偽装世子は冷遇されていたのになぜか影に溺愛されています。




「私を、……斬るのですか」


 英蓮はかすれた声だった。霧津の眉が、ほんのわずかに動く。
 

「何?」

「世子が女だと知ったのですから……王に報告すれば、私はすぐ処刑でしょう」


 英蓮は視線を落とした。もう、自分は終わりだとそう思った。

 だけど、最後に足掻いてもいいよね……


「ですが……今まで黙っていたのは、命じられたのです」



 霧津は黙っていた。その沈黙が、余計に恐ろしい。英蓮はゆっくりと顔を上げた。


「ですから……」


 自身の運命に布を握る手が震えた。