春が来るまで、好きでいさせて。

第二章 好きの温度差

夏。

うるはは部活で忙しくなった。

最初は平気だった。

「忙しいんだよね」
「うん、頑張ってるもんね」

私は理解してる彼女を演じてた。

でも夜。

既読がつくのに返信がこない時間。

通話が減っていく日々。

私はスマホを握ったまま考える。

私ばっかり会いたいのかな。

私ばっかり寂しいのかな。

そんなわけないってわかってるのに。

ある日、私は少し冷たくなった。

『今日はもう寝るね』

本当は寝たくない。

「なんか怒ってる?」

電話越しの声。

怒ってないよ、って言いたいのに。

「怒ってない」

嘘。

沈黙が長い。

その静けさが怖い。

「俺、ちゃんと好きだよ」

その一言で、涙が出た。

「でも不安になるの」

やっと言えた。

うるはは少し息を吐く。

「俺も不安になる」

「え?」

「だってるあ、普通に可愛いし。
誰かに取られたら嫌だし」

ずるい。

そんなこと言われたら、また好きが増える。

「じゃあちゃんと構って」

小さく言った。

「はいはい、わがまま彼女」

でも声は優しかった。