グッと拳を握る。今、言わなければもうこの先想いを伝えられるチャンスは来ないかもしれない。
「……俺は、円城寺が好きだから」
二年間、伝えられなかった二文字を斎川はようやく円城寺に伝えた。二人の間にしばらく沈黙が流れ、グラウンドの陸上部の掛け声がやけに大きく聞こえた。
斎川は祈るような表情で円城寺を見つめていると、その口がようやく開いた。
「……本当に、遅いよ、斎ちゃん」
「え?」
円城寺は斎川の腕を解くと、その手を掴みグッと自分の方へ体を引き寄せる。間近に円城寺の瞳が迫ったと思った瞬間。
「!!」
円城寺の柔らかい唇が塞ぎ斎川は目を見開いた。突然のことで、体がまるで石のように固まってしまう。それは短い時間だったのだろうが、斎川には時が止まったかのような一瞬だった。
唇が離れ、困惑する斎川。夕陽が円城寺の顔を照らし出していた。それは今までに見たのとのない、色気すら感じられるような表情だった。
「寮に帰ろう」
円城寺は斎川の手を引っ張りながら図書館の扉を開き群青寮へと向かう。手を繋いで足早に歩く二人の様子を見た生徒たちがなんだなんだと騒ぎ始めた。
「なんだ? 生徒会長が副会長を引っ張ってる」
「喧嘩でも始めるのかな?」
「いやでも、喧嘩っぽく見えないけど……」
「……いいなあラブラブで」
円城寺は生徒たちのざわめきを無視して自室の前まで来ると扉を開けて、斎川を部屋の中に押し込んだ。その勢いで足がもつれ、斎川は尻餅をついてしまう。幸い強打することはなかった。
「あっぶな……」
「斎ちゃん、鈍感にも程がある」
その言葉の意味がわからず、斎川が狼狽えていると顔がどんどん近付いてきた。さっきのキスを思い出し斎川は顔を赤らめた。
「え、円城寺?」
「斎ちゃんこそ、要と仲良くしてるよね。……君は僕のものなのに」
聞き間違いだろうか。一瞬斎川はそんなことを感じてしまった。念ずる余り、円城寺が自分に都合のいいことを言っているような幻を……などと考えていると、円城寺は斎川の頬に手を伸ばし、ゆっくりと触れた。
「僕の横にはいつも斎ちゃんがいてくれただろ。だから……そばにいてよ、ずっと」
斎川も円城寺の頬に手を当てる。間違いない。この体温と円城寺の言葉は現実なのだ。
「……それは、恋愛感情ありでも、いいのか」
「さっきのキスが友達感情だと思う?」
「……俺は、円城寺が好きだから」
二年間、伝えられなかった二文字を斎川はようやく円城寺に伝えた。二人の間にしばらく沈黙が流れ、グラウンドの陸上部の掛け声がやけに大きく聞こえた。
斎川は祈るような表情で円城寺を見つめていると、その口がようやく開いた。
「……本当に、遅いよ、斎ちゃん」
「え?」
円城寺は斎川の腕を解くと、その手を掴みグッと自分の方へ体を引き寄せる。間近に円城寺の瞳が迫ったと思った瞬間。
「!!」
円城寺の柔らかい唇が塞ぎ斎川は目を見開いた。突然のことで、体がまるで石のように固まってしまう。それは短い時間だったのだろうが、斎川には時が止まったかのような一瞬だった。
唇が離れ、困惑する斎川。夕陽が円城寺の顔を照らし出していた。それは今までに見たのとのない、色気すら感じられるような表情だった。
「寮に帰ろう」
円城寺は斎川の手を引っ張りながら図書館の扉を開き群青寮へと向かう。手を繋いで足早に歩く二人の様子を見た生徒たちがなんだなんだと騒ぎ始めた。
「なんだ? 生徒会長が副会長を引っ張ってる」
「喧嘩でも始めるのかな?」
「いやでも、喧嘩っぽく見えないけど……」
「……いいなあラブラブで」
円城寺は生徒たちのざわめきを無視して自室の前まで来ると扉を開けて、斎川を部屋の中に押し込んだ。その勢いで足がもつれ、斎川は尻餅をついてしまう。幸い強打することはなかった。
「あっぶな……」
「斎ちゃん、鈍感にも程がある」
その言葉の意味がわからず、斎川が狼狽えていると顔がどんどん近付いてきた。さっきのキスを思い出し斎川は顔を赤らめた。
「え、円城寺?」
「斎ちゃんこそ、要と仲良くしてるよね。……君は僕のものなのに」
聞き間違いだろうか。一瞬斎川はそんなことを感じてしまった。念ずる余り、円城寺が自分に都合のいいことを言っているような幻を……などと考えていると、円城寺は斎川の頬に手を伸ばし、ゆっくりと触れた。
「僕の横にはいつも斎ちゃんがいてくれただろ。だから……そばにいてよ、ずっと」
斎川も円城寺の頬に手を当てる。間違いない。この体温と円城寺の言葉は現実なのだ。
「……それは、恋愛感情ありでも、いいのか」
「さっきのキスが友達感情だと思う?」



