肩幅が広く、内人服が窮屈そうに張りつめている。伏せられた睫毛の奥の瞳は、冷たく鋭い。
まるで、獲物を値踏みする獣のようだった。
「……その者は?」
「私の異母兄です。名は| 霧津《ムジン)といいます。本日から邸下の身の回りの世話をいたします」
霧津と呼ばれた男は、無言で一歩前に出た。跪く動作すら機械的で、感情が読み取れない。
誰も見ていないことを確認した瞬間、霧津は英蓮の足元に膝をつき、その冷え切った小さな手を大きな両手で掴んだ。――強く、容赦なく。
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