今日も、明日も。

「そうか。じゃあ気をつけて帰ってな」
私が洗濯物を取りに再びコインランドリーに行く時間には、もう日川さんは居ない。多分、店長の出勤時刻を過ぎているのだろう。
彼のネー厶プレートの『店長』の文字をじっと見つめる。話す前までは姿を見ているだけだったのに、お互いに名前を教え合い、言葉を交わすようになったら人間は欲張りになるのだろうか。
恋愛に溺れて何かを相手に求めるなんて、みっともないことなのに。
複雑な心境になり、「ありがとうございます。では失礼します」と必要最低限の挨拶をして店を出た。

それから日川さんとは顔を合わせると時々話すようになった。店に他のお客さんがいる時は、彼らと話しているため全く話さない時もあった。
相変わらず彼はコインランドリーに戻る時刻ーー五時半から六時前には、もう帰ってしまっているのか店に居ない。そのため仕事が遅番の日は、彼と顔を合わせることができなかった。
「ではまた乾燥機が終わる頃に来ます」
一日の中で日川さんと接するのは、たった数十分の間。この瞬間が終われば、また会えなくなる。切なくて胸が苦しくなるけれど、そんなことを思っていてもどうしようもない。 
なるべく感情が出ないよう彼に言った、その時。