偽装世子は冷遇されていたのになぜか影に溺愛されています。




 重臣たちの顔が、一瞬で青ざめた。


「な……何だ、これは……」

「李英蓮、……だと?」


 王の目が見開かれる。



「霧津……貴様、何を……」


 霧津は冷たく笑った。
これまで一度も見せなかった、氷よりも冷たく、炎よりも熱い笑み。


「王よ。貴方は世子……英蓮さまを『急病で病死』させようとした。だが、貴方は間違えた」


 霧津は一歩進み、英蓮の肩を抱き寄せた。
英蓮は震えながらも、ムジンの胸に寄り添う。


「私は世子など望まない。
私が欲しいのは、この女だ。
貴方がたが『不要』と切り捨て、嘲笑い、痛めつけたこの女を――
私が、この世で最も尊い存在として迎えたいと思っている」