今日も、明日も。

翌日。コインランドリーの前に九時五十分に着いた。
今日は冬のような灰色かかった白い雲が空一面に垂れ込めて、青空はその隙間から覗いていた。
青色の下地に白い文字で『ウォッシュ』と書かれた看板は夏らしさがあるけれど、少し肌寒い空気にどこか似合っている気がする。
紺色のテーラードジャケットの裾をキュッと握り、深呼吸をする。中に入ろうか少し逡巡した、その時。
「おはよう秋川ちゃん。もしかして結構待たせたかな?」
店の自動扉がほとんど音もなく開き、日川さんの声がした。
「いえ。さっき来たところです」
頬に熱がじわじわと集中するのを感じながら、私は彼を見上げた。
日川さんは普段と変わらない服装だった。厚手のシャツ、灰色のスラックス、白いスニーカーはところどころ汚れで黒ずんでいる。
少し違うのは、いつも暖房が入った場所にいるためか上着は着用していないが、今は黒のダウンジャケットを羽織っており、外出用のサコッシュを肩から胸にかけてたすき掛けしていた。
「日川さんは今日もお仕事ですか?」
「うん。ほとんど年中無休みたいなもの」
穏やかな柔らかい表情で苦笑いしながら、彼は「じゃあ行こうか」と歩き出した。私もその隣を並んで歩く。