先輩は人気者だ。
そんな事を授業中に考えているのは多分俺だけだ。
春夜先輩は、そのルックスと性格も相まって後輩からは憧れの存在で、女子生徒達からモテモテ。度々告白されたりしてる姿を見る。
その度に断ってはホッと安堵してしまう俺が居る。
別に付き合えるとは思ったないのに。
先生の声と黒板を描く音だけが響く教室だからか、余計に考え事が捗ると言うか、考えたくない事さえも考えてしまう。
俺の悪い癖だ。
先輩は友人も沢山居るし、特に仲の良い4人のお友達は、四天王って呼ばれてて、先輩は王子様って呼ばれてる。
それで、数学の授業で半分眠くなっている俺は、ずっと気になっている事がある。
それは、
「(先輩は何で、1人でご飯を食べていたのか)」
先輩は、俺と出会うまでは1人で食べてたって言っていた。
それは何で?って言う気持ちがあると同時に俺は不安になってるんだと思う。
もしかしたら、俺との食事は嫌なのかもしれない。とか、もしかしたら俺なんかより友人の先輩達と食べた方が楽しいのかもしれない。とか、
考えたくもない想像をしてしまう。
合っているかさえ、本人に聞けないし聞きたくもない。
俺は、ビビリで臆病だ。
そんな俺が先輩と仲良くして良いのか、とさえ思ってしまう。
まぁ、考えた所でどうこうなるとは思えない。
ハァァ、こんな事考えてるなら授業に集中しろよって話だよなぁ。
「小野、此処答えてみろ」
「!、は、はい、えっと、その」
だから、こう言う当てられた時にちゃんと答えられるようにしろよって言ったのに。
って、なんで俺、1人で自分に注意してんだ。馬鹿かよ。
何とか答えを言えて、席に着いて、早くお昼休みにならないかな、と考える。
今日はちょっとだけ早起きしたから寝不足だけど寝る気はない。だって、早く先輩に会いたいから。
こんな事を考えている時間は、だいぶ、いや、結構好きだ。
キーンコーンカーンコーン
授業が終わって、クラスメイトは食堂に行ってご飯を食べに行く生徒や友人達と机を囲ってご飯を食べる生徒なのが見受けられるが、俺は弁当入れを手に持って、教室を出る。
最初はこの行動も寂しいなって思ったけど、今は楽しみに変わった。
先輩と出会えた事で、虚しいとか思わなくなったんだ。それは先輩に感謝、かな。
因みに余談だが、俺にはある悩みがある。それは、簡単に言えば、
「ぁ、2年の大原先輩達だ!今日もカッコいい」
「本当だ、四天王と王子様!輝いてる!」
「この世のものとは思えない!同じ時代に生きれて最高!!」
廊下を歩いていると、春夜先輩達の姿があった。楽しそうに話しながら廊下を歩いて、女子生徒や男子生徒達から尊敬や好意の視線を向けられているのが一目瞭然って感じだ。
俺は固まってしまって多分目を見開いてる表情をしてると思う。
だって、昼休みに春夜先輩が単独行動をしてないからだ。いつもなら、4時間目の授業が終わったら春夜先輩は1人で行動するはずなのに、何で。
まさか、今日は四天王達とご飯を?
嫌だ、そんなの嫌だ。断られるのは嫌だ。せっかく仲良くなれたのに、そんなの嫌だよ!!
俺何かしたかな?!まさか気持ちがバレた!!?嫌われた!?あぁ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!
そんな苦しい気持ちが、頭の中で襲ってくる。思わず俺は顔を俯かせて目を瞑ってしまう。
「!、雪羽」
「!ぁ、」
1人苦しんでると、いきなり、いや、多分春夜先輩の視界に入ったのだろう、先輩に声をかけられた。
顔を上げると俺に近づく春夜先輩。そして周りの俺に向けられる視線に気づいた。
俺はブワッと冷や汗が出る。自然と後退って声を上手く出ない。
そう、俺の悩み、それは目立つ事。それも、春夜先輩のせいで目立つ事だ。
性格上の問題、目立つ事を極度に嫌うと言うか恥ずかしいと言う性質を持つ俺は、こうやって、学園の憧れの的である春夜先輩に公の場での絡みで目立つのは、NGなのだ。
だってほら、四天王達も俺の事見てるし!!マジ、NG!!!!!!
「先輩」
「ん?どうした?」
「失礼します!!」
俺は思わずその場から走り去ってしまう。
息が苦しかったし、何よりこれ以上居れば目立ち続けると思ったからだ。
しょうがない、これはしょうがない事だ。
「ちょっ、雪羽!」
背後から、春夜先輩の止める声が聞こえたが、今は無視じゃ無視!
好きな人の言葉を無視するのは気が滅入るが、しょうがない!!
1人、いつもの旧部室棟の部屋に入り、シーンとする空間の中でソファに座り、静かになり冷静になった俺は、再び寂しい感情に襲われる。
もしかしたらさっき、俺に今日は食べれないって断って来たのかもしれない。とか、もう一緒に食べれない、とか言われるかもしれないと不安になったからだ。
「ハァ、、、、せっかく、かぼちゃコロッケと、牛肉コロッケ作ったのになぁぁ」
ソファの上で、俺は体育座りをして、顔を埋める。
涙が出そうになる。でも、我慢する。
悲しんじゃダメだ。分かってた事だろ?
こんな関係続く訳がない。それに良かったじゃん。
食生活が荒れてたの治ったし、それにこれ以上先輩と一緒に居れば、もっと好きになってた。
元の生活に戻っただけだって考えれば良い。あぁぁ、俺、ダメだなぁぁ。
先輩と過ごした時間が、俺を変えた。1人なんて大丈夫だって、思ってたのに。
たった2ヶ月、たった2ヶ月だったけど、俺、超良い思いしてたんじゃん。
此処で泣いたら、馬鹿だ。
好きな人なんて最初から作らなきゃ良かった。先輩を好きになんてならなきゃ良k
「雪羽、お前何逃げてんだ、コラ(雪羽の頭に弁当入れを置く)
「、、、、?え?(顔を上げる)」
何で、先輩が!?
そう言葉にしたいのに、したいのに出来ない。
目の前に先輩が居るだけで、いつも通りの顔を向けられるだけで、我慢してた涙がボロボロと零れ落ちてしまう。
そんな俺を見て、焦った表情になってあたふたする先輩。
「!!?!?、ど、どうした?俺、何かしたか?」
「ちがっ、違います。春夜先輩は何も悪くなくて、、、、クズッ グスッ、あの、先輩、四天n、、ご友人さん達は?」
「?あぁ、真咲達は食堂。さっき一緒に居たのは、自動販売機でジュース奢ったから」
「え?」
春夜先輩の言葉に、俺は涙が止まった。
どう言う事?ただそれだけも口には出来なくて、俺の考えとは違うの?違うんですか?
そう問いかけたいけど、問いかける前に答えを言ってくれた。
「バスケの授業で、負けたから。雪羽に声かけたら急に走り去ったからビックリした」
「そっか、、、、ごめんなさい。俺、もう一緒に食べて貰えないのかって、思って」
「ハァ?何で俺が雪羽とお弁当もう一緒に食べないんだよ。俺は、雪羽以外と一緒にお弁当食べる気はないし、俺が作ったお弁当を雪羽以外に食べさせる気は一切ない!、、、、って、雪羽、どうした?」
「いえ、、、、そうですか。スンッ(涙を拭う)、先輩、お弁当食べましょ!今日はかぼちゃのコロッケと牛肉コロッケです」
そっか、そっかぁ。
一緒、、、、か
あぁ、好きだなぁ。
俺は、俺はこんなにも、こんなにも俺の事を想ってくれてる人を疑ってしまった。
そんな俺は大馬鹿な者だ。
でも先輩は多分、そんな事言った俺も優しく受け入れてくれるに決まってる。
一緒に食べて貰える。ただそれだけなのにこんなにも嬉しい。こんなにも苦しい気持ちがスッとなるんだって、分かった。
俺は幸せ者だ。もう2度と疑わない。疑っちゃダメなんだ。
でも、廊下でいきなり声をかけてくるのだけは辞めて欲しいな。アレは心臓に悪い。多分、俺次声かけられたら心臓が破裂する。
人の視線って凶器だと思う訳、俺。最悪、俺人の視線で死ぬ可能性さえあったと思う。
「ん!美味しい、やっぱり雪羽が作った料理は美味しいな」
「ありがとうございます、先輩。先輩の料理も美味しいですよ。ちょっと今日のは焦げが多めですけど」
「ウグッ、、、、それは、焦げも美味しいって事で」
「フハッ、何ですかそれ」
焦げが美味しいのは白米とか炊き込みご飯にだけに言って良いと思うんだけど。
まぁ、一生懸命作ってるって伝わってくるから、これ以上は言わないんだけど。それに、不器用な先輩が作ったってだけで、感無量だから。
ご飯を食べて落ち着いた俺は、言いたい事を言おうと決意。
静かな時間になったら言えないし、言おうと思っても顔面国宝の顔見ただけで、言えない可能性さえあるから。この人はそう言う事を簡単にさせてくる人だし。
「ねぇ、先輩」
「ん?何だ?」
「その、廊下とかで俺に声かけるの辞めてくれると嬉しいです」
「何で?嫌なのか?」
「嫌と言うか、恥ずかしいと言うか目立つのが嫌、なので」
「ふーん、、、、ヤダ」
「え?何で」
まさか断られるとは思わず、上擦った声が出ちゃった。
ニヤッと笑みを浮かべて、肘をテーブルについて手を頬に置いて俺を見る春夜先輩。
あぁ、この人、俺を揶揄いたい、いや構いたいから断ったんだ。
俺の反応ってそんなに面白いのかなぁぁ。俺はただ目立ちたくないのに、何で俺目立っちゃう人好きになっちゃったんだろ。うーん、遺伝かなぁ。
「〈俺のだって、証明だし〉」
「?照明が何ですか?先輩?新しいのと交換?」
「んや、何でもない」
なんか、照明がなんとか、言ってたけど。
まぁ、何でもないって言ってるし何でもないんだろうけど。
にしても、断られたら最終的には逃げるしか出来ないじゃないか。そしたら、俺の平穏な日常が壊れちゃうじゃないか!
いや、もう壊れてるんじゃないか。何で忘れてるねん。
何で、関西弁出てんだよ。
まぁでも、こうやって春夜先輩とお弁当を食べる時間は、俺にとっては幸せで、最高な時間なのは超が付くほど壊れて欲しくない日常だ。
「先輩、明日は何が食べたいですか?」
「明日は、、、、うーん、生姜焼き!テレビ見て美味しそうだと思ったんだよ」
「生姜焼きですか。良いですよ、なら俺は、ハンバーグでお願いしますね」
「任せろ!」
この時間だけは誰にも奪われたくないな。
奪う奴が居るのであれば、それは俺にとっての敵である。
この時間だけが、俺が学校を楽しめてるって言っても良いぐらいだ。
そんな事を授業中に考えているのは多分俺だけだ。
春夜先輩は、そのルックスと性格も相まって後輩からは憧れの存在で、女子生徒達からモテモテ。度々告白されたりしてる姿を見る。
その度に断ってはホッと安堵してしまう俺が居る。
別に付き合えるとは思ったないのに。
先生の声と黒板を描く音だけが響く教室だからか、余計に考え事が捗ると言うか、考えたくない事さえも考えてしまう。
俺の悪い癖だ。
先輩は友人も沢山居るし、特に仲の良い4人のお友達は、四天王って呼ばれてて、先輩は王子様って呼ばれてる。
それで、数学の授業で半分眠くなっている俺は、ずっと気になっている事がある。
それは、
「(先輩は何で、1人でご飯を食べていたのか)」
先輩は、俺と出会うまでは1人で食べてたって言っていた。
それは何で?って言う気持ちがあると同時に俺は不安になってるんだと思う。
もしかしたら、俺との食事は嫌なのかもしれない。とか、もしかしたら俺なんかより友人の先輩達と食べた方が楽しいのかもしれない。とか、
考えたくもない想像をしてしまう。
合っているかさえ、本人に聞けないし聞きたくもない。
俺は、ビビリで臆病だ。
そんな俺が先輩と仲良くして良いのか、とさえ思ってしまう。
まぁ、考えた所でどうこうなるとは思えない。
ハァァ、こんな事考えてるなら授業に集中しろよって話だよなぁ。
「小野、此処答えてみろ」
「!、は、はい、えっと、その」
だから、こう言う当てられた時にちゃんと答えられるようにしろよって言ったのに。
って、なんで俺、1人で自分に注意してんだ。馬鹿かよ。
何とか答えを言えて、席に着いて、早くお昼休みにならないかな、と考える。
今日はちょっとだけ早起きしたから寝不足だけど寝る気はない。だって、早く先輩に会いたいから。
こんな事を考えている時間は、だいぶ、いや、結構好きだ。
キーンコーンカーンコーン
授業が終わって、クラスメイトは食堂に行ってご飯を食べに行く生徒や友人達と机を囲ってご飯を食べる生徒なのが見受けられるが、俺は弁当入れを手に持って、教室を出る。
最初はこの行動も寂しいなって思ったけど、今は楽しみに変わった。
先輩と出会えた事で、虚しいとか思わなくなったんだ。それは先輩に感謝、かな。
因みに余談だが、俺にはある悩みがある。それは、簡単に言えば、
「ぁ、2年の大原先輩達だ!今日もカッコいい」
「本当だ、四天王と王子様!輝いてる!」
「この世のものとは思えない!同じ時代に生きれて最高!!」
廊下を歩いていると、春夜先輩達の姿があった。楽しそうに話しながら廊下を歩いて、女子生徒や男子生徒達から尊敬や好意の視線を向けられているのが一目瞭然って感じだ。
俺は固まってしまって多分目を見開いてる表情をしてると思う。
だって、昼休みに春夜先輩が単独行動をしてないからだ。いつもなら、4時間目の授業が終わったら春夜先輩は1人で行動するはずなのに、何で。
まさか、今日は四天王達とご飯を?
嫌だ、そんなの嫌だ。断られるのは嫌だ。せっかく仲良くなれたのに、そんなの嫌だよ!!
俺何かしたかな?!まさか気持ちがバレた!!?嫌われた!?あぁ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ!
そんな苦しい気持ちが、頭の中で襲ってくる。思わず俺は顔を俯かせて目を瞑ってしまう。
「!、雪羽」
「!ぁ、」
1人苦しんでると、いきなり、いや、多分春夜先輩の視界に入ったのだろう、先輩に声をかけられた。
顔を上げると俺に近づく春夜先輩。そして周りの俺に向けられる視線に気づいた。
俺はブワッと冷や汗が出る。自然と後退って声を上手く出ない。
そう、俺の悩み、それは目立つ事。それも、春夜先輩のせいで目立つ事だ。
性格上の問題、目立つ事を極度に嫌うと言うか恥ずかしいと言う性質を持つ俺は、こうやって、学園の憧れの的である春夜先輩に公の場での絡みで目立つのは、NGなのだ。
だってほら、四天王達も俺の事見てるし!!マジ、NG!!!!!!
「先輩」
「ん?どうした?」
「失礼します!!」
俺は思わずその場から走り去ってしまう。
息が苦しかったし、何よりこれ以上居れば目立ち続けると思ったからだ。
しょうがない、これはしょうがない事だ。
「ちょっ、雪羽!」
背後から、春夜先輩の止める声が聞こえたが、今は無視じゃ無視!
好きな人の言葉を無視するのは気が滅入るが、しょうがない!!
1人、いつもの旧部室棟の部屋に入り、シーンとする空間の中でソファに座り、静かになり冷静になった俺は、再び寂しい感情に襲われる。
もしかしたらさっき、俺に今日は食べれないって断って来たのかもしれない。とか、もう一緒に食べれない、とか言われるかもしれないと不安になったからだ。
「ハァ、、、、せっかく、かぼちゃコロッケと、牛肉コロッケ作ったのになぁぁ」
ソファの上で、俺は体育座りをして、顔を埋める。
涙が出そうになる。でも、我慢する。
悲しんじゃダメだ。分かってた事だろ?
こんな関係続く訳がない。それに良かったじゃん。
食生活が荒れてたの治ったし、それにこれ以上先輩と一緒に居れば、もっと好きになってた。
元の生活に戻っただけだって考えれば良い。あぁぁ、俺、ダメだなぁぁ。
先輩と過ごした時間が、俺を変えた。1人なんて大丈夫だって、思ってたのに。
たった2ヶ月、たった2ヶ月だったけど、俺、超良い思いしてたんじゃん。
此処で泣いたら、馬鹿だ。
好きな人なんて最初から作らなきゃ良かった。先輩を好きになんてならなきゃ良k
「雪羽、お前何逃げてんだ、コラ(雪羽の頭に弁当入れを置く)
「、、、、?え?(顔を上げる)」
何で、先輩が!?
そう言葉にしたいのに、したいのに出来ない。
目の前に先輩が居るだけで、いつも通りの顔を向けられるだけで、我慢してた涙がボロボロと零れ落ちてしまう。
そんな俺を見て、焦った表情になってあたふたする先輩。
「!!?!?、ど、どうした?俺、何かしたか?」
「ちがっ、違います。春夜先輩は何も悪くなくて、、、、クズッ グスッ、あの、先輩、四天n、、ご友人さん達は?」
「?あぁ、真咲達は食堂。さっき一緒に居たのは、自動販売機でジュース奢ったから」
「え?」
春夜先輩の言葉に、俺は涙が止まった。
どう言う事?ただそれだけも口には出来なくて、俺の考えとは違うの?違うんですか?
そう問いかけたいけど、問いかける前に答えを言ってくれた。
「バスケの授業で、負けたから。雪羽に声かけたら急に走り去ったからビックリした」
「そっか、、、、ごめんなさい。俺、もう一緒に食べて貰えないのかって、思って」
「ハァ?何で俺が雪羽とお弁当もう一緒に食べないんだよ。俺は、雪羽以外と一緒にお弁当食べる気はないし、俺が作ったお弁当を雪羽以外に食べさせる気は一切ない!、、、、って、雪羽、どうした?」
「いえ、、、、そうですか。スンッ(涙を拭う)、先輩、お弁当食べましょ!今日はかぼちゃのコロッケと牛肉コロッケです」
そっか、そっかぁ。
一緒、、、、か
あぁ、好きだなぁ。
俺は、俺はこんなにも、こんなにも俺の事を想ってくれてる人を疑ってしまった。
そんな俺は大馬鹿な者だ。
でも先輩は多分、そんな事言った俺も優しく受け入れてくれるに決まってる。
一緒に食べて貰える。ただそれだけなのにこんなにも嬉しい。こんなにも苦しい気持ちがスッとなるんだって、分かった。
俺は幸せ者だ。もう2度と疑わない。疑っちゃダメなんだ。
でも、廊下でいきなり声をかけてくるのだけは辞めて欲しいな。アレは心臓に悪い。多分、俺次声かけられたら心臓が破裂する。
人の視線って凶器だと思う訳、俺。最悪、俺人の視線で死ぬ可能性さえあったと思う。
「ん!美味しい、やっぱり雪羽が作った料理は美味しいな」
「ありがとうございます、先輩。先輩の料理も美味しいですよ。ちょっと今日のは焦げが多めですけど」
「ウグッ、、、、それは、焦げも美味しいって事で」
「フハッ、何ですかそれ」
焦げが美味しいのは白米とか炊き込みご飯にだけに言って良いと思うんだけど。
まぁ、一生懸命作ってるって伝わってくるから、これ以上は言わないんだけど。それに、不器用な先輩が作ったってだけで、感無量だから。
ご飯を食べて落ち着いた俺は、言いたい事を言おうと決意。
静かな時間になったら言えないし、言おうと思っても顔面国宝の顔見ただけで、言えない可能性さえあるから。この人はそう言う事を簡単にさせてくる人だし。
「ねぇ、先輩」
「ん?何だ?」
「その、廊下とかで俺に声かけるの辞めてくれると嬉しいです」
「何で?嫌なのか?」
「嫌と言うか、恥ずかしいと言うか目立つのが嫌、なので」
「ふーん、、、、ヤダ」
「え?何で」
まさか断られるとは思わず、上擦った声が出ちゃった。
ニヤッと笑みを浮かべて、肘をテーブルについて手を頬に置いて俺を見る春夜先輩。
あぁ、この人、俺を揶揄いたい、いや構いたいから断ったんだ。
俺の反応ってそんなに面白いのかなぁぁ。俺はただ目立ちたくないのに、何で俺目立っちゃう人好きになっちゃったんだろ。うーん、遺伝かなぁ。
「〈俺のだって、証明だし〉」
「?照明が何ですか?先輩?新しいのと交換?」
「んや、何でもない」
なんか、照明がなんとか、言ってたけど。
まぁ、何でもないって言ってるし何でもないんだろうけど。
にしても、断られたら最終的には逃げるしか出来ないじゃないか。そしたら、俺の平穏な日常が壊れちゃうじゃないか!
いや、もう壊れてるんじゃないか。何で忘れてるねん。
何で、関西弁出てんだよ。
まぁでも、こうやって春夜先輩とお弁当を食べる時間は、俺にとっては幸せで、最高な時間なのは超が付くほど壊れて欲しくない日常だ。
「先輩、明日は何が食べたいですか?」
「明日は、、、、うーん、生姜焼き!テレビ見て美味しそうだと思ったんだよ」
「生姜焼きですか。良いですよ、なら俺は、ハンバーグでお願いしますね」
「任せろ!」
この時間だけは誰にも奪われたくないな。
奪う奴が居るのであれば、それは俺にとっての敵である。
この時間だけが、俺が学校を楽しめてるって言っても良いぐらいだ。
