今日も、明日も。

翌日。秋が近づくにつれ日に日に青い空が、茜色に染まりゆくのが早くなる空の下、私はコインランドリーに足を運んだ。いつも通り仕事から一度、我が家であるアパートに帰宅し、洗濯物をランドリーバッグに詰めて、コインランドリーへ向かう。
乾燥を回すだけの時がほとんどだが、たまに洗濯から利用していることもあった。
「こんばんは」
店の自動扉が程よい速さで左右に開くと、私は店内に声をかける。
すると、何箇所かある四角い茶色のテーブルの一つを布巾で拭いていた日川さんが、手を止めてこちらを向いた。
それだけで心臓の鼓動がドキッと脈打つ。 
「おう。秋川ちゃん、いらっしゃい」
暖かみのあるオレンジ色の蛍光灯の中、日川さんが柔らかく穏やかな、優しい笑みを浮かべる。
清潔感のある店内、爽やかで甘い柔軟剤の匂い、わずかに聞こえるドラムが回転する音。
心地よい程度にかすかに聞こえてくる店内の音楽は、今日はピアノが主役のゆったりとした午後が似合うようなジャズだった。
昨日までと何も変わらない日常。平和で穏やかだが変化のない日々。
だけどはっきりと変わったのは、彼と名前を教え合い、苗字で呼び合うようになったこと。そして会話をするようになったことだ。