だって、僕は呪われていないし

そいつはある日突然、転校生として俺の前にあらわれた。

染めてない黒髪は偏差値のあまりよろしくないうちの学校に不釣り合いに整えてあるのに遊んでない。そういう感じの髪型で、なんか面白みのなさそうな奴と多分クラスメイトは思ったんだと思う。

思う、というのは俺はそう思っていなかったからだ。

マジメそうな部分に陰気さを感じていた人間は俺の他にもいたかもしれない。

けれど俺が感じたのはそういう陰気さではなく。
寒気のするような嫌な感じだった。

理由はわかっている。けれど、分からない。
自分でも何を意図しているのか分からなくなるけれど、そういう感じだ。

理由はわかっている。
こういう寒気を感じるのはいわゆるお化け、少し言い方をそれっぽくすると心霊関係が絡んでいる時だ。
だから理由は分かる。

分からないのは、なんで真面目そうな顔をした転校生からそんな寒気がするような雰囲気がするかってことだ。


心霊スポットにもいきそうにもない。
祠や石碑をぶっ壊してというタイプにも見えない。

何故こんなにいやな感じがするのか分からない。

一瞬、転校生と目があった気がした。
単に教室全体をぐるりと見ただけかもしれない。

だけど一瞬目が合った。
その瞬間、ぞわりとした感覚が背筋を駆け上がっていく気がした。

榊と名乗った転校生は、気にした風もなく挨拶をして今日から一つ増やされた一番後ろの机に案内されいた。

俺は榊とはなるべく関わらないようにしようと密かに決めた。