ちょこ(仮)と待ちに待った対面を果たし、見つめ合う伊達。
…かわいい……
早く撫でくりまわして遊びたい。
「くー兄、早く触りたい」
「…ああ、入ろう」
早く早くと、急かすように久々汰の背に手を添えて中へ促す。
先週子犬を飼い出したと知らされてから、ずっと会いたかったのだ。
会えるのを指折り数えて待っていたと言っても過言ではない。
…あ、そういえば、
「しのぶ姉は、元気そう?」
「ああ、丁度昨日連絡が来た。相変わらずやってるって、一沙樹に宜しくだって」
伊達が腐ったのは、久々汰の姉、しのぶがきっかけだった。
しのぶの部屋にある様々なジャンルの漫画を暇つぶしに読んでいたら、出会ってしまった。
そこで最初にその尊さを喰らい、萌えの入口へ足を踏み入れた。
しのぶとは1年以上前に会ったきり、今は留学中でいつ戻ってくるか未定だ。
時々伊達にも連絡がくるが、やっぱり会いたい。
「チヨコさんは仕事?」
「そう。俺もしのぶも居ないからって、急に犬飼うくらい寂しいみたいで…一沙樹に会いたがってた。たまに会いに来てって」
「近々行くって伝えて、俺も連絡する」
二人の母は、伊達の伯母にあたる。
久々汰としのぶとその母ちよこ、この三人にはお世話になりっぱなしだった。
そんな会話をしながら、さっそくリビングに向かい、荷物を置いて手を洗う。
馴染み過ぎて、自分家の様に振る舞ってしまう。
伊達は手を拭くと、ソファに座る久々汰の膝の上、戯れるちょこのもとへ足早に近寄る。
「おいで、ちょこ」
下に転がるおもちゃを見つけて興味をひく。
おもちゃの匂いを嗅ぐちょこを抱っこして床へおろす。
「尻尾ちっさ…、かわ…よし遊ぶか、えいっ…うわ可愛い」
おもちゃを転がすと、トタトタ追いかける。
こてん、と寝転がりおもちゃをガウガウ甘噛みしている様子に伊達はもうメロメロだ。
そんな伊達をねっとりと熱の籠もった瞳で見つめる誰か。
それに気づいていながら、伊達は知らないふりをしてちょこと戯れる。
久々汰は伊達が自覚するぐらい、少々溺愛、というかだいぶ独特な情を伊達に向けている。
本人は抑えているようだが色々漏れている。
行き過ぎた行為は伊達と久々汰の特殊な関係性の下成り立っている。
知りもしない赤の他人なら通報ものである。
伊達は今の所害がない限りは許容しようと思ってはいた。伊達自身、この従兄弟にしばしば甘えてもいるし依存している自覚は多少ある。しかし、この先どうなるかはわからない。
さすがにシャッター音が耳に届くと振り向いた。
「だめ、くー兄。事務所に許可とってくんなきゃ」
伊達の冗談に笑って久々汰は返す。
「バレたか。1枚くらいいいでしょ?」
「だめでーす。消してね」
「そんな殺生な」
「くー兄」
「えー、こんなに可愛く撮れてるのに」
「実物より、写真のほうがいいの?」
「…消します」
ふっと笑う伊達をみてまたカメラを構えようとする。
「ぼっしゅー」
「ああ、一沙樹それ…」
大事に扱って、という声に「わかってる」と返し、ちょこを被写体にシャッターをきり始める。
床に伏せる、その愛くるしい姿をおさめていく。
「かわいーね、こっち向いて、ちょこ。そう…そのまま」
散々撮って遊んだ伊達はカメラをおろし、返そうと久々汰を見た。
その手には伊達に向けて動画を撮る端末が握られていた。
油断も隙もないんだよな…
「ぼっしゅー…、そして消去」
「ああ!ヤメて…お願いします」
「どうして撮るの?やだって言ってるのに」
「逆にどうしてそんなに撮らせてくれないの」
堂々巡りだ…
「くー兄は、その撮った写真どうしてるの?」
「ええ、えーとそれは………」
「黙らないでよ、こわいから」
「あはは」
と笑い誤魔化そうとする。ろくな事に使っていなさそうなのである。深く詮索したくない案件だ。
しかし自分事なので、そうほったらかしにも出来ない。
「くー兄、こっち見て」
ばちんと、音がしそうな勢いで久々汰の両頬を手で挟む。
切れ長な二重の瞳を静かにみつめる。
「え、え…一沙樹」
パシパシと瞼を閉じる度に聞こえてきそうな長い睫毛を携え目を瞬かせる久々汰。
整っている事に本人は割と無沈着で黒髪に無造作ヘアーが常だ。
「黙っていれば綺麗な部類に入るのに…」
「褒めた?今一沙樹に褒められた?」
嬉しい、などと言っているが周りから嫌というほど賛辞は受けている事だろう。
"一沙樹に"言われた事が嬉しいと受け取ったらいいのか。
いや、今そんな事どうでもいい。
「勝手に撮ったら、もう耳掃除も膝枕もしてあげないし、させないから」
「…」
長く感じる沈黙を破ったのは、折れた久々汰だった。
「わかったよ………でも、たまにならいいでしょ?」
…どこかの誰かみたいな台詞だ
そう思いながら少し考えてこたえる。
「くー兄も一緒だったらいいよ」
にぱっと笑顔付きで言ってみた。
「その笑顔!さっきの無邪気な笑顔もイイけど、その笑顔もイイ!今すぐ写真におさめねば」
「……耳掃除と膝枕…」
「うそだよ…、いや本当だけど」
(ほんとに、くー兄が時々誰かとダブってみえる。)
そんなやり取りをしている間、スヤスヤと眠りにつく、ちょこ。
この後一緒に川の字になってお昼寝した。
…かわいい……
早く撫でくりまわして遊びたい。
「くー兄、早く触りたい」
「…ああ、入ろう」
早く早くと、急かすように久々汰の背に手を添えて中へ促す。
先週子犬を飼い出したと知らされてから、ずっと会いたかったのだ。
会えるのを指折り数えて待っていたと言っても過言ではない。
…あ、そういえば、
「しのぶ姉は、元気そう?」
「ああ、丁度昨日連絡が来た。相変わらずやってるって、一沙樹に宜しくだって」
伊達が腐ったのは、久々汰の姉、しのぶがきっかけだった。
しのぶの部屋にある様々なジャンルの漫画を暇つぶしに読んでいたら、出会ってしまった。
そこで最初にその尊さを喰らい、萌えの入口へ足を踏み入れた。
しのぶとは1年以上前に会ったきり、今は留学中でいつ戻ってくるか未定だ。
時々伊達にも連絡がくるが、やっぱり会いたい。
「チヨコさんは仕事?」
「そう。俺もしのぶも居ないからって、急に犬飼うくらい寂しいみたいで…一沙樹に会いたがってた。たまに会いに来てって」
「近々行くって伝えて、俺も連絡する」
二人の母は、伊達の伯母にあたる。
久々汰としのぶとその母ちよこ、この三人にはお世話になりっぱなしだった。
そんな会話をしながら、さっそくリビングに向かい、荷物を置いて手を洗う。
馴染み過ぎて、自分家の様に振る舞ってしまう。
伊達は手を拭くと、ソファに座る久々汰の膝の上、戯れるちょこのもとへ足早に近寄る。
「おいで、ちょこ」
下に転がるおもちゃを見つけて興味をひく。
おもちゃの匂いを嗅ぐちょこを抱っこして床へおろす。
「尻尾ちっさ…、かわ…よし遊ぶか、えいっ…うわ可愛い」
おもちゃを転がすと、トタトタ追いかける。
こてん、と寝転がりおもちゃをガウガウ甘噛みしている様子に伊達はもうメロメロだ。
そんな伊達をねっとりと熱の籠もった瞳で見つめる誰か。
それに気づいていながら、伊達は知らないふりをしてちょこと戯れる。
久々汰は伊達が自覚するぐらい、少々溺愛、というかだいぶ独特な情を伊達に向けている。
本人は抑えているようだが色々漏れている。
行き過ぎた行為は伊達と久々汰の特殊な関係性の下成り立っている。
知りもしない赤の他人なら通報ものである。
伊達は今の所害がない限りは許容しようと思ってはいた。伊達自身、この従兄弟にしばしば甘えてもいるし依存している自覚は多少ある。しかし、この先どうなるかはわからない。
さすがにシャッター音が耳に届くと振り向いた。
「だめ、くー兄。事務所に許可とってくんなきゃ」
伊達の冗談に笑って久々汰は返す。
「バレたか。1枚くらいいいでしょ?」
「だめでーす。消してね」
「そんな殺生な」
「くー兄」
「えー、こんなに可愛く撮れてるのに」
「実物より、写真のほうがいいの?」
「…消します」
ふっと笑う伊達をみてまたカメラを構えようとする。
「ぼっしゅー」
「ああ、一沙樹それ…」
大事に扱って、という声に「わかってる」と返し、ちょこを被写体にシャッターをきり始める。
床に伏せる、その愛くるしい姿をおさめていく。
「かわいーね、こっち向いて、ちょこ。そう…そのまま」
散々撮って遊んだ伊達はカメラをおろし、返そうと久々汰を見た。
その手には伊達に向けて動画を撮る端末が握られていた。
油断も隙もないんだよな…
「ぼっしゅー…、そして消去」
「ああ!ヤメて…お願いします」
「どうして撮るの?やだって言ってるのに」
「逆にどうしてそんなに撮らせてくれないの」
堂々巡りだ…
「くー兄は、その撮った写真どうしてるの?」
「ええ、えーとそれは………」
「黙らないでよ、こわいから」
「あはは」
と笑い誤魔化そうとする。ろくな事に使っていなさそうなのである。深く詮索したくない案件だ。
しかし自分事なので、そうほったらかしにも出来ない。
「くー兄、こっち見て」
ばちんと、音がしそうな勢いで久々汰の両頬を手で挟む。
切れ長な二重の瞳を静かにみつめる。
「え、え…一沙樹」
パシパシと瞼を閉じる度に聞こえてきそうな長い睫毛を携え目を瞬かせる久々汰。
整っている事に本人は割と無沈着で黒髪に無造作ヘアーが常だ。
「黙っていれば綺麗な部類に入るのに…」
「褒めた?今一沙樹に褒められた?」
嬉しい、などと言っているが周りから嫌というほど賛辞は受けている事だろう。
"一沙樹に"言われた事が嬉しいと受け取ったらいいのか。
いや、今そんな事どうでもいい。
「勝手に撮ったら、もう耳掃除も膝枕もしてあげないし、させないから」
「…」
長く感じる沈黙を破ったのは、折れた久々汰だった。
「わかったよ………でも、たまにならいいでしょ?」
…どこかの誰かみたいな台詞だ
そう思いながら少し考えてこたえる。
「くー兄も一緒だったらいいよ」
にぱっと笑顔付きで言ってみた。
「その笑顔!さっきの無邪気な笑顔もイイけど、その笑顔もイイ!今すぐ写真におさめねば」
「……耳掃除と膝枕…」
「うそだよ…、いや本当だけど」
(ほんとに、くー兄が時々誰かとダブってみえる。)
そんなやり取りをしている間、スヤスヤと眠りにつく、ちょこ。
この後一緒に川の字になってお昼寝した。
