「うーん、やっぱり、今日はここのスーパーにするかぁ」
小野雪羽15歳高校1年生、夏休みに入って早1週間、主婦みたいな生活をしてます。
いや、実際殆ど年中無休で主婦しているんですが。
連日日差しの強い中、クーラーの効いたリビングで、ソファに座りながらチラシの特売品や安い商品を確認する日々。
帰ってくる両親の溜まった洗濯物を洗って、また持って行ける様に準備したり、夏バテしない様にと料理のレシピを考える日々。
これを、主婦と言わず何と言う。
「この前ついに宗輔に
『このまま行ったら、専業主婦まっしぐら』
って、言われたしなぁ」
自分の家事スキルの高さに度々恐れをなしてたけど、ここまではとは本当に俺、恐ろしい子ッ!!
って言う冗談はさておいて、特に安い商品が多いチラシを見ながら、今日行くスーパーを決めた。
買い物袋と財布、買う商品のメモ紙などを入れた鞄を準備していると、朝のテレビの天気予想を思い出して動きを止めて外の庭の方に視線を向ける。
「そう言えば、夕方から雨って言ってた様な」
現在14時半。
今から行くところは電車で行って軽く30分はかかる。買い物になると早くても30分、長くて1時間、そして帰れば30分。
帰る頃には夕方になってるし、雨が降るのは避けられない状態、か。
しょうがない、朝から干してるしこの天気の良い日中だし、家に入れても良いか。
そう決めて、庭に出て竿に掛けてあるハンガーなどを取って部屋に備え付けている取手にかける。
これ便利なんだよなぁ。マジ。
家の窓を全て閉じて、クーラーを消して荷物を持って俺は家を出た。鍵を閉めてね。
日差しが強いから、日焼け止め塗っておこう。
「暑い」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
「特売って主婦の味方だよなぁ、、、、、、、、俺主婦じゃないんだけどね」
あっぶね、危うく自認主婦になっちゃう所だった。
目的のスーパーに着いてカートを押しながら広告に載ってた特売品を見て目を輝かせてる時点で俺も立派な主婦ってか。
笑えんな。
素麺1人で食べたら余るし、夏休み食べた記憶殆どないなぁ。何て思いながら入れる俺は何だろう。
お肉を入れたり、1人用の2キロのお米を入れたり、夏野菜や豆腐に味噌、ぁ、トイレットペーパー買わんと。
「ヤベッ、めっちゃ買っちゃった」
結果、いつもとは違うお店だからって、5000円のお買い物をしちゃったアホが此処に居ます。
うー、カートだと重さとか考えずに買っちゃったりするんだもんなぁ。次からは気をつけよう。
なんて、多分次もやらかすだろうな、って思いながら買った商品を買い物袋に入れようと台に置くと背後からいきなり声をかけられた。それはうるさい店内のはずなのに俺の耳にしっかりと届いた。
「あれ?雪羽」
「え?(振り向く)、、!春夜先輩!」
まさかの同じく会計が終わったであろう私服姿の春夜先輩がそこに居た!
え、何で先輩が!?それより、私服の先輩も相変わらずのイケメンで、、、、って、俺の買い物の量見て引かれちゃわないかな!!?
何て、内心あたふたしていると、俺の隣が空いて、俺の隣にカゴを置く春夜先輩。
「俺、いつも使ってるスーパーここだからさ」
「ぁ、そうだったんですか。俺は今日は特売だから来て」
「ぁー、そう言う事。家計のやりくりとか頑張ってるんだな」
「!は、はい」
よし!引かれてない!!
と安心して、俺は買い物を買い物袋に入れていく。すると、先輩が手に持っている物につい意識を向けてしまう。
だって、スイカ丸々1玉だったから。わぁ、デッカい。じゃなくて、何で丸々1玉!?
って言う疑問になってしまう。俺はつい、動きを止めてスイカをマジマジと見てしまった。
その視線に気づいたのか、春夜先輩が笑いながら話をする。
「良かったら食べるか?」
「え?」
「安かったから買ったけど1人で食べ切れるか不安だし。そんなに見てたら、な?」
「ありがとう、ございます(顔を赤らめる)」
うぅ、恥ずかしい。なんか、欲しがってるって思われてない、よな?思われてたら更に恥ずかしいんだけど!!
でも、先輩からの提案断れる訳ないじゃん!!
それから黙々と買い物袋に仕舞い、全部入れ終わったらカゴをカゴ置き場に置いてカートを押して、買い物袋とトイレットペーパーを持とうとしたら、トイレットペーパーをヒョイっと持ち上げる春夜先輩をただ見上げる事しか出来なかった。
「?先輩?」
「俺、荷物少ないし、今から俺の家行くんだから、持つ。雪羽が辛そうなのは見てられんし」
「、、、、」
「分かった、は?」
「分かり、ました」
先輩の圧に負けて、受け入れてしまった俺。
だってしょうがないじゃん!!そのまま、カートをカート置き場に押し込んでから、俺は春夜先輩の家に向かった。
ん?、え?あれ、先輩今なんて?
『今から俺の家行くんだから』
???今から俺の家行くんだから!!?!?
俺、今から春夜先輩の家行くの!!?!?
ど、ど、ど、ど、どうしよう!と言う事は実質、2人っきりって事!?
いや、いつも学校で2人っきりだけど、あれは学校だからってのもあるし!
お、俺、どうすれば良いんだ〜!!!!!!
なんて、葛藤してるのも束の間、俺は春夜先輩が住むマンションに着いていた。
うーん、立派。これを1人で暮らしてるって、春夜先輩のお父さん何やってるんだろう、って思うがそんな軽い事聞ける立場じゃないから、聞かないでおこう。
ロックを解除して中に入り、エレベーターを上がった。10階って結構高いんだなぁ、って実感したよね。
それに住人の方達も優しい雰囲気纏ってて、セレブリティを感じた。
大原って言う表札を見て改めてドキッとした。だって、今から本当に春夜先輩の家に入るんだって思うと、ただそれだけで、ドキドキしてしまう。
カードキーで鍵を開けて、扉を開いて俺を先に入れてくれる春夜先輩。うーん、スマート!!
「よし、入って」
「ぁ、はい、お邪魔します」
そう中を入ると、一言、広かった。玄関の時点で広いからさぁ。
綺麗だったし、結構掃除は行き届いている感じだ。廊下を歩いてる途中、春夜ってローマ字で書かれた表札?みたいなのが掛かった扉があったが多分春夜先輩の部屋だなって察した。
それに少しだけ、春夜先輩の匂いがした。それを実感すると、
「(死ぬ)」
リビングに入ると、キッチンがすぐ視界に入って、うわぁ、綺麗!ソファとかカーテンとか、テレビとか全部高級品に見える!
それに家を出てたはずなのに少し涼しかった。多分家に帰る前に遠隔でクーラー付けてたんだな。
って思いながら、キッチンの台の下に買い物袋を置こうとすると冷蔵庫に買った物を仕舞っていた春夜先輩に、
「台に置いて良いよ。と言うか、冷蔵庫の中入れて良いし」
「え、でもそれは迷惑って言うか」
「良いから。腐ったりしたら嫌だろ?それに今日はどうせ泊まるんだから」
「まぁ、そうですね。分かりました、、、、、、、、ん?泊まる?」
「ん?そうだろ?この後土砂降りだからって、電車も休止になるって言うし、今から行っても間に合わないだろうし。あれ?それ分かってて俺ん家来たんじゃねーの???」
「分かってなかったですけど!!?」
どう言う事やねん!!!!!!
春夜先輩の家にお邪魔するってだけでもダメージがかかるってのに、泊まるってなったら俺のHPは0になっちゃう。
そんな俺の事はお構いなしに俺の買った商品を次々と冷蔵庫に入れていく春夜先輩。
うーん、暴君。
じゃなくて、タクシーは多分、雨が降ったら使う人が多いから無理だろうし、バスはバス停何処にあるか知らないし!多分人多いだろうし!
徒歩はなし!
と言う事で俺の選択肢は元から0、だった。
なんて思ってると、春夜先輩は俺の目の前に立った。顔を上げると、むすくれてる表情で俺のを下ろしてる春夜先輩。
「何だよ。俺は、泊まって貰えるの結構嬉しいんだけど、、、、何?嫌なの?俺の家泊まるの」
「いや、嫌じゃない、ですけど」
「ん、なら良い」
寂しそうな顔をして言う春夜先輩にそこまで言われたら、断れる訳ねーじゃん!!!!!!
この人俺の心臓を壊すのが結構得意だな!!?!?
それから、俺は泊まらせて貰うお礼として夜ご飯を作られて貰った。
春夜先輩のキッチンはある程度、調味料とか調理器具が揃ってた。でも減ってる調味料とか調理器具の使われてる順から見ると、とりあえず全部集めちゃうタイプなんだって察した。
「先輩、ロコモコ丼とかで良いですか?キャベツあるので」
「良いよ!ロコモコ丼って何?」
「ぁ、そこから。ご飯の上にキャベツとハンバーグ、目玉焼きを乗せた丼物、ですかね」
「!、それめっちゃ美味しいやつ、だよな?」
「まぁ美味しいですね。トマトあるし、トマトをソースに使うか」
テキパキとご飯を水で溶いたり、ハンバーグに入れる玉ねぎを微塵切りにしたり、トマトを切ったりしてる姿を見つめる春夜先輩の視線が気になる。
まぁ自分以外に作ってる姿を見るのは、珍しいって言うか気になるんだろうけど。
俺も料理をしている中で色々分かった。家にある家電製品は全部最新型、多分先輩が買ったって言う感じはしない。
「先輩、これって、もしかして先輩のお父さんが買った、とかですか?」
「ぁー、うん。新しいの欲しいって言ったら、全部買ってくれた。良いやつなのかは分かんないけど」
「、、、、へぇ〜」
、、、、多分、先輩のお父さんはちゃんと春夜先輩の事を大切にしてるんだって分かった。
春夜先輩でも使いやすい家電製品だし、定期的に日用品とか食材などを送ってるのが、部屋の隅に置かれてる段ボールでも気づいた。
でも先輩はそれに一切気付いてないっぽいなぁ。
全部作り終わったら、俺はどんぶりに入れて目玉焼きを乗せ終わったら、テーブルに置く。
春夜先輩は目を輝かせ続けてるのがちょっと面白いなぁよりも俺の恋心がくすぐられる。
椅子に座って、正面に座ってる春夜先輩と一緒に手を合わせる。
「「いただきます」」
先輩は箸を持って、ハンバーグと目玉焼きを1口大に切り取って、口に含んでから、ソースが付いた白米とキャベツを食べる。
すると、口いっぱいに含んだかと思えば、俺の方を見て目を輝かせて、ニコッ笑う。
それ見て、可愛いなぁ、って思いながら俺も食事を始める。味は俺の想定内の味、だけど先輩と居るからかな、いつも以上に美味しいなぁ。
やっぱり、一緒にご飯を食べるといつも以上に美味しく感じるなぁ。
・
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・
・
「ふぅ、サッパリした」
お風呂を上がって俺は春夜先輩に用意して貰った俺より多分2回りぐらい大きいスエットを着て、春夜先輩の匂い、と言うか消臭剤を付けたタオルで髪を拭きながら、リビングに戻る。
春夜先輩に包まれてる感覚になってるから今多分体が熱い。照れてるから。
「あれ?、先輩」
「スー スー スー」
ソファで座ってる先にお風呂に入った先輩に声をかけようとしてたら、スヤって眠っていた。
その姿を見て、俺はとりあえずスマホで写真を撮った。音を立てずにね!
とりあえず、春夜先輩アルバムに入れておこう。それから音を立てずに春夜先輩の家を観察する事にした。
少し大きめの棚の上に置かれた沢山の写真立てを見ると、小さい頃の春夜先輩の姿が映っていた。
お母さんらしき女性とピースをして映ってる写真とか、お父さんらしき男性とお母さんらしき女性と3人で映った写真や、
「ぁ、これは高校入学の時のかな」
お父さんらしき男性と多分義母?さんらしき女性と映った入学式の時の写真もあった。
その写真を見ると少しだけ、先輩の新たな一面を知れて嬉しくなった。
一通り見終わったら、俺はまた眠ってる春夜先輩に近づく。
寝てる春夜先輩の顔は流石顔面国宝級だな、って思うぐらい綺麗な寝顔だった。無防備な春夜先輩を初めて見るからか、ちょっとだけイタズラ心が働いた俺。
だって2人っきりだけの空間だからしょうがない!
「(頬を突く)、、、、ふふっ、可愛い」
「(いきなり目を開ける)、、ふーん、可愛い、ねぇ」
「!、は、春夜先輩!!?」
起きてたの!!?!?
急に目を開けられて俺ビックリしてしまった。後退ろうとするけど、俺の腕をギュッと掴んで引き留める先輩。
起きてるなら言ってよ!!と思うが強くは言えないのが悲しい性格で。
「いつから起きてて」
「え?写真撮る所から」
「早く言ってくださいよぉ〜」
「ごめんって、、って髪濡れてるじゃん、まだ、ほら拭いてやるから座って(腰を掴んで足と足の間に座らせる)」
誤ってくれたと思ったら俺の髪が濡れてる事に気づいて、腰を掴んで座らせてきた春夜先輩。
背中に春夜先輩の体が触れてドキッと少し震えてしまう。だけど、春夜先輩はそんな事よりも俺の腰を掴んだ時に感じた感想を言ってくる。
「雪羽、細くない?ちゃんとご飯食べてるか?」
「食べてますよ!!筋肉が付きにくいって言うか、太りにくいんですよ。細いって言うのはなんかカッコよくないみたいで嫌です」
「そう?(髪をタオルで拭く)俺は、俺にズバッと物おじせずに言ってくれる雪羽はカッコいいなって思うけどな」
「え?(顔を振り向こうとする)」
「(頭を押さえる)カッコいいし、可愛いよ。俺にとったら大切だから」
「、、、、(全身顔真っ赤)、、、、先輩はいつも、カッコいい、です」
俺は真っ赤な顔を見えないようにして、震える声でそう言う。先輩は「ヤッタ」なんて言いながら、髪を拭いてくれる。
可愛い、とか大切、とか言われるたび、嬉しいし期待してしまう。まぁ、叶う訳はないのは分かってる。期待するだけ無駄だけど。でも、先輩は可愛いとかを平然と言えるのは凄いと思う。
今日のおかげでもっともっと春夜先輩の事を好きになったし、大切になった。
「ぁ、そうだ。合鍵渡すからさ、いつでも来たら?俺の家」
「え゛、い、良いんですか?(ヤバい、これは死ぬ)」
「おう。悪用しないし、それに夏休み期間雪羽の料理食べれないのは考えられないな、って気づいたからさ」
「、、、、分かりました。じゃあ貰い、ます」
「ん、」
てな訳で俺は片思い相手の合鍵をまさかのゲットしてしまった。
幸運過ぎるな、と同時に何で俺はこんなにも春夜先輩に甘やかされてるって言うか優しくされてるんだるって思ってしまう。
俺優しくされるような事したかな???
まぁ、春夜先輩クールだけど優しい、って言うのは有名だから違和感は感じないけど。これ以上優しくされたり甘やかされたりすると勘違いしちゃう!!!!!!
その日、俺は春夜先輩の隣でグッスリは眠れたけど、意識しまくりましたとさ。
小野雪羽15歳高校1年生、夏休みに入って早1週間、主婦みたいな生活をしてます。
いや、実際殆ど年中無休で主婦しているんですが。
連日日差しの強い中、クーラーの効いたリビングで、ソファに座りながらチラシの特売品や安い商品を確認する日々。
帰ってくる両親の溜まった洗濯物を洗って、また持って行ける様に準備したり、夏バテしない様にと料理のレシピを考える日々。
これを、主婦と言わず何と言う。
「この前ついに宗輔に
『このまま行ったら、専業主婦まっしぐら』
って、言われたしなぁ」
自分の家事スキルの高さに度々恐れをなしてたけど、ここまではとは本当に俺、恐ろしい子ッ!!
って言う冗談はさておいて、特に安い商品が多いチラシを見ながら、今日行くスーパーを決めた。
買い物袋と財布、買う商品のメモ紙などを入れた鞄を準備していると、朝のテレビの天気予想を思い出して動きを止めて外の庭の方に視線を向ける。
「そう言えば、夕方から雨って言ってた様な」
現在14時半。
今から行くところは電車で行って軽く30分はかかる。買い物になると早くても30分、長くて1時間、そして帰れば30分。
帰る頃には夕方になってるし、雨が降るのは避けられない状態、か。
しょうがない、朝から干してるしこの天気の良い日中だし、家に入れても良いか。
そう決めて、庭に出て竿に掛けてあるハンガーなどを取って部屋に備え付けている取手にかける。
これ便利なんだよなぁ。マジ。
家の窓を全て閉じて、クーラーを消して荷物を持って俺は家を出た。鍵を閉めてね。
日差しが強いから、日焼け止め塗っておこう。
「暑い」
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「特売って主婦の味方だよなぁ、、、、、、、、俺主婦じゃないんだけどね」
あっぶね、危うく自認主婦になっちゃう所だった。
目的のスーパーに着いてカートを押しながら広告に載ってた特売品を見て目を輝かせてる時点で俺も立派な主婦ってか。
笑えんな。
素麺1人で食べたら余るし、夏休み食べた記憶殆どないなぁ。何て思いながら入れる俺は何だろう。
お肉を入れたり、1人用の2キロのお米を入れたり、夏野菜や豆腐に味噌、ぁ、トイレットペーパー買わんと。
「ヤベッ、めっちゃ買っちゃった」
結果、いつもとは違うお店だからって、5000円のお買い物をしちゃったアホが此処に居ます。
うー、カートだと重さとか考えずに買っちゃったりするんだもんなぁ。次からは気をつけよう。
なんて、多分次もやらかすだろうな、って思いながら買った商品を買い物袋に入れようと台に置くと背後からいきなり声をかけられた。それはうるさい店内のはずなのに俺の耳にしっかりと届いた。
「あれ?雪羽」
「え?(振り向く)、、!春夜先輩!」
まさかの同じく会計が終わったであろう私服姿の春夜先輩がそこに居た!
え、何で先輩が!?それより、私服の先輩も相変わらずのイケメンで、、、、って、俺の買い物の量見て引かれちゃわないかな!!?
何て、内心あたふたしていると、俺の隣が空いて、俺の隣にカゴを置く春夜先輩。
「俺、いつも使ってるスーパーここだからさ」
「ぁ、そうだったんですか。俺は今日は特売だから来て」
「ぁー、そう言う事。家計のやりくりとか頑張ってるんだな」
「!は、はい」
よし!引かれてない!!
と安心して、俺は買い物を買い物袋に入れていく。すると、先輩が手に持っている物につい意識を向けてしまう。
だって、スイカ丸々1玉だったから。わぁ、デッカい。じゃなくて、何で丸々1玉!?
って言う疑問になってしまう。俺はつい、動きを止めてスイカをマジマジと見てしまった。
その視線に気づいたのか、春夜先輩が笑いながら話をする。
「良かったら食べるか?」
「え?」
「安かったから買ったけど1人で食べ切れるか不安だし。そんなに見てたら、な?」
「ありがとう、ございます(顔を赤らめる)」
うぅ、恥ずかしい。なんか、欲しがってるって思われてない、よな?思われてたら更に恥ずかしいんだけど!!
でも、先輩からの提案断れる訳ないじゃん!!
それから黙々と買い物袋に仕舞い、全部入れ終わったらカゴをカゴ置き場に置いてカートを押して、買い物袋とトイレットペーパーを持とうとしたら、トイレットペーパーをヒョイっと持ち上げる春夜先輩をただ見上げる事しか出来なかった。
「?先輩?」
「俺、荷物少ないし、今から俺の家行くんだから、持つ。雪羽が辛そうなのは見てられんし」
「、、、、」
「分かった、は?」
「分かり、ました」
先輩の圧に負けて、受け入れてしまった俺。
だってしょうがないじゃん!!そのまま、カートをカート置き場に押し込んでから、俺は春夜先輩の家に向かった。
ん?、え?あれ、先輩今なんて?
『今から俺の家行くんだから』
???今から俺の家行くんだから!!?!?
俺、今から春夜先輩の家行くの!!?!?
ど、ど、ど、ど、どうしよう!と言う事は実質、2人っきりって事!?
いや、いつも学校で2人っきりだけど、あれは学校だからってのもあるし!
お、俺、どうすれば良いんだ〜!!!!!!
なんて、葛藤してるのも束の間、俺は春夜先輩が住むマンションに着いていた。
うーん、立派。これを1人で暮らしてるって、春夜先輩のお父さん何やってるんだろう、って思うがそんな軽い事聞ける立場じゃないから、聞かないでおこう。
ロックを解除して中に入り、エレベーターを上がった。10階って結構高いんだなぁ、って実感したよね。
それに住人の方達も優しい雰囲気纏ってて、セレブリティを感じた。
大原って言う表札を見て改めてドキッとした。だって、今から本当に春夜先輩の家に入るんだって思うと、ただそれだけで、ドキドキしてしまう。
カードキーで鍵を開けて、扉を開いて俺を先に入れてくれる春夜先輩。うーん、スマート!!
「よし、入って」
「ぁ、はい、お邪魔します」
そう中を入ると、一言、広かった。玄関の時点で広いからさぁ。
綺麗だったし、結構掃除は行き届いている感じだ。廊下を歩いてる途中、春夜ってローマ字で書かれた表札?みたいなのが掛かった扉があったが多分春夜先輩の部屋だなって察した。
それに少しだけ、春夜先輩の匂いがした。それを実感すると、
「(死ぬ)」
リビングに入ると、キッチンがすぐ視界に入って、うわぁ、綺麗!ソファとかカーテンとか、テレビとか全部高級品に見える!
それに家を出てたはずなのに少し涼しかった。多分家に帰る前に遠隔でクーラー付けてたんだな。
って思いながら、キッチンの台の下に買い物袋を置こうとすると冷蔵庫に買った物を仕舞っていた春夜先輩に、
「台に置いて良いよ。と言うか、冷蔵庫の中入れて良いし」
「え、でもそれは迷惑って言うか」
「良いから。腐ったりしたら嫌だろ?それに今日はどうせ泊まるんだから」
「まぁ、そうですね。分かりました、、、、、、、、ん?泊まる?」
「ん?そうだろ?この後土砂降りだからって、電車も休止になるって言うし、今から行っても間に合わないだろうし。あれ?それ分かってて俺ん家来たんじゃねーの???」
「分かってなかったですけど!!?」
どう言う事やねん!!!!!!
春夜先輩の家にお邪魔するってだけでもダメージがかかるってのに、泊まるってなったら俺のHPは0になっちゃう。
そんな俺の事はお構いなしに俺の買った商品を次々と冷蔵庫に入れていく春夜先輩。
うーん、暴君。
じゃなくて、タクシーは多分、雨が降ったら使う人が多いから無理だろうし、バスはバス停何処にあるか知らないし!多分人多いだろうし!
徒歩はなし!
と言う事で俺の選択肢は元から0、だった。
なんて思ってると、春夜先輩は俺の目の前に立った。顔を上げると、むすくれてる表情で俺のを下ろしてる春夜先輩。
「何だよ。俺は、泊まって貰えるの結構嬉しいんだけど、、、、何?嫌なの?俺の家泊まるの」
「いや、嫌じゃない、ですけど」
「ん、なら良い」
寂しそうな顔をして言う春夜先輩にそこまで言われたら、断れる訳ねーじゃん!!!!!!
この人俺の心臓を壊すのが結構得意だな!!?!?
それから、俺は泊まらせて貰うお礼として夜ご飯を作られて貰った。
春夜先輩のキッチンはある程度、調味料とか調理器具が揃ってた。でも減ってる調味料とか調理器具の使われてる順から見ると、とりあえず全部集めちゃうタイプなんだって察した。
「先輩、ロコモコ丼とかで良いですか?キャベツあるので」
「良いよ!ロコモコ丼って何?」
「ぁ、そこから。ご飯の上にキャベツとハンバーグ、目玉焼きを乗せた丼物、ですかね」
「!、それめっちゃ美味しいやつ、だよな?」
「まぁ美味しいですね。トマトあるし、トマトをソースに使うか」
テキパキとご飯を水で溶いたり、ハンバーグに入れる玉ねぎを微塵切りにしたり、トマトを切ったりしてる姿を見つめる春夜先輩の視線が気になる。
まぁ自分以外に作ってる姿を見るのは、珍しいって言うか気になるんだろうけど。
俺も料理をしている中で色々分かった。家にある家電製品は全部最新型、多分先輩が買ったって言う感じはしない。
「先輩、これって、もしかして先輩のお父さんが買った、とかですか?」
「ぁー、うん。新しいの欲しいって言ったら、全部買ってくれた。良いやつなのかは分かんないけど」
「、、、、へぇ〜」
、、、、多分、先輩のお父さんはちゃんと春夜先輩の事を大切にしてるんだって分かった。
春夜先輩でも使いやすい家電製品だし、定期的に日用品とか食材などを送ってるのが、部屋の隅に置かれてる段ボールでも気づいた。
でも先輩はそれに一切気付いてないっぽいなぁ。
全部作り終わったら、俺はどんぶりに入れて目玉焼きを乗せ終わったら、テーブルに置く。
春夜先輩は目を輝かせ続けてるのがちょっと面白いなぁよりも俺の恋心がくすぐられる。
椅子に座って、正面に座ってる春夜先輩と一緒に手を合わせる。
「「いただきます」」
先輩は箸を持って、ハンバーグと目玉焼きを1口大に切り取って、口に含んでから、ソースが付いた白米とキャベツを食べる。
すると、口いっぱいに含んだかと思えば、俺の方を見て目を輝かせて、ニコッ笑う。
それ見て、可愛いなぁ、って思いながら俺も食事を始める。味は俺の想定内の味、だけど先輩と居るからかな、いつも以上に美味しいなぁ。
やっぱり、一緒にご飯を食べるといつも以上に美味しく感じるなぁ。
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「ふぅ、サッパリした」
お風呂を上がって俺は春夜先輩に用意して貰った俺より多分2回りぐらい大きいスエットを着て、春夜先輩の匂い、と言うか消臭剤を付けたタオルで髪を拭きながら、リビングに戻る。
春夜先輩に包まれてる感覚になってるから今多分体が熱い。照れてるから。
「あれ?、先輩」
「スー スー スー」
ソファで座ってる先にお風呂に入った先輩に声をかけようとしてたら、スヤって眠っていた。
その姿を見て、俺はとりあえずスマホで写真を撮った。音を立てずにね!
とりあえず、春夜先輩アルバムに入れておこう。それから音を立てずに春夜先輩の家を観察する事にした。
少し大きめの棚の上に置かれた沢山の写真立てを見ると、小さい頃の春夜先輩の姿が映っていた。
お母さんらしき女性とピースをして映ってる写真とか、お父さんらしき男性とお母さんらしき女性と3人で映った写真や、
「ぁ、これは高校入学の時のかな」
お父さんらしき男性と多分義母?さんらしき女性と映った入学式の時の写真もあった。
その写真を見ると少しだけ、先輩の新たな一面を知れて嬉しくなった。
一通り見終わったら、俺はまた眠ってる春夜先輩に近づく。
寝てる春夜先輩の顔は流石顔面国宝級だな、って思うぐらい綺麗な寝顔だった。無防備な春夜先輩を初めて見るからか、ちょっとだけイタズラ心が働いた俺。
だって2人っきりだけの空間だからしょうがない!
「(頬を突く)、、、、ふふっ、可愛い」
「(いきなり目を開ける)、、ふーん、可愛い、ねぇ」
「!、は、春夜先輩!!?」
起きてたの!!?!?
急に目を開けられて俺ビックリしてしまった。後退ろうとするけど、俺の腕をギュッと掴んで引き留める先輩。
起きてるなら言ってよ!!と思うが強くは言えないのが悲しい性格で。
「いつから起きてて」
「え?写真撮る所から」
「早く言ってくださいよぉ〜」
「ごめんって、、って髪濡れてるじゃん、まだ、ほら拭いてやるから座って(腰を掴んで足と足の間に座らせる)」
誤ってくれたと思ったら俺の髪が濡れてる事に気づいて、腰を掴んで座らせてきた春夜先輩。
背中に春夜先輩の体が触れてドキッと少し震えてしまう。だけど、春夜先輩はそんな事よりも俺の腰を掴んだ時に感じた感想を言ってくる。
「雪羽、細くない?ちゃんとご飯食べてるか?」
「食べてますよ!!筋肉が付きにくいって言うか、太りにくいんですよ。細いって言うのはなんかカッコよくないみたいで嫌です」
「そう?(髪をタオルで拭く)俺は、俺にズバッと物おじせずに言ってくれる雪羽はカッコいいなって思うけどな」
「え?(顔を振り向こうとする)」
「(頭を押さえる)カッコいいし、可愛いよ。俺にとったら大切だから」
「、、、、(全身顔真っ赤)、、、、先輩はいつも、カッコいい、です」
俺は真っ赤な顔を見えないようにして、震える声でそう言う。先輩は「ヤッタ」なんて言いながら、髪を拭いてくれる。
可愛い、とか大切、とか言われるたび、嬉しいし期待してしまう。まぁ、叶う訳はないのは分かってる。期待するだけ無駄だけど。でも、先輩は可愛いとかを平然と言えるのは凄いと思う。
今日のおかげでもっともっと春夜先輩の事を好きになったし、大切になった。
「ぁ、そうだ。合鍵渡すからさ、いつでも来たら?俺の家」
「え゛、い、良いんですか?(ヤバい、これは死ぬ)」
「おう。悪用しないし、それに夏休み期間雪羽の料理食べれないのは考えられないな、って気づいたからさ」
「、、、、分かりました。じゃあ貰い、ます」
「ん、」
てな訳で俺は片思い相手の合鍵をまさかのゲットしてしまった。
幸運過ぎるな、と同時に何で俺はこんなにも春夜先輩に甘やかされてるって言うか優しくされてるんだるって思ってしまう。
俺優しくされるような事したかな???
まぁ、春夜先輩クールだけど優しい、って言うのは有名だから違和感は感じないけど。これ以上優しくされたり甘やかされたりすると勘違いしちゃう!!!!!!
その日、俺は春夜先輩の隣でグッスリは眠れたけど、意識しまくりましたとさ。
