愛され婚活するならお天気雪の日、九尾の妖狐をお相手に。

 私は出来れば素敵な男性と結婚したい。それは、別にひと形になれるあやかしでも良いのでは? と、今日いまここで気が付いた。

 これは、良い出会いなのよ。

「いや、待ってくれ。理解が追いつかない。お前の結婚したいという気持ちは、確かにわかるんだが……妖狐と結婚したいと思うのか?」

 戸惑った様子でお兄さんは言い、私はその時に彼の名前も知らないのに、結婚を望んでしまっていたことに気が付いた。

「あの! お名前は、なんと言いますか?」

 名前は大事よ。今まで聞くのを忘れていた私が言うのもなんだけど……。

「は? 俺は千早(ちはや)だ。いや、しかし、その、あれだ。わかった……俺は白狐の族長の息子で、年収などという概念はないが、贅沢に暮らしても支障はない。兄弟も居ない。そして、父母とは既に別で暮らしている」

 あ、私の質問にも答えてくれた! そうなのね……ふむふむ。族長の息子さんだと、もちろん生活の心配はないだろうし……つまり、一人っ子長男で、両親との同居はなし!

 高収入で好条件だわ。それに、なんというかこうして直接話すと、彼の人となりがわかる。