夏休みが明けて3週間程が経ったとある日の放課後、部活終わりに着替えていたら椅子に座らされてしまった俺小野雪羽は同じ部活で友人である宗輔や村田、早瀬に見下ろされてとある雑誌を手に持って問い詰められている。
現実逃避って間に合うかな、それか今から入れる保険ってありますか?
「ゆーきー、これ何???」
「何、と言われましても困る」
「何で大原先輩と一緒に雑誌に出てんだ、それに女装までして」
宗輔の手にある雑誌に写っている一面には俺が女装して写っているのだった。あの日から1ヶ月ほど経って今日で出たんだぁ、と現実逃避をしながら見ているが、今この3人には通用しないだろ。
だけど、俺だって誤魔化す事はやるし、もしかしたら通用するかもしれないだろうし、うん。
「人違いだと思うなぁ。アハハッ」
「雪羽って書かれてるけど?」
「、、、、(顔を背ける)」
名前を素直に言うんじゃなかった。って言ったら夏希さんを悪く言う感じになるし、名前をちょっと変えて貰う様に頼めば良かったと少し後悔。
3人からの鋭い視線に耐えれず俺は顔を背ける。物的証拠は残っているし、誤魔化したところで宗輔が諦めるとは思わない為、俺は諦めた。
ここまで言われて仕舞えば、認めざる負えない立場になってしまったし、しょうがない。
「そうだよ。俺、俺だよ」
「何でそうなったんだよ。どうやってあの大原先輩とあんな仲に」
「落ち着け、村田。前に、夏休み前大原先輩に話しかけられてたしお姫様抱っこされてたから、仲良くなったとか?」
「まぁそんな感じ、宗輔、その雑誌買ってたんだな」
「いや、妹が買ったやつ。妹が雪に似た奴が載ってるって教えて貰ったから」
「と言うか何で、小野は女装してる訳?」
「早瀬、それは、、、、なるべく聞かないで、お願い」
うーん、盲点だった。
宗輔の妹ちゃん、ファッションにもう興味出始めてたのかぁ。
それから詳しい事情は話さず、どうしてそう言う経緯になったかを軽く3人に説明したらなんとか納得はしてくれた。
変に勘違いされていたら困るから、助けて貰った事へのお礼って事にしておいた。
春夜先輩との関係の事疑われてしまっているが、ただ仲の良い先輩後輩だから!って思いながら説明はした。
宗輔は結構怪しんでいたし、疑ってもいたがこれだけは言えないんだ、マジごめん。
それで荷物を持って部室の鍵を閉めて廊下を歩き昇降口に向かう。
歩く中で宗輔達からは心配する声が上がって居た。
「まぁ、良いや。でも、大原先輩に何かされたらすぐに言うんだぞ。すぐに駆け付けるから」
「いや、大丈夫だって宗輔」
「いや、植草の言う通り。お前危なっかしいし、危機感が足りないんだよ」
「村田まで」
「まぁまぁ、2人は小野の事を大切に思ってるからしょうがないよ」
「「早瀬に言われたくない」」
「えぇ〜(苦笑い)」
3人から心配されているのは嬉しい事だが、もう少し信頼して欲しいし、それに俺が誰と仲良くなろうと良くないか?って思う。
春夜先輩は良い人だし、俺にとっては大切で笑顔にさせてあげたい人、なだけだ。
これ以上の関係を求めるのは烏滸がましいし、今の関係で十分だって思う。
まぁ、もう少し仲良くなりたいな、なんて思う事が何回も思う。嫌われたくないし嫌われたら多分病んじゃうだろうな。
それぐらい好きなのに、こんなに重い感情を持ってるのは危ない。
早く離れたいけど、離れられないのが悪い所、だよな。
「雪、何止まってんの?行くぞ」
「うん、すぐ行くよ、宗輔」
まっ、誰にもバレないし言うつもりだってないんだけどね。こんな恋心は、、、、永遠にね
って頭ん中で1人考えながら自宅に向かう俺であった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
とある休日、春夜先輩宅でいつも通り洗濯物を畳んでいると、いつの間にか訪れていた四天王先輩達から質問を向けられる。
「え?何で、好きって言わないか?ですか?」
「「「「そう」」」」
いつの間にか春夜先輩の事が好きだとバレてしまっていて何で?と言う疑問よりも、平然と家主が寝ているのに上がっている先輩達が凄いなって気持ちが勝った。
危機感ないのかな?って思った。
いや、幼馴染だからってのもあるからか。幼馴染って凄いな、俺の幼馴染何て知らない間に人ん家の郵便を預かってくれてるし。
畳んでいる手を止めて、先輩達の方に視線を向け質問に答える。
「優しい、じゃないですか」
「まぁそれは分かる。ただそれだけで好きになるとは思えんのだ」
「真咲先輩なんですが、その口調笑」
「マサが言いたいのは、見た目だけで好きになったんじゃないか、って事だ」
「ぁー、そう言う事ですか。それはですねぇ、、、、」
静先輩の言葉に俺は好きだと自覚した時の事を思い出す。
ほんの些細な事で自覚したんですけどね、俺からしたら、アレは。
○
○
○
○
○
アレは先輩とお弁当交換する前だから6月上旬ぐらいの時の事。
いつも通り一緒に俺が作ったお弁当を食べながら会話を弾んでいた時だった。
『そう言えば雪羽って好きな人とか居るの?と言うか付き合ってる人とか』
『え?いや、居ないですよ。居た事もない、ですし』
『ふーん。雪羽、優しいからモテると思ったけど』
『いやいや、優しいって言うんだったら春夜先輩でしょ?』
付き合っている人が居るって質問に少し動揺した。まさか聞かれるとは思わなかった。
好きな人が居た事もなかったし考えた事だってなかった。
俺が優しいって言われたけど、俺なんかよりも優しいのは春夜先輩だって思ったし、言葉にだってした。
『え?何処が?』
『だ、だって、先輩覚えてないと思うって言うか無自覚だと思いますけど、階段上がる時とか前に女子生徒が居たら顔を下にして階段上がったり、扉を開けたら先に人を入れて扉を閉めたり』
『、、、、そんな事やったっけ?』
『やってるんですよ。俺はそんな些細な優しい事が自然と出来る春夜先輩の方が優しくてモテると思います』
『、、、、(顔を赤くする)、、、、何でお前自分がモテないって思ってんのか、マジで分っかんないわぁ(俯く)』
『???(なんか変な事言ったかな?)』
急に顔を赤くして俯き始めてなんか呆れられてしまって、俺困惑。
自分自身がモテるとは思ってないし、モテるかって聞かれたらモテないって答えると思う。
ただ何でこのこと聞く春夜先輩が顔が赤かったのかは俺はまだわかってないし、褒めたから赤くなったのか?と思うが褒めただけで赤くなるとは思えない。
お弁当を食べ終わって、お茶を飲んでいた時、急に先輩に変な質問をぶっ込まれた事があった。
『俺、お前のそう言う先輩にも容赦なく色々言う所とか、美味しい料理作ってくれる所マジ好きだわ』
『え、、、、(お茶を落としテーブルに溢す)』
『わっ!ちょっと、お前溢し過ぎ、何手が滑ったのか?、、雪羽?』
『(顔真っ赤)、、、、先輩の馬鹿〜!』
そう言って勢い良く部屋から去し去った俺。背後から『ハァ?』って言う困惑した声が聞こえて来たがこの時の俺は止まらなかった。
真正面からの率直な「好き」って言葉に照れた。ただそれだけだって思った。
だけど、好きって言われた瞬間、ドキッしてそれ以上の言葉が欲しいって思ってしまった。変な期待を感じてしまった。
目の前にいる春夜先輩がキラキラして見えた。
頭ん中、春夜先輩の事だらけになって、心臓がドキドキバクバク鳴ってうるさくて、これが恋なんだって気付いた。
こんな形で気付かされるとはって思ったけど、その日から春夜先輩を見ればドキドキするし好きだって感情が溢れて、まぁ隠すのを頑張ったよね。
「まぁ、そんな感じで、、、、春夜先輩の優しくて率直に気持ちを伝える所が好き、ですかね」
って、俺なんか恥ずかしい事言ってない?
あぁ、自覚したらめっちゃ恥ずかしい。両手で沸騰してる顔を冷ます。
「何で付き合ってないの?と言うか早く付き合えば?」
「ウグッ」
だけどそんな俺に静先輩は容赦なくぶっ込んでくるのであった。
鳩尾をストレートパンチされた感覚になった。
先輩、重い、重過ぎますよ。
「「「静/しーちゃん、シズ君」」」
「「「真っ直ぐに言い過ぎ」」」
「俺が春夜先輩と付き合えるなんて思ってないし、今の現状のままでも十分です」
「ゆきちゃんは謙虚だなぁ。もう少し自分の幸せを願っても良いと思うなぁ、俺!」
「僕もそう思うよ、アマ君。自分の幸せを1番に願う方が良いと思うから」
「まぁまぁ、天音も悠斗も落ち着けって。雪羽が自分で決めた事なんだから変に口出すなって」
と、真咲先輩が優しく天音先輩と悠斗先輩の2人を諭す様に肩を掴んで落ち着かせてくれた。流石真咲先輩だなって俺は思う。
2人に言われた事は結構確信に来て確かに、って思うし自分自身の幸せを第一に考えろ、って事は春夜先輩に何回言われた事やから笑
でも、俺はどうだって良かった。好きな人の幸せを1番に願う方が俺には合ってると思うんだよ。
自分の幸せを何てどうだって良いって思うし、それ以上春夜先輩が好きだって思ったし、幸せになって欲しいって思ったんだ。
そう思っていたら、静先輩がまた真っ直ぐに俺に言い放った。
「それは春が願ってる事じゃねーだろ?春が自分の幸せより他人の幸せを願われて嬉しいって言う奴だと思うか?」
「!」
「春は大切に思っている奴の幸せを願ってるんだよ。勝手に春の気持ちを解釈して自分の幸せを蔑ろにした所で春は勿論お前だって本当に願ってる事が叶わないだろ」
静先輩の言葉は俺にズバッと突き刺す様に俺に答えを教えてくれた。
春夜先輩は静先輩の言う通りに俺の幸せを願ってくれていると思うし、自分の幸せを願われるよりも俺自身の幸せを願ってくれている人だってのは今まで過ごした中で十分に分かっているつもりだ。いや、つもりだった。
だけどこうやって第三者からズバッと言われた事は良い特効薬だったと思うし、上手く言葉には出来ないけど感謝だってする。
「、、、、そうです、よね。静先輩、」
「ぁー、言い過ぎた。そんなシュンとすんなっての。まぁアレだ、俺も春もマサもアマも悠もお前の事を想ってるって事だ(頭を軽く掻き耳を赤くする)」
「、、、、(素直じゃないなぁ、静先輩って)」
「静は本当に素直じゃないなぁ〜、クールって言うよりツンデレだな、ツンデレ」
「そうそう!流石、しーちゃん!そう言う所も可愛いぞ!」
「素直に言えて偉いよ、シズ君。僕が褒めてあげよう」
「うわっ、お前ら来んな!別に褒めんくていい!」
恥ずかしそうにしながら逃げ回る静先輩を追いかけ回る先輩3人の姿を見て俺は思わず笑みが溢れてしまう。それと同時に嬉しさを感じる。
こんなにも俺の事を想ってくれている先輩達に囲まれて、俺は本当に幸せ者で恵まれているんだなって思う。
だけど、このうるささで起きたのかリビングの入り口で、低い声出して四天王先輩達に一言春夜先輩が言う。
「お前らうるさい」
「「「「ごめん」」」」
やっぱり、人って寝起きは機嫌悪くなるんだなって真理になった。
ふぁぁ、って欠伸をしてから俺に優しい笑顔を向けてくれる春夜先輩に俺も優しく笑顔を向ける。
現実逃避って間に合うかな、それか今から入れる保険ってありますか?
「ゆーきー、これ何???」
「何、と言われましても困る」
「何で大原先輩と一緒に雑誌に出てんだ、それに女装までして」
宗輔の手にある雑誌に写っている一面には俺が女装して写っているのだった。あの日から1ヶ月ほど経って今日で出たんだぁ、と現実逃避をしながら見ているが、今この3人には通用しないだろ。
だけど、俺だって誤魔化す事はやるし、もしかしたら通用するかもしれないだろうし、うん。
「人違いだと思うなぁ。アハハッ」
「雪羽って書かれてるけど?」
「、、、、(顔を背ける)」
名前を素直に言うんじゃなかった。って言ったら夏希さんを悪く言う感じになるし、名前をちょっと変えて貰う様に頼めば良かったと少し後悔。
3人からの鋭い視線に耐えれず俺は顔を背ける。物的証拠は残っているし、誤魔化したところで宗輔が諦めるとは思わない為、俺は諦めた。
ここまで言われて仕舞えば、認めざる負えない立場になってしまったし、しょうがない。
「そうだよ。俺、俺だよ」
「何でそうなったんだよ。どうやってあの大原先輩とあんな仲に」
「落ち着け、村田。前に、夏休み前大原先輩に話しかけられてたしお姫様抱っこされてたから、仲良くなったとか?」
「まぁそんな感じ、宗輔、その雑誌買ってたんだな」
「いや、妹が買ったやつ。妹が雪に似た奴が載ってるって教えて貰ったから」
「と言うか何で、小野は女装してる訳?」
「早瀬、それは、、、、なるべく聞かないで、お願い」
うーん、盲点だった。
宗輔の妹ちゃん、ファッションにもう興味出始めてたのかぁ。
それから詳しい事情は話さず、どうしてそう言う経緯になったかを軽く3人に説明したらなんとか納得はしてくれた。
変に勘違いされていたら困るから、助けて貰った事へのお礼って事にしておいた。
春夜先輩との関係の事疑われてしまっているが、ただ仲の良い先輩後輩だから!って思いながら説明はした。
宗輔は結構怪しんでいたし、疑ってもいたがこれだけは言えないんだ、マジごめん。
それで荷物を持って部室の鍵を閉めて廊下を歩き昇降口に向かう。
歩く中で宗輔達からは心配する声が上がって居た。
「まぁ、良いや。でも、大原先輩に何かされたらすぐに言うんだぞ。すぐに駆け付けるから」
「いや、大丈夫だって宗輔」
「いや、植草の言う通り。お前危なっかしいし、危機感が足りないんだよ」
「村田まで」
「まぁまぁ、2人は小野の事を大切に思ってるからしょうがないよ」
「「早瀬に言われたくない」」
「えぇ〜(苦笑い)」
3人から心配されているのは嬉しい事だが、もう少し信頼して欲しいし、それに俺が誰と仲良くなろうと良くないか?って思う。
春夜先輩は良い人だし、俺にとっては大切で笑顔にさせてあげたい人、なだけだ。
これ以上の関係を求めるのは烏滸がましいし、今の関係で十分だって思う。
まぁ、もう少し仲良くなりたいな、なんて思う事が何回も思う。嫌われたくないし嫌われたら多分病んじゃうだろうな。
それぐらい好きなのに、こんなに重い感情を持ってるのは危ない。
早く離れたいけど、離れられないのが悪い所、だよな。
「雪、何止まってんの?行くぞ」
「うん、すぐ行くよ、宗輔」
まっ、誰にもバレないし言うつもりだってないんだけどね。こんな恋心は、、、、永遠にね
って頭ん中で1人考えながら自宅に向かう俺であった。
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とある休日、春夜先輩宅でいつも通り洗濯物を畳んでいると、いつの間にか訪れていた四天王先輩達から質問を向けられる。
「え?何で、好きって言わないか?ですか?」
「「「「そう」」」」
いつの間にか春夜先輩の事が好きだとバレてしまっていて何で?と言う疑問よりも、平然と家主が寝ているのに上がっている先輩達が凄いなって気持ちが勝った。
危機感ないのかな?って思った。
いや、幼馴染だからってのもあるからか。幼馴染って凄いな、俺の幼馴染何て知らない間に人ん家の郵便を預かってくれてるし。
畳んでいる手を止めて、先輩達の方に視線を向け質問に答える。
「優しい、じゃないですか」
「まぁそれは分かる。ただそれだけで好きになるとは思えんのだ」
「真咲先輩なんですが、その口調笑」
「マサが言いたいのは、見た目だけで好きになったんじゃないか、って事だ」
「ぁー、そう言う事ですか。それはですねぇ、、、、」
静先輩の言葉に俺は好きだと自覚した時の事を思い出す。
ほんの些細な事で自覚したんですけどね、俺からしたら、アレは。
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アレは先輩とお弁当交換する前だから6月上旬ぐらいの時の事。
いつも通り一緒に俺が作ったお弁当を食べながら会話を弾んでいた時だった。
『そう言えば雪羽って好きな人とか居るの?と言うか付き合ってる人とか』
『え?いや、居ないですよ。居た事もない、ですし』
『ふーん。雪羽、優しいからモテると思ったけど』
『いやいや、優しいって言うんだったら春夜先輩でしょ?』
付き合っている人が居るって質問に少し動揺した。まさか聞かれるとは思わなかった。
好きな人が居た事もなかったし考えた事だってなかった。
俺が優しいって言われたけど、俺なんかよりも優しいのは春夜先輩だって思ったし、言葉にだってした。
『え?何処が?』
『だ、だって、先輩覚えてないと思うって言うか無自覚だと思いますけど、階段上がる時とか前に女子生徒が居たら顔を下にして階段上がったり、扉を開けたら先に人を入れて扉を閉めたり』
『、、、、そんな事やったっけ?』
『やってるんですよ。俺はそんな些細な優しい事が自然と出来る春夜先輩の方が優しくてモテると思います』
『、、、、(顔を赤くする)、、、、何でお前自分がモテないって思ってんのか、マジで分っかんないわぁ(俯く)』
『???(なんか変な事言ったかな?)』
急に顔を赤くして俯き始めてなんか呆れられてしまって、俺困惑。
自分自身がモテるとは思ってないし、モテるかって聞かれたらモテないって答えると思う。
ただ何でこのこと聞く春夜先輩が顔が赤かったのかは俺はまだわかってないし、褒めたから赤くなったのか?と思うが褒めただけで赤くなるとは思えない。
お弁当を食べ終わって、お茶を飲んでいた時、急に先輩に変な質問をぶっ込まれた事があった。
『俺、お前のそう言う先輩にも容赦なく色々言う所とか、美味しい料理作ってくれる所マジ好きだわ』
『え、、、、(お茶を落としテーブルに溢す)』
『わっ!ちょっと、お前溢し過ぎ、何手が滑ったのか?、、雪羽?』
『(顔真っ赤)、、、、先輩の馬鹿〜!』
そう言って勢い良く部屋から去し去った俺。背後から『ハァ?』って言う困惑した声が聞こえて来たがこの時の俺は止まらなかった。
真正面からの率直な「好き」って言葉に照れた。ただそれだけだって思った。
だけど、好きって言われた瞬間、ドキッしてそれ以上の言葉が欲しいって思ってしまった。変な期待を感じてしまった。
目の前にいる春夜先輩がキラキラして見えた。
頭ん中、春夜先輩の事だらけになって、心臓がドキドキバクバク鳴ってうるさくて、これが恋なんだって気付いた。
こんな形で気付かされるとはって思ったけど、その日から春夜先輩を見ればドキドキするし好きだって感情が溢れて、まぁ隠すのを頑張ったよね。
「まぁ、そんな感じで、、、、春夜先輩の優しくて率直に気持ちを伝える所が好き、ですかね」
って、俺なんか恥ずかしい事言ってない?
あぁ、自覚したらめっちゃ恥ずかしい。両手で沸騰してる顔を冷ます。
「何で付き合ってないの?と言うか早く付き合えば?」
「ウグッ」
だけどそんな俺に静先輩は容赦なくぶっ込んでくるのであった。
鳩尾をストレートパンチされた感覚になった。
先輩、重い、重過ぎますよ。
「「「静/しーちゃん、シズ君」」」
「「「真っ直ぐに言い過ぎ」」」
「俺が春夜先輩と付き合えるなんて思ってないし、今の現状のままでも十分です」
「ゆきちゃんは謙虚だなぁ。もう少し自分の幸せを願っても良いと思うなぁ、俺!」
「僕もそう思うよ、アマ君。自分の幸せを1番に願う方が良いと思うから」
「まぁまぁ、天音も悠斗も落ち着けって。雪羽が自分で決めた事なんだから変に口出すなって」
と、真咲先輩が優しく天音先輩と悠斗先輩の2人を諭す様に肩を掴んで落ち着かせてくれた。流石真咲先輩だなって俺は思う。
2人に言われた事は結構確信に来て確かに、って思うし自分自身の幸せを第一に考えろ、って事は春夜先輩に何回言われた事やから笑
でも、俺はどうだって良かった。好きな人の幸せを1番に願う方が俺には合ってると思うんだよ。
自分の幸せを何てどうだって良いって思うし、それ以上春夜先輩が好きだって思ったし、幸せになって欲しいって思ったんだ。
そう思っていたら、静先輩がまた真っ直ぐに俺に言い放った。
「それは春が願ってる事じゃねーだろ?春が自分の幸せより他人の幸せを願われて嬉しいって言う奴だと思うか?」
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「春は大切に思っている奴の幸せを願ってるんだよ。勝手に春の気持ちを解釈して自分の幸せを蔑ろにした所で春は勿論お前だって本当に願ってる事が叶わないだろ」
静先輩の言葉は俺にズバッと突き刺す様に俺に答えを教えてくれた。
春夜先輩は静先輩の言う通りに俺の幸せを願ってくれていると思うし、自分の幸せを願われるよりも俺自身の幸せを願ってくれている人だってのは今まで過ごした中で十分に分かっているつもりだ。いや、つもりだった。
だけどこうやって第三者からズバッと言われた事は良い特効薬だったと思うし、上手く言葉には出来ないけど感謝だってする。
「、、、、そうです、よね。静先輩、」
「ぁー、言い過ぎた。そんなシュンとすんなっての。まぁアレだ、俺も春もマサもアマも悠もお前の事を想ってるって事だ(頭を軽く掻き耳を赤くする)」
「、、、、(素直じゃないなぁ、静先輩って)」
「静は本当に素直じゃないなぁ〜、クールって言うよりツンデレだな、ツンデレ」
「そうそう!流石、しーちゃん!そう言う所も可愛いぞ!」
「素直に言えて偉いよ、シズ君。僕が褒めてあげよう」
「うわっ、お前ら来んな!別に褒めんくていい!」
恥ずかしそうにしながら逃げ回る静先輩を追いかけ回る先輩3人の姿を見て俺は思わず笑みが溢れてしまう。それと同時に嬉しさを感じる。
こんなにも俺の事を想ってくれている先輩達に囲まれて、俺は本当に幸せ者で恵まれているんだなって思う。
だけど、このうるささで起きたのかリビングの入り口で、低い声出して四天王先輩達に一言春夜先輩が言う。
「お前らうるさい」
「「「「ごめん」」」」
やっぱり、人って寝起きは機嫌悪くなるんだなって真理になった。
ふぁぁ、って欠伸をしてから俺に優しい笑顔を向けてくれる春夜先輩に俺も優しく笑顔を向ける。
