だが、希望を胸に人気のないところへ瀬川を呼び出して聞くと、ばっさり切り捨てられた。
「蘇らせるだって?ムリムリ。霊能者と言っても神様じゃないんだから」
「えー」
しょんぼりしている隆平がかわいそうだし、俺自身もがっかりしているのは同じだが、冷静に考えるとそれはそうだ。世の中には瀬川以外にも霊能者はいて、皆そんな方法を知っていたら、世の中は死から蘇った人で溢れてしまう。
「それもそうだよね。ありがとう。俺たちはこれで」
隆平と二人で立ち去ろうとすると、それが哀れに見えたのかもしれない。瀬川が「ちょっと待った!」と呼び止めてきた。
「何?」
「俺に一つ妙案がある」
「妙案?」
隆平と声を揃えて聞くと、瀬川はにやりと笑ってその妙案を口にした。
「皐月君たちは、もちろん憑依って知ってるよね?」
「憑依」
瀬川の言葉を繰り返し、よく心霊番組である悪霊を祓う儀式のシーンを連想する。
俺は今まで霊感とは無縁だったため、存在自体は信じているものの、あれはやらせだと思って見ていた。
「でも、あれって本当にできるわけじゃないんですよね?生きてる人間に死者が取り憑く、なんて」
「あ。信じてない。あれはね、本当に霊能力がある人がするとできるんだよ。まあ、時々偽物がいるから、やらせの時もないことはないけど」
「でも、憑依が何……まさか」
隆平が何かに気づいたようで、瀬川から俺の方へ視線を移動させてくる。
「隆平?」
「彼、隆平君っていうんだ。先に気づいたみたいだね。そう、隆平君を誰かに憑依させさえすれば、その人間の体を借りて、触ることはできるようになる。生きてる人間の体だから、食べたり、寝たり、いろんなことができる」
夢のような話だ。また隆平と触れ合えるなんて。
皐月が目を輝かせて隆平を見ると、彼もまた嬉しそうに頷いた。
「……ただ、言っておくけど体は他人の……」
「それ、どうやってするんだ?今すぐできる?」
俺が瀬川の言葉を遮り、詰め寄るようにして聞けば、瀬川はその勢いにやや圧されるようにして、目を何度か瞬かせて頷いた。
「あ、ああ。今すぐ?今すぐか……」
「できないのか?」
「いや、まあ……」
瀬川の視線が泳ぐ。方法について考えているのかと思ったが、意外な質問が飛んできた。
「ただ、取り憑いたら外見も声も他人になるけど、それでいいの?」
「あ。そうか……」
俺はそれでも中身が隆平ならと思ったけれど、隆平は違うようだ。
声の感じから察して黙り込むと、瀬川はさらりと言ってのける。
「それでもやりたいなら、俺の体を貸す」
「えっ、ほんと?」
身を乗り出すと、瀬川は俺の背後を指差す。
「ただし、本人が乗り気じゃなけりゃ意味はないけど。ま、考えといて」
瀬川は顔を寄せてきてにっと笑う。
俺が嫌な顔をする前に、彼はおっと、と仰け反った。
「何?」
「普通に憑かれそうだ」
俺が首を傾げるうちにも、瀬川はひらりと手を挙げていなくなった。
「今の何だろう。なあ隆平」
「……」
「隆平?どうした」
「ああ、いや……何でもない」
隆平の様子が変だが、聞いても答えてくれなそうだ。
俺は他の方法を模索した方が良さそうだと、先行きが不安になり深い溜息をついた。
「蘇らせるだって?ムリムリ。霊能者と言っても神様じゃないんだから」
「えー」
しょんぼりしている隆平がかわいそうだし、俺自身もがっかりしているのは同じだが、冷静に考えるとそれはそうだ。世の中には瀬川以外にも霊能者はいて、皆そんな方法を知っていたら、世の中は死から蘇った人で溢れてしまう。
「それもそうだよね。ありがとう。俺たちはこれで」
隆平と二人で立ち去ろうとすると、それが哀れに見えたのかもしれない。瀬川が「ちょっと待った!」と呼び止めてきた。
「何?」
「俺に一つ妙案がある」
「妙案?」
隆平と声を揃えて聞くと、瀬川はにやりと笑ってその妙案を口にした。
「皐月君たちは、もちろん憑依って知ってるよね?」
「憑依」
瀬川の言葉を繰り返し、よく心霊番組である悪霊を祓う儀式のシーンを連想する。
俺は今まで霊感とは無縁だったため、存在自体は信じているものの、あれはやらせだと思って見ていた。
「でも、あれって本当にできるわけじゃないんですよね?生きてる人間に死者が取り憑く、なんて」
「あ。信じてない。あれはね、本当に霊能力がある人がするとできるんだよ。まあ、時々偽物がいるから、やらせの時もないことはないけど」
「でも、憑依が何……まさか」
隆平が何かに気づいたようで、瀬川から俺の方へ視線を移動させてくる。
「隆平?」
「彼、隆平君っていうんだ。先に気づいたみたいだね。そう、隆平君を誰かに憑依させさえすれば、その人間の体を借りて、触ることはできるようになる。生きてる人間の体だから、食べたり、寝たり、いろんなことができる」
夢のような話だ。また隆平と触れ合えるなんて。
皐月が目を輝かせて隆平を見ると、彼もまた嬉しそうに頷いた。
「……ただ、言っておくけど体は他人の……」
「それ、どうやってするんだ?今すぐできる?」
俺が瀬川の言葉を遮り、詰め寄るようにして聞けば、瀬川はその勢いにやや圧されるようにして、目を何度か瞬かせて頷いた。
「あ、ああ。今すぐ?今すぐか……」
「できないのか?」
「いや、まあ……」
瀬川の視線が泳ぐ。方法について考えているのかと思ったが、意外な質問が飛んできた。
「ただ、取り憑いたら外見も声も他人になるけど、それでいいの?」
「あ。そうか……」
俺はそれでも中身が隆平ならと思ったけれど、隆平は違うようだ。
声の感じから察して黙り込むと、瀬川はさらりと言ってのける。
「それでもやりたいなら、俺の体を貸す」
「えっ、ほんと?」
身を乗り出すと、瀬川は俺の背後を指差す。
「ただし、本人が乗り気じゃなけりゃ意味はないけど。ま、考えといて」
瀬川は顔を寄せてきてにっと笑う。
俺が嫌な顔をする前に、彼はおっと、と仰け反った。
「何?」
「普通に憑かれそうだ」
俺が首を傾げるうちにも、瀬川はひらりと手を挙げていなくなった。
「今の何だろう。なあ隆平」
「……」
「隆平?どうした」
「ああ、いや……何でもない」
隆平の様子が変だが、聞いても答えてくれなそうだ。
俺は他の方法を模索した方が良さそうだと、先行きが不安になり深い溜息をついた。


