今日も、明日も。

それから数分後、優斗さんの住むアパートから近いホー厶センター『カヨンズ』に着いた。ここに訪れるのは二度目だが店前にあるガーデニングコーナーの花々が、パンジーやシクラメンなど冬の花に入れ替わっている。どれも色鮮やかに咲き誇り、華やかな匂いを漂わせていた。
「冬の花は派手さはないですが、皆凛と咲いていて綺麗ですね」
入り口へ向かいながら私が呟くように言うと、
「杏奈ちゃんは花が好きなのか? いいよなぁ花は。心が癒されるよな」
気の抜けた優斗さんの返答だが、少し前から胸の奥底に燻っていたある疑問がふいに頭をもたげた。
「……麗子さんともこうして洗剤を選びに来たことあるんですか」
「えっ……」
優斗さんを見上げると、彼は少しだけ目を見開いて私を見た。戸惑ったように栗色の瞳が揺れているように見え、胸が軋んだ。
「優斗さんが言いたくないのなら、無理に言わなくて良いですけど」
「いや、一緒に買いに行ったことはないよ。そもそも営業時間外に会ったことねぇし」
「そう、ですか」
短い返答しかできず、出入り口の自動扉を通りながら遠くを見ると、店内の奥の壁に綺麗に並んだマットが明るい橙色のライトに照らされているのが見える。
それからは特に会話もなく、お互い無言で洗濯剤売り場へ向かった。