「あー…ていうか、今更だけど改めて直接告白してくれれば考えるよ。頑張れば、もう少しで永田君のこと好きになりそうだし」
「そんなの烏滸がましい…」
「同級生だよ???」
「それに、俺と付き合ったら色んな奴の目に晒される…。それに耐えられない…」
「自分が色んな人の視線集めてる自覚はあるんだ」
…この人、単純に面白い。
言い方は悪いが、こういう性格に難ありな人が大好きなのだ。ごめん、永田君。ちょっと面白い。
「うーん…。じゃあ何か1つお願い叶えてあげる。これだけの愛を貰って返せないのは申し訳ないし」
私の言葉に彼はバッと顔を上げた。
一瞬、何かに揺らぎそうな顔をしていたがギリギリ理性が勝ったのか、勢いよく首を横に振った。
「駄目だ!そんなことできない!!!」
「……何をしようとしていたのかは聞かないでおくね」
しばらく彼は百面相をしていたが、やっぱり何もいらないと言われてしまった。
たしかにストーカーにお礼をすること自体おかしいのかもしれないが、私としては愛を貰った以上、何かを返したい。
(うーん…)
しばらく考えた後、1つだけ思いついた。
私は彼をリビングに残して、寝室へと向かう。クローゼットの中に置いてある小さな木箱からある物を取り出し、すぐに彼の待つリビングに戻った。
「はい」
未だにバツの悪そうな顔をする彼の手を取って、ついさっき持ってきたものを渡した。
「なにこ、、え、?」
「合鍵。毎回どうやって入っていたかは知らないけど、多分大変でしょ。それあげる」
「いやでも…」
「本当に家に入られたくない時は、チェーンロックとか書き置きとか残しておくからさ。それ以外の時は、自由にしてもらっていいよ」
そう言うと、彼は一周回ってドン引きした顔をした。何で私はストーカーに引かれないといけないのかな。
「あ、頭おかしい…」
「…じゃあ返して」
「やだ!手紙と一緒で、渡された時点で俺のだ!!」
全力で鍵を守る様子を見れば、お礼に喜んでくれたのだと安心した。ま、彼なら無くしたりしなさそうだし良いか。最悪、鍵を変えればいいし。
「あ、でもストーカーを辞めたくなったら返してね」
「安心して。そんな日は来ないから」
「…安心していいのかな」
そんなこんなで知った同級生の意外な一面。
正直ギャップ萌えどころではないが、面白いし、愛されて悪い気はしない。
「じゃあこれからもよろしくね」
「ストーキングが公認されると思わなかった…」
同級生で人気者な彼は、地味な私のストーカーのようです。



