君と過ごす、最後の四季

第一章 余命一年

私は、るか。高校二年。

桜が咲いた日に、医者は言った。

「長くても一年です」

一年。

来年の春は、ないかもしれない。

帰り道、桜は綺麗だった。

こんなに咲いてるのに、
私はもう見られないかもしれないなんて。

スマホが震える。

――みなと。

幼なじみ。ずっと隣にいる人。

『今日会える?』

屋上で会ったみなとは、いつも通りだった。

「顔色悪いぞ」

私は笑う。

でも、隠せなかった。

「……一年なんだって」

風が止まる。

「長くて一年」

みなとの目が揺れる。

「嘘だろ」

「嘘じゃない」

怖かった。

死ぬことより、
みなとを置いていくことが。

みなとは泣かなかった。

代わりに、私の手を強く握った。

「じゃあ一年、全部俺にくれ」

「え?」

「四季、全部一緒に回る」

春、夏、秋、冬。

「泣いてる時間もったいないだろ」

私は笑いながら泣いた。

約束が始まった。