クリスマスが近いから〜
と言う訳ではない。
たまたま髪の毛が伸びたから、美容院を予約した。
カットしてもらい、少しだけこげ茶色に染めてもらった。
今まで髪なんか染めたことなかったけど、まるで別人の僕が鏡に写っている。
「かっこいいですね。こげ茶色が良く似合いますよ。
ていうか、すごくモテそう!」
「ありがとうございます…。」
いつもならお世辞かな?なんて思うけど、今日の僕はありがたくその言葉を受け取っておこうと思う。
会計を済ませて外に出る。
寒む!
もうすっかり冬だ。
家に着いて玄関の扉を開け、中に入った。
見慣れない靴が置いてある
キッチンからは楽しそうな笑い声
この声は、ラブリーちゃん?
そう、僕の姉ちゃん。
「ただいま」
僕がそう言うと母と姉が僕の方を向き、一瞬固まった。
「ちょっと悠馬髪色変えたの?」
母親が一番驚いている。
「一瞬誰だか分かんなかったわ。でもめちゃ似合ってるよ」
姉も久しぶりに見た弟の姿に驚いたのかな?
2人して褒めてくれるなんて珍しい。
そんなに変わったかなぁ
「で、姉ちゃん今日仕事は?」
姉は仕事の関係で一人暮らしをしている。
「今日は有給とったんだぁ〜。
今年はクリスマスの24日がちょうど土曜日になったでしょう。だからたまには家族と一緒にケーキでも食べたいなぁって思ってケーキ選ぶ為に急遽帰ってきた訳」
間違いない。彼氏と別れたんだ……。
「さっき、お母さんとクリスマスケーキを予約してきたんだけどすごく美味しそうでさぁ。
イチゴのホールケーキとチョコのホールケーキどっちがいいかなんて選べなくって、2つとも予約したの。しかも6号!食べれきれるかなぁ?」
いやいや、食べれると思ったから、予約したんでしょう?サイズの事はよく分からないけど。
「ところでさぁ、悠馬はクリスマスどうするの?」
母親が会話に入ってきた
「クリスマスは数多と遊ぼうと思ってる」
「あー、数多くん」
母親の言葉に姉が鋭く突っ込む
「数多くんって誰?」
「悠馬と同じ高校の子で凄くかっこいい子なのよ。背が高くて、礼儀正しいの」
姉の瞳がきらりと光る
「へぇーーっ、同じ高校の子なんだ。家は近いの?」
「まあ、自転車で行けばそんなに遠くないけど」
「自転車って〜〜交通手段が高校生〜」
高校生ですけど何か??
「ねぇねぇ…その数多君って言う子、家に来てもらえばいいじゃん。さすがにケーキ食べ切れないからケーキ食べてもらいなよ。遊んだ後にちょっと家に寄って貰ってさぁ。
ねえ、お母さんもいいでしょう?」
「お母さんは別に構わないけど」
姉の魂胆はみえみえ。
僕があえてクリスマスに遊ぶ友達に興味が湧いたんだろう。
とは言えケーキを一緒に食べる約束はしたものの、何処で…とまでは考えが及ばなかった僕。
自分の部屋の方が緊張しなくていいのかも。
「あー、そうか…じゃあ、ケーキだけ一緒に食べようかなぁ」
「そうしなよー。その前は2人で遊びに行ったらいいんだし」
「うん、分かった。連絡しとく。」
僕はキッチンを出て、自分の部屋に行こうと階段を上っていった。
後ろから姉がついてきて、
「ねぇ、悠馬ぁ〜」
と話しかけてくる。
「何?」
姉の方に振り向くと
「悠馬、何か本当にかっこよくなったよね。お姉ちゃん、久しぶりに見てびっくりしちったぁ。
もしかして彼女とか出来た?」
「彼女なんて出来てないよ」
「へえー、そうなんだー。確かにクリスマスにデートしないなんて彼女がいる訳ないもんね。
あっ、もしかしてその数多君とやらが彼氏だったりする?」
女の勘は変なところで鋭い
「で、姉ちゃんは彼氏と別れたんだろう?」
「うるさい!!」
何故か背中をグーパンチされた。
「私は悠馬の良さをわかってくれる子なら男の子でも女の子でも構わないんだけどね〜」
ラブリーちゃんは意外と器が大きいのかもしれない。
ラブリーちゃんなんてふざけた名前で電話登録したのを叱るのはまた今度にしようと思う。
別れたばっかりのようだし…多分ね。
僕は数多に早速メールをいれた。
・24日のクリスマスなんだけど、ケーキはうちで食べない?食べきれない位予約しちゃったみたいで
・俺はそれでも良いけど。お邪魔してもいいのかなあ?
返信がすぐ来た。
・全然構わないよ。その前にお昼、一緒にどこかで食べない?それか映画に行ってもいいかなって。
・オッケー、また連絡するよ。ところで今日は何やってたの?
・髪切って来た。数多は今、家?
・俺は出先
・そうか〜、また明日
携帯の画面を眺めてニヤけてしまう。
初めてのクリスマス。
数多になんかプレゼントしたいなぁ。
ちょっと探しがてらブラブラしようかなぁ。
玄関で靴を履いていた時、
「あれ悠馬どっか行くの?」
姉ちゃん、まだいたんだ…
「ちょっと買い物しようかなぁと思って」
「そうなの?私、今から帰るから一緒に車に乗っていきなよ。私も何か可愛い雑貨欲しいから一緒に見ない?
途中で何かおいしいものでも食べよ。奢ってあげるからさぁ」
「マジで?じゃあ行こうかな?」
「よし!なら、早く車に乗りな」
姉からの提案を快諾して僕は姉の車に乗り込んだ。
車があると移動が楽でいい。
電車でよく行くんだけど、人混みがすごいから。
ショッピングモールをウロウロしていた時、可愛い革製品を展示しているお店を見つけた。
あれ?こんなお店あったっけ?プレゼントを探す時って目に入ってくるお店も違ってくるのか?
「ねえ、僕ここ見たい。姉ちゃんはどうする?」
「私、隣のお店を覗いてくるわ。買い物が終わったら隣に来て。」
「分かった。」
僕はお店の扉を開いた。
ツーンと酸っぱいような皮の匂い。
「いらっしゃいませ〜」
店員さんの元気な声が聞こえた。
お店の中は革製の物で溢れかえっている。
店内をゆっくり見て歩いていた時、ディスプレイされている1つの見本に目が止まった。
あっ、これは…
僕はそれを手にとって色んな角度から眺めてみた。
30分くらい眺めていたら店員さんが僕に近づいて来て
「色違いもありますから良かったら言って下さいね」
色ちがい…
「あのぉ、因みに何色がありますか?」
「確か、黒、茶色、赤、あっ、あと焦茶が一つだけありますよ」
取り敢えず全部見せてもらう事にした。
黒もカッコいい。でもやっぱり一目見た時にいいと感じた色を購入する事に決めた。
「焦茶でお願いします」
「有り難うございます。プレゼントですか?」
「はい…そうです」
いいですねーと言う様な眼差しで店員さんがにっこり微笑んでくれた。
「サービスでお名前が入れれますがどうしますか?」
「あっ、じゃあツムギでお願いします」
「分かりました。ローマ字でTUMUGIで宜しいですか?」
「はい、それでいいです」
リボンでラッピングされた「それは」今日の僕の髪色と同じ。
数多、喜んでくれるといいな。
数多のクリスマスプレゼントを買えたことに僕は大いに満足してしまった。
隣の店の扉を開くと姉はまだ何かをキョロキョロと探している。
「姉ちゃん、僕はもう欲しい物見つかったらから帰るよ」
「えーーっ、なんでよ。なんか甘い物でも食べてこうよ」
数日後には食べきれない程のケーキ食べるんだよね?
僕はたまね…と言って駅に向かって歩き出した。
と言う訳ではない。
たまたま髪の毛が伸びたから、美容院を予約した。
カットしてもらい、少しだけこげ茶色に染めてもらった。
今まで髪なんか染めたことなかったけど、まるで別人の僕が鏡に写っている。
「かっこいいですね。こげ茶色が良く似合いますよ。
ていうか、すごくモテそう!」
「ありがとうございます…。」
いつもならお世辞かな?なんて思うけど、今日の僕はありがたくその言葉を受け取っておこうと思う。
会計を済ませて外に出る。
寒む!
もうすっかり冬だ。
家に着いて玄関の扉を開け、中に入った。
見慣れない靴が置いてある
キッチンからは楽しそうな笑い声
この声は、ラブリーちゃん?
そう、僕の姉ちゃん。
「ただいま」
僕がそう言うと母と姉が僕の方を向き、一瞬固まった。
「ちょっと悠馬髪色変えたの?」
母親が一番驚いている。
「一瞬誰だか分かんなかったわ。でもめちゃ似合ってるよ」
姉も久しぶりに見た弟の姿に驚いたのかな?
2人して褒めてくれるなんて珍しい。
そんなに変わったかなぁ
「で、姉ちゃん今日仕事は?」
姉は仕事の関係で一人暮らしをしている。
「今日は有給とったんだぁ〜。
今年はクリスマスの24日がちょうど土曜日になったでしょう。だからたまには家族と一緒にケーキでも食べたいなぁって思ってケーキ選ぶ為に急遽帰ってきた訳」
間違いない。彼氏と別れたんだ……。
「さっき、お母さんとクリスマスケーキを予約してきたんだけどすごく美味しそうでさぁ。
イチゴのホールケーキとチョコのホールケーキどっちがいいかなんて選べなくって、2つとも予約したの。しかも6号!食べれきれるかなぁ?」
いやいや、食べれると思ったから、予約したんでしょう?サイズの事はよく分からないけど。
「ところでさぁ、悠馬はクリスマスどうするの?」
母親が会話に入ってきた
「クリスマスは数多と遊ぼうと思ってる」
「あー、数多くん」
母親の言葉に姉が鋭く突っ込む
「数多くんって誰?」
「悠馬と同じ高校の子で凄くかっこいい子なのよ。背が高くて、礼儀正しいの」
姉の瞳がきらりと光る
「へぇーーっ、同じ高校の子なんだ。家は近いの?」
「まあ、自転車で行けばそんなに遠くないけど」
「自転車って〜〜交通手段が高校生〜」
高校生ですけど何か??
「ねぇねぇ…その数多君って言う子、家に来てもらえばいいじゃん。さすがにケーキ食べ切れないからケーキ食べてもらいなよ。遊んだ後にちょっと家に寄って貰ってさぁ。
ねえ、お母さんもいいでしょう?」
「お母さんは別に構わないけど」
姉の魂胆はみえみえ。
僕があえてクリスマスに遊ぶ友達に興味が湧いたんだろう。
とは言えケーキを一緒に食べる約束はしたものの、何処で…とまでは考えが及ばなかった僕。
自分の部屋の方が緊張しなくていいのかも。
「あー、そうか…じゃあ、ケーキだけ一緒に食べようかなぁ」
「そうしなよー。その前は2人で遊びに行ったらいいんだし」
「うん、分かった。連絡しとく。」
僕はキッチンを出て、自分の部屋に行こうと階段を上っていった。
後ろから姉がついてきて、
「ねぇ、悠馬ぁ〜」
と話しかけてくる。
「何?」
姉の方に振り向くと
「悠馬、何か本当にかっこよくなったよね。お姉ちゃん、久しぶりに見てびっくりしちったぁ。
もしかして彼女とか出来た?」
「彼女なんて出来てないよ」
「へえー、そうなんだー。確かにクリスマスにデートしないなんて彼女がいる訳ないもんね。
あっ、もしかしてその数多君とやらが彼氏だったりする?」
女の勘は変なところで鋭い
「で、姉ちゃんは彼氏と別れたんだろう?」
「うるさい!!」
何故か背中をグーパンチされた。
「私は悠馬の良さをわかってくれる子なら男の子でも女の子でも構わないんだけどね〜」
ラブリーちゃんは意外と器が大きいのかもしれない。
ラブリーちゃんなんてふざけた名前で電話登録したのを叱るのはまた今度にしようと思う。
別れたばっかりのようだし…多分ね。
僕は数多に早速メールをいれた。
・24日のクリスマスなんだけど、ケーキはうちで食べない?食べきれない位予約しちゃったみたいで
・俺はそれでも良いけど。お邪魔してもいいのかなあ?
返信がすぐ来た。
・全然構わないよ。その前にお昼、一緒にどこかで食べない?それか映画に行ってもいいかなって。
・オッケー、また連絡するよ。ところで今日は何やってたの?
・髪切って来た。数多は今、家?
・俺は出先
・そうか〜、また明日
携帯の画面を眺めてニヤけてしまう。
初めてのクリスマス。
数多になんかプレゼントしたいなぁ。
ちょっと探しがてらブラブラしようかなぁ。
玄関で靴を履いていた時、
「あれ悠馬どっか行くの?」
姉ちゃん、まだいたんだ…
「ちょっと買い物しようかなぁと思って」
「そうなの?私、今から帰るから一緒に車に乗っていきなよ。私も何か可愛い雑貨欲しいから一緒に見ない?
途中で何かおいしいものでも食べよ。奢ってあげるからさぁ」
「マジで?じゃあ行こうかな?」
「よし!なら、早く車に乗りな」
姉からの提案を快諾して僕は姉の車に乗り込んだ。
車があると移動が楽でいい。
電車でよく行くんだけど、人混みがすごいから。
ショッピングモールをウロウロしていた時、可愛い革製品を展示しているお店を見つけた。
あれ?こんなお店あったっけ?プレゼントを探す時って目に入ってくるお店も違ってくるのか?
「ねえ、僕ここ見たい。姉ちゃんはどうする?」
「私、隣のお店を覗いてくるわ。買い物が終わったら隣に来て。」
「分かった。」
僕はお店の扉を開いた。
ツーンと酸っぱいような皮の匂い。
「いらっしゃいませ〜」
店員さんの元気な声が聞こえた。
お店の中は革製の物で溢れかえっている。
店内をゆっくり見て歩いていた時、ディスプレイされている1つの見本に目が止まった。
あっ、これは…
僕はそれを手にとって色んな角度から眺めてみた。
30分くらい眺めていたら店員さんが僕に近づいて来て
「色違いもありますから良かったら言って下さいね」
色ちがい…
「あのぉ、因みに何色がありますか?」
「確か、黒、茶色、赤、あっ、あと焦茶が一つだけありますよ」
取り敢えず全部見せてもらう事にした。
黒もカッコいい。でもやっぱり一目見た時にいいと感じた色を購入する事に決めた。
「焦茶でお願いします」
「有り難うございます。プレゼントですか?」
「はい…そうです」
いいですねーと言う様な眼差しで店員さんがにっこり微笑んでくれた。
「サービスでお名前が入れれますがどうしますか?」
「あっ、じゃあツムギでお願いします」
「分かりました。ローマ字でTUMUGIで宜しいですか?」
「はい、それでいいです」
リボンでラッピングされた「それは」今日の僕の髪色と同じ。
数多、喜んでくれるといいな。
数多のクリスマスプレゼントを買えたことに僕は大いに満足してしまった。
隣の店の扉を開くと姉はまだ何かをキョロキョロと探している。
「姉ちゃん、僕はもう欲しい物見つかったらから帰るよ」
「えーーっ、なんでよ。なんか甘い物でも食べてこうよ」
数日後には食べきれない程のケーキ食べるんだよね?
僕はたまね…と言って駅に向かって歩き出した。
