今日も、明日も。

「じ、柔軟剤は今まで使用したことないから洗濯剤でお勧めを……」
あとからじわじわとくる気恥ずかしさなのか照れなのかよく分からない感情に、顔が熱くなっていくのを感じる。言葉が上手く声にならない。そう思った時、
「ああ。それなら柔軟剤の初心者でもすぐ使いやすいジェルボールタイプがあるな」
日川さんの声がすぐ背後で響く。背中越しに聞こえる彼の声はいつもより低くく、軽く密着した身体は服越しにぬくもりを感じる。
顔の熱がさらに上がり、背中はーー店内の暖房と相まりーー汗を掻いている。
「ほら、アリナールとかゴールダとか。ジェルボールは見た目も可愛いから女性に人気で、」
彼はパッと離れ、何事もないかのように普段通りの穏やかだが明るい声音で喋りだす。両手にジェルボールの箱を持っているのが視界の端に見える。
確かにくっついていたのは、ほんの一瞬だけだ。そして日川さんは、私よりも意識していないことは知っている。だけど早鐘を打つ心臓の鼓動は、暫くは止みそうにない。
私が何も言わずに俯いていると、彼はそこでようやく、
「……あ、もしかしてさっき近かった? なんかごめん」
罰が悪そうな声音の日川さんの声が頭上に降り、私は顔を上げて彼を見た。