「李顯は『急病で病死』したことにする。俺が、王位を継ぐ。 そして、あなたを英蓮を、正真正銘の中殿として迎える」
英蓮は息を呑んだ。
「そんな……そんなことが、できますでしょうか……?」
「できる」
霧津は冷たく、しかし確信を持って言った。
「俺ならできる。俺は崔氏の妾の子となっているが、実のところは隠された太上王の子だ」
「えっ、霧津が?」
「あぁ、太上王と異国から亡命してきた姫君との間に生まれたから表舞台に出てはいけなかったんだ」
なにしろ、その異国は以前は敵対していた国で一度滅んでいる。だが、王族の血を継いでいるとある貴族が小さいながらに国を作ったのだと聞いたことがあった。それからは友好国となったことも。
「今は友好国となったこととある条件から表舞台に出られることに決まったんだ。俺は、莫大な私財を隠し持っている。地方の有力者たちとの繋がりも、太上王との繋がりや異国の繋がりをすべて利用する。重臣たちの弱みは、すでに握っている。誰も傷つけず、誰も殺さず――俺の都合に書き換えるだけだ」



