マズイ…。
桔梗は妖を前に苦難を強いられていた。
式達は攻撃と守備で桔梗を護衛しつつ、チヨが作った簡易結界に桔梗は避難していた。だが外では大きな妖怪が帝都を騒がせ、辺りには雷鳴が鳴り響いた。
「あいー!!!」
「チヨちゃん!」
不意に簡易結界が消えた。
振り向けばチヨが妖の攻撃に結界を破られ吹き飛ばされていた。慌てて駆け寄ろうとするも桔梗の腕を牡丹が掴む。
「離して!なんでこんなことをするの」
「うるさい!全部アンタのせいよ!お姉様さえ生まれてこなければ…」
「なにを言ってるの?辰ノ宮の後継者の座も。強い加護だって手に入れたくせに。これ以上、私から何を奪おうと言うの」
「うるさいうるさい!お姉様なんかに幸せな未来は渡さない!穢れ者のくせに!なのに宗次郎さんも五芒様も…みんなみんなアンタを慕って牡丹には目も向けてくれない」
牡丹は桔梗の服をひっつかむと眼帯を掴んだ。
薬の切れと眼帯の効き目が無くなったことで、今の桔梗は大妖怪にとって格好の餌食だった。
『消えて無くなればいい』
牡丹から聞こえてきた声の正体。
背後に映った七本の尾。
狐のようなそれは牡丹を操れば、桔梗を勢い良く突き飛ばした。
「アッハッハ!いでよ、鬼神の大妖怪!!」
すると黒いモヤの中からは鬼の妖が現れ、桔梗の刻印が強く反応した。その姿に桔梗は過去の記憶が蘇る。あの時も牡丹に突き飛ばされ、結界の外に出た自分を襲ったのは鬼の大きな手だった。
「この女を喰らうのよ!!」
その言葉に鬼の手がゆっくりと桔梗へ伸びてくる。
背後では「桔梗様!」と呼ぶ式の声が聞こえるが鬼の手はもう桔梗の目の前まで迫っていた。怖くて目を瞑れば、突如頭上では大きな衝撃の波が鬼の頭を直撃した。
そこには冷徹な顔で妖を見下ろす斗李の姿があった。
「五芒術――参の火・千変の不知火・解」
それを合図に辺りには不知火の鬼火が飛び交い、それは手のような形に変幻すれば妖を炎の海に引きずり込んだ。続けて背後では待機していた陰陽師の隊員達が妖の討伐を進めていく。
「桔梗、大丈夫かい⁈」
「斗李様」
斗李は一目散に桔梗に駈け寄ればその場から桔梗を引き剝がした。
目の前に立つ牡丹は悔しそうに唇を噛めば、斗李と対面する。その様子はとても緊張感が走り、やがて牡丹はニヤリと笑えばまた別の何かが話し出す。
『邪魔が入ったせいで、わらわの計画が台無しだ』
「貴様…妖か。その娘に憑りつき何を企んでいた?」
『なあに。この娘の要望を叶えてやっただけだ。幸せの為に消したい相手がいると。その昔、結界の狭間でわらわは契約をした』
「それで桔梗を結界の外に…加護の力も貴様の仕業か」
『ホッホッホ、本当なら体ごと乗っ取るつもりが。龍の加護が邪魔をした。だから封印してやったのじゃ。いつか妖の世が復活するその日まで…わらわは貴様に眠る酒呑を呼び覚まし、この世を支配する』
するとシュ~っと牡丹からは妖が消えていく。
「待て!」
斗李が術を出そうとするも声の主は笑って消えてしまう。
それを合図に辺りに散っていた妖達も消えていなくなってしまう。
「クソ…逃がしたか、、、」
倒れ込んだ牡丹は完全に気を失っていた。
隊員に運ばれていく牡丹。
辰ノ宮家には後日、厳重な取り調べが入ることとなり、妖退治は幕を閉じた。
桔梗は妖を前に苦難を強いられていた。
式達は攻撃と守備で桔梗を護衛しつつ、チヨが作った簡易結界に桔梗は避難していた。だが外では大きな妖怪が帝都を騒がせ、辺りには雷鳴が鳴り響いた。
「あいー!!!」
「チヨちゃん!」
不意に簡易結界が消えた。
振り向けばチヨが妖の攻撃に結界を破られ吹き飛ばされていた。慌てて駆け寄ろうとするも桔梗の腕を牡丹が掴む。
「離して!なんでこんなことをするの」
「うるさい!全部アンタのせいよ!お姉様さえ生まれてこなければ…」
「なにを言ってるの?辰ノ宮の後継者の座も。強い加護だって手に入れたくせに。これ以上、私から何を奪おうと言うの」
「うるさいうるさい!お姉様なんかに幸せな未来は渡さない!穢れ者のくせに!なのに宗次郎さんも五芒様も…みんなみんなアンタを慕って牡丹には目も向けてくれない」
牡丹は桔梗の服をひっつかむと眼帯を掴んだ。
薬の切れと眼帯の効き目が無くなったことで、今の桔梗は大妖怪にとって格好の餌食だった。
『消えて無くなればいい』
牡丹から聞こえてきた声の正体。
背後に映った七本の尾。
狐のようなそれは牡丹を操れば、桔梗を勢い良く突き飛ばした。
「アッハッハ!いでよ、鬼神の大妖怪!!」
すると黒いモヤの中からは鬼の妖が現れ、桔梗の刻印が強く反応した。その姿に桔梗は過去の記憶が蘇る。あの時も牡丹に突き飛ばされ、結界の外に出た自分を襲ったのは鬼の大きな手だった。
「この女を喰らうのよ!!」
その言葉に鬼の手がゆっくりと桔梗へ伸びてくる。
背後では「桔梗様!」と呼ぶ式の声が聞こえるが鬼の手はもう桔梗の目の前まで迫っていた。怖くて目を瞑れば、突如頭上では大きな衝撃の波が鬼の頭を直撃した。
そこには冷徹な顔で妖を見下ろす斗李の姿があった。
「五芒術――参の火・千変の不知火・解」
それを合図に辺りには不知火の鬼火が飛び交い、それは手のような形に変幻すれば妖を炎の海に引きずり込んだ。続けて背後では待機していた陰陽師の隊員達が妖の討伐を進めていく。
「桔梗、大丈夫かい⁈」
「斗李様」
斗李は一目散に桔梗に駈け寄ればその場から桔梗を引き剝がした。
目の前に立つ牡丹は悔しそうに唇を噛めば、斗李と対面する。その様子はとても緊張感が走り、やがて牡丹はニヤリと笑えばまた別の何かが話し出す。
『邪魔が入ったせいで、わらわの計画が台無しだ』
「貴様…妖か。その娘に憑りつき何を企んでいた?」
『なあに。この娘の要望を叶えてやっただけだ。幸せの為に消したい相手がいると。その昔、結界の狭間でわらわは契約をした』
「それで桔梗を結界の外に…加護の力も貴様の仕業か」
『ホッホッホ、本当なら体ごと乗っ取るつもりが。龍の加護が邪魔をした。だから封印してやったのじゃ。いつか妖の世が復活するその日まで…わらわは貴様に眠る酒呑を呼び覚まし、この世を支配する』
するとシュ~っと牡丹からは妖が消えていく。
「待て!」
斗李が術を出そうとするも声の主は笑って消えてしまう。
それを合図に辺りに散っていた妖達も消えていなくなってしまう。
「クソ…逃がしたか、、、」
倒れ込んだ牡丹は完全に気を失っていた。
隊員に運ばれていく牡丹。
辰ノ宮家には後日、厳重な取り調べが入ることとなり、妖退治は幕を閉じた。



