イケメン幽霊に溺愛されてます

「おはよう」
 最早定番になり始めた、顔がストライクゾーンな陵によるモーニングコール。
「お、おは……んぅ」
 不意打ちは弱い。ドキドキしていると、陵はますます心臓に悪いことをする。
「んっ、ふ……」
 リップ音を立てながら、繰り返し口付けてきて、逃げようとすれば、逃がさないというように口付けを深くしていく。
「も、むり……」
 とろんとした目で訴えれば、陵の喉が鳴る。
「襲っていい?」
「いい、わけ、ないだろ」
 俺は唇を拭い、慌てて距離を取る。
 隼人との一件以来、陵は以前にも増してこういうことをすることが増えた。
 俺はもともと隼人が好きで、隼人にも好意を寄せられ始めていて、それなのに陵とこういうことをしても全然嫌じゃない自分がいて。   
 本当はどこかで気付き始めていた。
 でも、認めるわけにはいかなかった。
 だって、陵は。
 俺は陵の薄っすら透けた体を見て溜息をつく。
「どうした?」
「ううん、別に。陵はやっぱり幽霊なんだなって」
「今さら何だよ」
「だって……」
 俺がまた溜息をつくと、二人の間に沈黙が落ちた。
 その時、スマートフォンが鳴って、隼人からのメッセージを受信した。
『昼休み、話がある。できれば、陵君抜きで』
 と書かれた内容を隠す間もなく陵も見てしまう。
「行くのか」
「………」
 俺は何と返事をすればいいか分からなかった。