消失者たち

【警視庁捜査第一課 内部資料】
作成日: 2023年11月6日
作成者: 警視庁捜査第一課 警部 三島隆
件名: 連続失踪事件に関する統合報告

概要
2023年9月3日から11月4日までの約2ヶ月間に、関東地方を中心に17件の失踪事件が発生。
当初は各警察署が個別の事案として処理していたが、事案の類似性、時期の集中から、連続性のある事件として捜査を統合する必要があると判断。

失踪者リスト
No.
失踪日  氏名  年齢  性別  居住地  状況
1  9/2  佐藤美咲  14  女  埼玉県春日部市  自宅から
2  9/5  木村聡   35  男  群馬県前橋市   自宅庭から
3  9/10  高橋恵子 37 女  千葉県市川市   宅配業者に
4  9/14  中村大輝 16  男  東京都世田谷区  警察官を装った男に
5  9/17  鈴木菜々子  8  女  神奈川県横浜市  近隣住民を装った女に
6  9/22  伊藤明美  38  女  茨城県つくば市  農協職員を装った男に
7  9/26  田中彩花  13  女  栃木県宇都宮市  郵便局員を装った男に
8  9/30  大野幸雄  58  男  群馬県渋川市   農作業中に
9  10/3  村田浩二  47  男  静岡県沼津市   漁港から
10  10/7  加藤隆   33  男  埼玉県川口市   帰宅途中に
11  10/12 吉田美優  12  女  千葉県松戸市   塾帰りに
12  10/15 松本花音 14  女  長野県上田市   キャンプ場で
13  10/20 森田康平  37  男  東京都港区    成田空港から
14  10/24 桜井美咲 29  女  神奈川県横浜市  勤務先から
15  10/28 安藤圭一 41  男  東京都新宿区   エレベーター内で消失
16  11/1 西村香織 28  女  東京都渋谷区   レストラン化粧室で消失
17  11/4 井上拓也 22 男  千葉県船橋市   コンビニ内で消失

共通点の検証
年齢層
* 最年少: 8歳(鈴木菜々子)
* 最年長: 58歳(大野幸雄)
* 平均: 28.9歳
* 結論: 年齢に共通性なし

性別
* 男性: 9名
* 女性: 8名
* 結論: 性別に偏りなし

職業
* 学生: 7名
* 会社員: 5名
* 主婦: 2名
* 教師: 1名
* 農業・漁業: 2名
* 結論: 職業に共通性なし

居住地
* 関東地方に集中(東京、埼玉、千葉、神奈川、群馬、茨城、栃木、長野、静岡)
* 特定の市町村に偏りなし
* 結論: 地域的な共通性は「関東近郊」のみ

失踪状況
* 自宅または自宅周辺: 10件
* 外出先: 7件
* 偽装を用いた拉致: 7件(宅配、警察、近隣住民、農協、郵便等)
* 物理的に説明不可能な消失: 3件(エレベーター、化粧室、コンビニ)

時期
* 9月: 7件
* 10月: 9件
* 11月: 1件(現時点)
* 約2ヶ月間に集中
* 結論: 時期的な集中性あり



初期仮説:国家による拉致
当初、北朝鮮等の国家による拉致の可能性を検討。
検証結果:
* 対象者の選定に政治的・軍事的価値が見られない
* 拉致のパターンが既知の事例と一致しない
* 特定の技術や知識を持つ者が標的にされていない
* 8歳の女児や58歳の農業従事者を拉致する合理性がない
結論: 国家による拉致説は否定

物理的に説明不可能な事案
以下の3件については、現代科学では説明困難な現象が発生。
事案O-015(安藤圭一、エレベーター内消失)
* 密閉されたエレベーター内から突然消失
* 防犯カメラに0.7秒間のノイズの後、姿が消える
* エレベーターは途中停止せず、ドアも開いていない
* 技術的検証で異常なし

事案P-016(西村香織、化粧室消失)
* 窓のない個室から消失
* ドアは内側から施錠されたまま
* 脱出経路は物理的に存在しない
* 建築的検証で異常なし

事案Q-017(井上拓也、コンビニ内消失)
* コンビニ店内で突然消失
* 防犯カメラに0.5秒間のノイズの後、姿が消える
* 他の出入口なし
* 映像解析で編集・トリックの痕跡なし

共通点:
* 一瞬の「ノイズ」または「空白」
* 物理的な移動手段がない密室
* 目撃者がいない(またはその瞬間を見ていない)

捜査の方向性
現時点で以下の可能性を検討中:
1. 組織的犯罪グループによる人身売買
 o だが、対象者の選定基準が不明
 o 身代金要求もなし
2. 新興宗教団体による勧誘・拉致
 o だが、該当する団体の活動は確認されず
3. 未知の技術を用いた犯罪
 o 密室消失を可能にする技術の存在?
 o だが、現代科学では説明不可能
4. その他、現時点で想定外の要因



今後の捜査方針
1. 失踪者間の隠れた共通点の徹底的な洗い出し
2. 防犯カメラ映像の詳細な解析(特に「ノイズ」の原因)
3. 失踪現場の科学的検証(土壌、空気、放射線等)
4. 目撃者の再聴取
5. 類似事案の全国的な調査

報告者: 三島隆(印)
備考: 本件は極めて異例な事案であり、慎重かつ迅速な捜査が求められる。報道機関への情報公開については、パニックを避けるため慎重に判断する必要がある。