今日も、明日も。

「すみません。用事があるのでもう切っても……」
『待って。何でコインランドリーに来なくなったのか理由を教えてくれてもいい、』
「よかったですね、私の代わりに新しい常連客ができて」
日川さんの言葉を遮って私が言うと、少しの沈黙が流れた。このまま電話を切ってしまおうかと考えた時、先に沈黙を破ったのは彼だった。
『そういう問題じゃないだろ。麗子が常連になっても秋川ちゃんの代わりにはなんねぇし』
嬉しさと切なさが胸にどっと込み上げ、泣きそうになり唇を強く噛み締める。麗子さんが常連として通うようになってからも、また私にランドリーに来てほしいと思ってくれる彼の気持ちは嬉しかったが、彼女との関係性が気になる不安から素直に喜べないでいる。
その時、電話の奥から女性の声がした。小さいがはっきりとした口調が聞こえてくる。
『もういいわ。彼女と代わってちょうだい』
『あ、おいっ……!』
焦るような日川さんの声に続き、ザザッという音がした後、
『初めまして。冬川麗子といいます。秋川ちゃんのことは優斗から聞いているわ』
機械越しの彼女の声は実際に聞くよりさらに低くくなっていた。冷静で落ち着いた物言いも相まり、耳に心地よく私の気分までクールダウンさせてくれた。
「初めまして、秋川杏奈です。この間お見掛けした方ですよね」
『ええ。貴女と一度話してみたいと思っているの。よければコインランドリー閉店後に会えないかしら』
心臓がドクンッと大きく脈打つ。