮したのが分かった。
「、、大丈夫か、、、顔?」
「いや、、そのごめん一旦保留でいい??」
「ん、了解」
俺の手を掴み、起き上がらせた冬時は、帰りの別れ道になるまでずっとその手を離さなかった。
「んじゃまた明日」
「お、、おう」
そうして、俺らは手を振り、そのまま別々の道を歩いて帰った。
「おかえりー要」
「ただいまー母さん」
リビングに行くと、台所で夕ご飯を作る母と挨拶を交わし、ドカッとソファに座る。荷物の入ったバッグを床に放り投げ、疲れた体が少しずつソファに埋もれていった。
「そういえば、、要」
「ん?何」
「冬時くんのママが、旅行のお土産持ってきてくれたわよ」
「ふーんっえ”?」
テレビをつけリモコンを操作していた手が止まる。横目で聞いていた話に彼奴の名前が出てきて、思わず母の方を見た。
「、、土産」
「ほら、、そこのテーブルに紙袋があるでしょ」
言われて見ればと、食事用の長机の上に白い紙袋がポンと置かれていた。テレビを消し、立ち上がって行けば恐る恐る中身を探る。
そういえば一昨日くらいに、「三連休沖縄に行ってきた」と冬時から聞いていた。あんな事があったばかりなので、すっかり忘れていた。
なんだろと中身を出せば、旅行土産の菓子折りとテープで閉じられた小さめの包装紙が一つあった。
「あらそれ、、冬時君から要へのお土産じゃない?」
「え」
包装紙を開き、中から出てきたのは、俺の一番好きなジンベエザメを模したガラスでできたブレスレットだった。
しかもご丁寧に、名前の書かれた【KANAME】というビーズが通されていた。
直後タイミングよく、スマホの通知が鳴り、開いてみれば冬時からだった。説明もなくただ一言、「サプラーイズ」とピースサインの絵文字と共に、メッセージが送られてきていた。
「、、、おはよう」
「おはよう朝霧」
昨日の事などなかったような、いつも通りの冬時に内心ホッとする。俺らは登校する時、冬時が俺の家まで来る事が多い。だから今日もこうして、玄関先で待っていた冬時と並んで登校した。
「そういえば朝霧昨日の事考えてくれた?」
「昨日の事??」
はぐらかそうにも、俺の耳元に冬時が顔を寄せ、「付き合うか」と少女漫画みたいな事を言われ、ひゅっと耳を抑え距離を取る。
「朝霧俺本気だよ」
片手をズボンに突っ込んだ冬時がこちらに来て、宣言するようにそう言えば、また昨日と同じように手を掴まれる。
「ほら、、行こ」
「、、、、うん」
結局の所そこで会話は途切れ、教室につく頃にはHRが始まるギリギリだった。同クラではあるものの、席が少し離れているのもあり、別々になってしまう。
気まずいままHRが終わり、1限目の授業が始まる。そこで、机下からこっそりスマホを出し、いじっていると、またもや冬時からメッセージが来る。
「あれ、、気に入ってくれた?」
その言葉に、昨日の事を思い出し、お土産のことだと確信する。
「ありがとう、めっちゃおしゃれだし超気に入ってる」
そう返信すれば、続けて「よかった」と届き、俺はそこで巡回してきた先生に気づいた。その瞬間スマホを机の中に瞬時に仕舞い、事なきを得た。
そして斜め横の真ん中の席にいる、冬時の方をチラリと見る。すると、こちらに振り返った冬時が僅かに微笑み、手を振っていた。その表情に思わずどこかドキッとして、すぐに目をそらしてしまった。
何故だろう、今までこんな事なかったのに、冬時を見ると胸の鼓動が収まらなくなる。
「、、朝霧」
「わっ!!!冬時!!」
昼休みのチャイムが鳴り、皆各々で昼食を取りながら談笑している。俺はバッグから財布を出し、一階の購買へと向かおうとしていた。すると背後から俺に声をかけてきた冬時にビビり、一瞬驚いた声をあげてしまう。
「あっごめん、、驚かした」
「いや別に、、」
「俺も購買行くから一緒に行こ」
「あ、、うん」
いつもなら、冬時と並んで購買に行くが、今日は色々あり気まずさも相まって、距離を取ってしまっていた。俺は結局冬時と一緒に購買へと行き、お目当てのパンを買うと自分たちの教室へと戻った。
「ねえ朝霧、、今日は屋上で食べない?」
「、、、わかった」
冬時にそう提案され、逃げることができなくなってしまう。きっと屋上ということは昨日の事も踏まえ、この周りに人がいる場所では、話せない内容でもあるのだろう。
パンを片手に、俺らは解放された屋上へと上がった。扉を開ければ、強い風と共に、フェンスで囲まれたコンクリート上の広いスペースがそこにあった。
取り敢えずと、フェンスに寄りかかる形で胡座をかく。持ってきたパンの袋を開ければ、腹の減り具合もありがっつくように食べる。
「それで、、朝霧」
「うん」
「俺昨日さ、、母さん経由でお前にお土産渡したじゃん」
「ああ、、ブレスレットね」
「あれ沖縄の水族館で作ったんだけど、朝霧喜ぶかなってお前の好きなサメも入れといたんだ」
話す冬時の視線は、いつもの余裕そうな彼奴とは違い、しどろもどろで緊張しているのが分かる。頬も少し赤らんでいて、汗も少し流れていた。
「それで?」
「俺等って男同士じゃん、、だから結婚はできないし、だったらあれ俺もお揃いの持ってるから、婚約指輪代わりになんないかな」
「ちょちょちょ待て冬時!!!!」
「何朝霧?」
「、、なんか話ぶっ飛びすぎてるしそもそも俺付き合うとか一言も言ってねえよ!!」
「でも朝霧は小さい頃から、ずっと俺の隣いるし将来は俺の」
「だから付き合うのは保留って話だったろ!!まだ心の準備もできてねえし」
「俺ずっと待ってるけど、、じゃあいつになったら好きになってくれんの?」
「そっそれは」
そこで俺は行き詰まる、確かに冬時を待たせた挙げ句勝手な期待をさせて、好きになれなかったなんて事もあるかもしれない。
そしたらもっと冬時を傷つけてしまう。
「だったら俺と朝霧試しで付き合ってみない?」
「お試しって事?」
「期間は3ヶ月もしそれで朝霧が俺の事好きになれないなら、俺も諦める」
「、、じゃあ付き合ってみる?」
すると、突然俺の耳を冬時が触り、触れる度に擽ったく変な感触に「やめろ」と声をあげる。
「前々から思ってたけど、、朝霧って耳弱いよね幼稚園の時からずっと見てるから」
「かわいい」
くすっと笑われ、「恋人だからいいじゃん」と今度は膝に載せられてしまう。きっと、冬時が今の今まで我慢していたものがここで爆発したんだろう。
「あと朝霧一つ言っとくけど」
「あ?」
「俺お前の事絶対離す気ねえから」
圧のかかった笑顔で、俺を見る冬時の目の中に、光はなかった。
