だって、僕は呪われていないし

榊がなんであんな寒気がするのか、その理由はすぐにわかった。

榊のうちがこの辺で有名ないわくつきのマンションだと聞いたからだ。

別に榊とは仲良くはなっていない。
榊は榊と似た感じのおとなしい感じのクラスメイトとつるむようになった。

だから、昼休みに話している声が聞こえただけだ。

「だって、お前のうちのあたり出るってはなしじゃん」
「え? そんなこと信じてるんだ」
「だって、有名だぞ。あのマンション」


そんなこと信じてるんだという静かな声が妙に響いたきがした。

その有名なマンションの話は知っていた。
というか、クラス中の人間が知っている気がする。

よく救急車が止まっている。
最初はそういう話だったと思う。

そこに、救急車が音を鳴らさないでそのマンションに向かうという話が追加された。
それが皆自殺だというのだ。

葬儀が無かっただとか、訃報が無いだとか。

更に子供が何人も行方不明になっている。
だから人がじわじわと減っていて空き部屋が目立つ。

そんな話で、曰くつきと言われるようになったのは、発端があったと言われるようになったからだ。

発端がどこか。
誰も知らないというお決まりの怪談の様な事が言われているが俺は知っている。

あのアパートの3階の一室だと思う。

あそこはとても嫌な感じがする。

誰かと答え合わせをしたことは無いけれど。
あそこは“本物”だと思う。

態々あのマンションの前の道を通りたく無くて、遠回りしたりしてしまう。