死に魅せられた高校生たちは今日も誰かと生きている

◇◇◇


「おはようございます!」
「おっはー!会長!」
「彩奈~!今日も元気だね!」
「でしょー」
「裕也くんもおはよ」
「ども」

 幼馴染で有名な2人に挨拶をすれば、元気な挨拶と簡単な挨拶が返って来た。家も近いらしいから、きっと一緒に登校してきたのだろう。

「そうだ、会長。右か左、好きな方選んでくれないか?」
「運試し?じゃあ…」
「あー!!駄目駄目!」

 彩奈に慌てて止められる。何事かと思えば、ため息をついた彼女は口を開いた。

「裕也ね、進路が決めれないから、誰かに勘で決めてもらおうとしてるの。『今日までに進学か就職かだけでも決めろ』って昨日担任から言われてるから」
「……進路希望調査って、先週が提出日じゃなかった?」
「それ、昨日彩奈にも言われたから…オーバーキル……」

 それは悪いことをしてしまった。
 せめてもの償いをしないと。

「おはよー、かいちょ」
「はよー」

「おはよう。真昼、沙織」

 仲のよい天才2人と挨拶を交わす。
 せめてもの参考になればと思ったが、この2人に聞いたものを参考にするのは、きっと難しいだろう。人から聞いた話だけれど、どちらも特殊な進路先っぽいらしい。

「何してんの?」
「進路が決まらないんだって」
「働きたくないなら大学がおすすめだよ」
「そうそう。とりあえず入ればいいじゃん」
「他人事だな」
「「他人事だもん」」

 なんとも軽快なやり取りを繰り広げてくれた4人は、話題はそのままに校舎へと向かっていった。

「会長!後でねー!」
「うん!」

 彩奈に手を振り返せば、自分まで元気をもらった気持ちになった。