愛され婚活するならお天気雪の日、九尾の妖狐をお相手に。

 あ……彼の家チェックは、終わっていないってことか……そこは、ちゃんとしないとね。

「おい……おい。どうして、そんなに平静で居るんだ? おぬし、ただの人の子ではないのか?」

「え? いえ。普通の人の子ですよ。私は」

 ろくろっ首は近付いて来る男性の身体へ、綺麗に収納された。嫁入り道中では狐の仮面を付けていたので、私は彼の顔をここで初めて見たのだけど、普通に日本男子の様子の男前だった。

 ゲスなことを言って来たので、どうせ変な顔だろうと思っていたのだけど、普通に爽やかな男性だった。なんだか、違和感。

 ……当然だけど性格が悪くても、顔の良い人は居るわよね。

「しかし、俺の姿を見ても落ち着き払って……変な女だ。千早は何処に行った?」

「あ、頭を冷やしに行ったみたいです。私が彼に結婚を申し出て……」

 彼は周囲を確認するように見回し、私は彼に言われた通りに伝えた。

「は? あいつに結婚を申し出て? 千早は天狐だぞ。知らないとは、怖いことだ」

 おそれをなしたように彼は二歩ほど下がり、私はそんな様子を見て不思議に思った。

「天狐って、なんですか?」