先生、それって飼育委員じゃなきゃダメなんですか?

歓迎会当日は、見事に大成功を収めた。
今までと違った学校生活に触れた企画が良かったみたい。

勿論あの髙木の面白動画は大反響を呼んだ。
本人は
「なんであの動画なんだよー」
なんて、文句たらたらだったけど、クラスの女子から
「髙木君って面白いんだねー。」
なんて言われて悪い気はしていなかたみたい。
取り敢えず良かったのかも?
委員会の動画は活動の様子が一年生にも分かりやすかったようで先生からもよく5人であそこまで頑張ったなぁと褒めてもらった。
撮影は確かに全員でやったけど編集は殆ど数多がやってくれたし、当日スクリーンを用意して動画を流してくれたのも数多。数多、本当に感謝してます。

僕達は1年生や在校生にお菓子の袋を渡したり、アメ玉を渡すだけの簡単な役目だった。
でも袋詰めの駄菓子を受け取った1年生からは受けが良かったみたい。
瑞穂や里見、東らイケメンから直接手渡されるのは流石に嬉しかったんだろう。
女子達がキャーキャー騒がしかった。
男子はそんな女子をクールに見てたけど。
でも皆んなの記憶には確かに残ったと思う。
2、3年生からはアメ玉をもう一つ欲しかったと言うリクエストも出たらしいが、それでも苦情には至らない。
余ったアメ玉は先生たちにも配った。
良かった…これで肩の荷が降りた。


放課後、僕は飼育室に寄って痛んだ水草を変えようと思った。
水槽の金魚を覗きながらふっと考えてしまう。
「今日から数多はもうこの飼育室には来ないのかなあ?」
同じクラスとはいえども、今までよりは関わりが減るだろう。
何故か寂しい…そう思う時点で、うすうす自分の気持ちには気づき始めていた。

「やっぱりここに居ましたか。
教室にいなかったからもう帰ったのかなあと思ったんですが、もしかしたら飼育室に居るかもと思って…」
数多が僕を探してくれていたのかと思ったら少し嬉しくなってきた。

「今日はどうしても言いたい事があって」
数多が僕の目をじっと見る。
「日向は時々自信なさげにしていますが、君はとても魅力的ですよ。
今回のこの成功で自信がついたんじゃないですか?
それに日向ってとてもきれいな目をしているんです。
自分で気付いてましたか?
見ていると吸い込まれそうで、時々怖くなります。
あと、日向は自分のパーソナルスペースをとても大切に考えているんです。僕と同じですね」

ちょっ待って…
お願いだから数多
そんな事言わないでくれよぉ。
もう胸が苦しくて、シャツの胸元をぎゅっと掴むのが精一杯だった。
僕は数多が好きだ。
女だからとか男だからとかじゃない。
数多だから好きなんだ。
数多が好き….
僕はこの気持ちをどうしたらいいんだろう?
好きって言ったら引かれるかな?