ひとりぼっちの私のことを救ってくれたのは魔法使いでした。

 数日後、ルーナとリリーはある店にやって来ていた。

 あれから数回、リリーと共に編み物をした。
 ルーナが、作るのに夢中になってしまった。
 その結果、残りの毛糸が少なくなってしまったのである。

 そしてリリーは、一緒に毛糸を買いにいくことを提案してくれたのでした。

 そして現在はというと、リリーがよく訪れるという糸を専門に扱う店に来ている。

 馬車を下りてから、少し歩くと糸のマークがついた看板が見えてくる。

 リリーに尋ねる。

 「あのお店ですか?」
 「はい」

 店の前に到着する。
 『シュトリケン糸専門店』と看板が掲げられています。
 看板の文字が、つなぎ文字でカッコいいと思った。

 扉を開けると、店主女性が優しく迎えてくれたのでした。
 ルーナは、店主女性に挨拶をすると、店内を見ていく。
 棚全体に沢山の糸がびっしり隙間なくと並んでいます。

 ルーナは、思わず口に手を当てた。
 糸が細かったり、糸が太かったり、多種多彩(たしゅたさい)に揃っている。
 そのため、夢中で見続けてしまう。

 糸のほかにも様々な形のボタンや道具なども並んでいた。

 ルーナは、編み物の専用の糸の場所を見ていた。
 沢山あって、なかなか決めることが出来ずにいる。
 すると、リリーさんが隣に来た。

 「どの糸にするか決まりましたか?」
 「まだどの糸にしようか悩んでいます」
 「ではこちらはどうでしょうか?」

 リリーはセットで販売されている、毛糸を手に取る。
 その毛糸のセットの中には、様々な色がある。

 「十二色も入っていますし、これを購入します」

 そういうと、ルーナはリリーから毛糸を受け取ると会計に持っていきます。

 会計に持っていくと、店主女性がいう。

 「百リトルでございます」

 ルーナは、巾着からコインを取り出し支払う。

 「ちょうどいただきました」 

 商品を受け取る。
 店主女性は、「お嬢さん、また来てくださいね」と言ってくれたのでした。

 ルーナもまた来ると返した。

 二人とも会計を済ませると、店を出る。

 リリーは、ルーナに街を散策することを提案する。

 「少し街を見てみませんか?」
 「良いですね。行きましょう」

 ルーナは思った。
 いつもなら、シャルルが横にいる。
 でもいつもとは違い、新鮮な気持ちになる。

 二人は、アクセサリー専門店に立ち寄ることにした。

 扉を開けると、きらびやかな宝石やアクセサリーが透明なガラスに囲われた棚の中に置かれています。

 「キレイ……」

 ルーナは、値段を見て驚く。
 自分では、手が出せないほど高価な値段でした。

 その店を出ると、道端でアクセサリーを販売している露店を見つけた。
 そこは、一つ一つ手作りで作っているという。
 さっきの店よりも手に取りやすい値段でした。

 「リリーさん、これリナーさんと私でお揃いにしませんか?」
 「良いですね。リナーも喜びます」

 ルーナは、花の形のブレスレットを三つ選びました。

 「どうですか?」
 「素敵ですね」

 ルーナは、店主に選んだ商品を差し出す。

 「これをください」
 「三十リルトですね」

 ルーナは、三十リルト支払う。

 「ちょうどですね。どうぞ商品だよ」

 店主は、ルーナに商品を渡す。

 その後も、洋服店や食器専門店なども寄った。

 「ルーナ様、そろそろ帰りましょうか」
 「そうですね。帰りましょう」

 二人は、馬車に乗り込む。

 「本日は、様々な場所に行けてよかったです」
 「ええ、本当に。屋敷に戻ったら、アクセサリーをどれにするか決めましょう」
 「そうしましょう」

 天気が、晴れて本当に良かった。

 屋敷に到着した。
 三人が集まると、テーブルにブレスレットを広げる。

 一つ目は、アネモネのブレスレット。
 二つ目は、チューリップのブレスレット。 
 三つ目は、ネモフィラのブレスレット。

 「お二人はどのブレスレットにしますか?」

 二人は、悩んでいるようです。
 リリーは、決まったようです。

 「では、私は白色のブレスレットにいたします」

 次にリナーが、ブレスレットを手に取ります。

 「私は、赤色のチューリップのブレスレットにいたします」

 ルーナは、残った青色のネモフィラのブレスレットを手に取る。

 「では、私は青色のブレスレットですね」
 「ルーナ様、このブレスレット大切にいたしますね」
 「私も大切にいたします」

 二人とも喜んでくれてよかった。

 ブレスレットの青色は、ルーナの片方の瞳の色にとても似ていました。

 花の図鑑を広げる。

 イラストでしか見たことがないネモフィラ。
 実物の花を一度は見てみたいと思った。

 【ネモフィラ】
 日照が多く、冷涼な気候。
 森の周辺に生息する。

 ルーナは、早速買ってきた毛糸で編み物をする。

 部屋が暗くなり、編み物をするのをやめる。
 一階に下りると、ちょうどシャルルが、玄関の扉を開けるところでした。

 「おかえりなさいませ」
 「帰ったよ」

 ルーナは、シャルルの顔を見るなり嬉しくなる。


 夕食を食べながら、リリーとの思い出をシャルルに話します。

 「糸の専門店に行ったのですが、店内は糸だけでした。ずっといられるように感じました」 
「よかったね。ルーナ」

シャルルは、ルーナの話しに相づちをする。

「そうか機会があったら一緒に行こうか」 

 シャルルが、ルーナの手首にあるブレスレットについて聞いてくる。

 「これは、リリーさんとリナーさんとお揃なんです」

 ルーナは、シャルルが良く見えるように見せてあげます。

 「そうか。お揃いか」

 食堂には、心地よい時間が流れていたのでした。


 部屋に戻ると、日記に記す。
 『リリーさんと街に出掛けた。糸専門店に行った。三人でブレスレットにお揃いにした。青色のネモフィラの花のブレスレット。楽しかった』

 ルーナは、幸せな気持ちで一日を終えた。



 翌朝。
 いつも通り身支度をしていきます。
 身支度を終え、窓の扉を開ける。
 雲一つない青い空が広がっています。

 ルーナは少しずつ、明るくなりました。
 そして、自分の意思を持ち始めました。
 ここに来てルーナは、本当に変わりました。
 ルーナは願いました。
 どうか、どうかこの幸せがずっと続いてほしいと…。