今日も、明日も。

すると心なしか頬が赤い彼が苦笑いしながら、大げさなくらい明るい口調で早口に喋りだす。
「と、とにかくジェルボールは柔軟剤入りの洗濯剤だから使いやすいと思うぞ」
「……では両方買います。お勧めを教えてくださり、ありがとうございます」
私が答えると、彼は「お、おう」とどこか気まずそうな声を出した。
「他に買い物するなら、カゴ持って来るか?」
「いえ。今日はこれだけ買って帰ります。ちょうど洗濯剤が切れそうだったので」
「そっか。秋川ちゃんの家からちょっと遠いかもしんないけど、気に入ったらまた買いに来ればいいよな」
「はい。今後の良い参考になりました」
気まずい空気を払拭するような日川さんの話し方や雰囲気が好きだ。彼への愛しさと、わずかな切なさで胸の中が締めつけられたような感覚になる。だけどそんなことは目に見えない。
まだ来店客があまり居ない明るい店内を二人で真っ直ぐレジへ向かう。薄いベージュ色のフロアタイルは綺麗に掃除されているのか、少し光って見えた。
日川さんと一緒なら景色が、世界が輝いて見える。セルフレジの台に彼が商品を置き、私がバーコードを通してお会計を済ませる。そしてレジを出てーーなんだか同棲しているみたいだ。
柄にもなく気分が浮ついていた、その時。
「あら。優斗じゃない?」
聞き慣れない低く落ち着いた女性の声が彼の名前を呼んだ。