最終章 春
合格発表の日。
手が震える。
番号を探す。
探して。
探して。
――あった。
息が止まる。
次の瞬間、涙が出た。
電話をかける。
「受かった」
一瞬の沈黙。
「知ってた」
強がり。
「おめでとう、るあ」
その声が少し震えてる。
春。
制服を着て、同じ校舎を歩く。
うるはが廊下の向こうから来る。
「後輩」
そう呼ばれる。
「彼女」
小さく言い返す。
うるはは笑って、私の手を握る。
「よく来たな」
「来たよ」
私はもう、不安だけの私じゃない。
嫉妬も、弱さも、全部抱えたまま。
それでも好きって言える。
春が来た。
でもきっと、
これからも揺れるし、泣くし、嫉妬する。
それでもいい。
だって私は――
うるはが好きだから。
完

