先生、それって飼育委員じゃなきゃダメなんですか?



「あっ、悠馬おかえり〜。良い所で帰ってきたじゃない。さっさと晩御飯食べちゃって」

「うん、お腹すいた」

数多と別れた後、家に着くと丁度晩御飯の支度が出来ていた。

「最近なんだか忙しそうね」

「うん、まあ〜1年生の歓迎会の準備とかでちょっとだけ忙しいかも」

「ヘェ〜、楽しそうだからいいんだろうけどねぇ」

「そんな風に見える?」

晩御飯を済ませ部屋に戻って椅子に腰掛けた。
鞄の中からキャラメルの箱を取り出してみる。

『キャラメルか。こんなパッケージだったっけ?』

有名なメーカーのじゃないんだな…
耳元に近づけて数回振ってみる。


カサカサカサカサッツ


どーしよう…これ開ける?
数多は晩御飯食べたら開けるって言ってたよなぁ

僕も同じ様なタイミングで開けた方がいいのかな?
でも開けたら数多から貰ったままのキャラメルの箱では無くなってしまう気がする。

『やっぱり今度にしようかな』

数多に会った時に何が出たか聞いてから開ける事に決めた。
キャラメルの箱を棚に飾って眺めてみる。
隣に置いてある鏡に、ニヤつく自分の顔が写っていて心底気持ち悪かった。




ー 数多の部屋 ー


『日向、ちょっとひいたかなぁ。
でもあまりの懐かしさに思わず買っちゃったんだよな。
高校生がキャラメルって…小学生かよ〜だよな。
でもあの時の日向の顔…どっちだったんだろ?

俺の好きな物を日向と共有したかったし貰って 欲しかった』

キャラメルの箱を手にとり、ためらわずに開封テープを引っ張った。
オマケの箱を軽く振ってみる。

カサカサカサカサ

「うーん、所詮オマケだからなぁ。子供の時は宝物が入ってると思ってたけど」


「ん…何?コレ?あっキーホルダーか」

中身を机の上に出してみた。
オレンジの様な赤い様な尻尾がひらひらした金魚のキーホルダー

「へえー、金魚かぁ。結構可愛いなぁ。これなら日向の方が良かったかも。日向は金魚が好きだからなぁ」

「あっ、もう一つ買ってたんだ!3個しか無かったから思わず全部買ったけど大丈夫かな?」

開封テープをクルクルっと外した。
耳元でもう一度振ってみる。
同じカサカサと言う音がした。

「うわ、イヤな予感……」
オマケの蓋を開けてみた。

「えっ?マジで…またキーホルダー」

恐る恐る机の上に出してみる。
それは可愛いようなブサイクなような?なんとも言えない顔をしたメダカのキーホルダーだった。
人差し指に二つのキーホルダーをかけて軽く振ってみる。

キーホルダーはゆらゆら揺れて、まるで泳いでいる様に見えた。

「ふーん、結構かわいいな」

今度このキーホルダーを日向に見せてみよう。


日向って鈍感そうだからなぁ…そろそろかな