桔梗の耳にその話が届いたのは暫く経ってからだった。
五芒の家の縁側、腰掛けて涼んでいれば目の前には宗次郎が現れた。
「桔梗」
「宗ちゃん⁈どうしてここに」
「お別れを言いに来たんだ」
見れば旅人のような装いに身を包む宗次郎。
今回の事件を経て、宗次郎は帝都から出ていくと言う。
「辰ノ宮家の婿養子を辞退してきた。もうあの家に思い出はないからね。降格された辰ノ宮家は復興にどれだけ時間がかかるか分からないけど。少なくとも彼らは身柄を拘束されてるから、桔梗も安心して」
「…宗ちゃん、本当に行っちゃうの」
「色々と考えて…自分はもっと真剣に自分と見つめ合わなきゃと思ってね。多くの人と会って。色んな経験をして。実家とも縁を切ってきたんだ」
それが宗次郎の求めるこれからの自由。
家柄に囚われず、これからは自分探しの旅を通して己を磨いていく。桔梗はそれを聞くと自然と涙がこぼれた。
「泣かないでよ」
「宗ちゃんまで…いなくなるの?」
「!大丈夫…必ず戻ってくるから」
「本当?」
「うん…でもそれまでにこの気持ちは払拭しとかないと。僕も過去ばっかり見てたら辛いだけだから」
宗次郎はそう言って笑えば桔梗を抱きしめた。
そして身を離せば何か言おうとして結局何も言わずに「またね、桔梗」と言って去っていく。桔梗は涙をこぼして宗次郎のいなくなった辺りを見つめていれば背後からは斗李が姿を見せる。
「行ったか」
「斗李様、、、宗ちゃんが」
「分かってる。あれは彼なりのケジメなんだよ。だから俺達は送り出してあげよう。今度また会えるその日まで」
隣に腰かけた斗李は笑って慰めてくれる。
それに桔梗も笑顔で頷いた。
「はい。あの…斗李様」
「ん?なんだ?」
「助けに来てくれて、ありがとうございました」
妖に攫われて今度こそ死を覚悟した。
それでも斗李は助けに来てくれたのだ。
それは全てを諦めそうになった桔梗に希望をもたらしてくれた。斗李は桔梗を抱き締めれば口づけをする。突然のことにビックリする桔梗だったが、それを面白そうに観察する斗李。
「言っただろう。お前は俺が必ず守ると。それはこれからも変わらない。君が好きだ」
「私も大好きです…」
二人は見つめ合うと笑い合った。
五芒の家の縁側、腰掛けて涼んでいれば目の前には宗次郎が現れた。
「桔梗」
「宗ちゃん⁈どうしてここに」
「お別れを言いに来たんだ」
見れば旅人のような装いに身を包む宗次郎。
今回の事件を経て、宗次郎は帝都から出ていくと言う。
「辰ノ宮家の婿養子を辞退してきた。もうあの家に思い出はないからね。降格された辰ノ宮家は復興にどれだけ時間がかかるか分からないけど。少なくとも彼らは身柄を拘束されてるから、桔梗も安心して」
「…宗ちゃん、本当に行っちゃうの」
「色々と考えて…自分はもっと真剣に自分と見つめ合わなきゃと思ってね。多くの人と会って。色んな経験をして。実家とも縁を切ってきたんだ」
それが宗次郎の求めるこれからの自由。
家柄に囚われず、これからは自分探しの旅を通して己を磨いていく。桔梗はそれを聞くと自然と涙がこぼれた。
「泣かないでよ」
「宗ちゃんまで…いなくなるの?」
「!大丈夫…必ず戻ってくるから」
「本当?」
「うん…でもそれまでにこの気持ちは払拭しとかないと。僕も過去ばっかり見てたら辛いだけだから」
宗次郎はそう言って笑えば桔梗を抱きしめた。
そして身を離せば何か言おうとして結局何も言わずに「またね、桔梗」と言って去っていく。桔梗は涙をこぼして宗次郎のいなくなった辺りを見つめていれば背後からは斗李が姿を見せる。
「行ったか」
「斗李様、、、宗ちゃんが」
「分かってる。あれは彼なりのケジメなんだよ。だから俺達は送り出してあげよう。今度また会えるその日まで」
隣に腰かけた斗李は笑って慰めてくれる。
それに桔梗も笑顔で頷いた。
「はい。あの…斗李様」
「ん?なんだ?」
「助けに来てくれて、ありがとうございました」
妖に攫われて今度こそ死を覚悟した。
それでも斗李は助けに来てくれたのだ。
それは全てを諦めそうになった桔梗に希望をもたらしてくれた。斗李は桔梗を抱き締めれば口づけをする。突然のことにビックリする桔梗だったが、それを面白そうに観察する斗李。
「言っただろう。お前は俺が必ず守ると。それはこれからも変わらない。君が好きだ」
「私も大好きです…」
二人は見つめ合うと笑い合った。



