同級生で人気者な彼は、地味な私のストーカーのようです


「…ゆ、許してくれるの?」
「許すも何も、私としては感謝してるんだよ。たまに食材も買い足してくれたでしょ?」
「そ、それは俺がしたかったからで、、」
「ラブレターだって、あれだけの枚数書くの大変だったよね。全部読ませてもらってるよ。ありがとう」
「えっと、」

 私の言葉に、永田君は心底困惑しているようだ。

「俺のこと、警察に突き出さないの?」
「え、なんで?私は感謝を伝えたくて、ここまで連れてきただけなんだけど」

 疑問を疑問で返すと、繋いでいた手がぎゅっと握られた。
 あ、そうだ。手離してあげないと。

「ごめん。ずっと繋いだままだったね。あと、ちょっと待ってて」

 声をかけてからソファーから立ち上がる。そして郵便受けまで行き、先ほど届けられたばかりのラブレターを本人の目の前で開封した。

「毎回きれいな字でありがとね~。何気に読むの楽しみだったんだよね」
「ちょ、!?」

 先程まで大人しく座っていた彼だったが、ラブレターを目の前で読まれることに限界を迎えたのか、ものすごい勢いで手紙を取り上げてきた。

「あ、まだ何も読めてないんだから返してよ!届けられた時点で私の物でしょ!」
「さすがに目の前で読まれるのは想定してない!!!」

 ぎゃあぎゃあと押し問答をするも、高身長を誇る永田君の前では私は無力だった。しかし、せめてもの抵抗として飛び跳ねていると、ツルッと足を滑らせてしまう。

「きゃっ!」
「危ない!」

 永田君は素早く手を伸ばし、床にぶつかる寸前で私のことを抱き留めてくれた。突然のことにドッと冷や汗をかく。

「ご、ごめん…」
「頼むから怪我をしないでくれ…」

 なんとか感謝を伝えるも、急に縮まった距離に少し驚いた。体は完全に密着しているし、腰に腕まで回されている。
 どうやら、少し遅れて彼もそれに気づいたようだ。最後の根性で私をソファーに座らせると、自分は顔を真っ赤にして床に蹲ってしまった。

「だ、大丈夫?」
「無理…」
「え、どこか怪我したの!?!?」
「ちがうぅぅぅ…」

 猫でいう所のごめん寝のような体勢で、彼はぶつぶつと何か言っている。

「俺は触らないタイプのストーカーなのに…」
「何それ、種族あるの?てか、ストーカーの自覚はあったんだ」
「俺の場合は収集もするし、盗撮・盗聴もするタイプ…」
「収集って物を?それとも情報を?」
「それなのにぃ…」
「ちょ、どっち!?!?どっちなの!?!?!?」

 1人反省会を目の前で開かれても困る。それに、さっき手を繋いだけれどあれはいいのかな。もしかして私からだったからノーカンとか?