極悪非道の半妖は、誰よりも優しく、誰よりも慈悲深い。

 今から遥か昔、この世は妖怪と人間が共存していた。いつからか妖怪は悪となり、人間が善となる世界へと変わっていった。
 善の人間が、悪である妖怪を倒すことで、今のこの世が成り立った——。

 これは、その善と悪の間に生まれた半妖と、悪を決して許さない妖怪退治屋の娘に生まれた不遇な少女のお話。


◇◇◇◇

 埃っぽく薄暗い納戸の中で、私こと狐塚(こづか) (みやび)十六歳は、古い書物を漁っている。
「んー、これとか売れそう」
 祖母と二人暮らしだった私は、先週より天涯孤独の身となった。頼れる友人もいない私だが、生きていくにはお金が必要で、ひとまず納戸の中にある書物を売ってお金に変えようとしている。
 埃の被ったそれらを床の上に積み上げると、床を覆っていた埃が舞い上がる。
 ケホケホと咳をしていると、一冊の本が目に映った。
 それは、他の書物と同様に色褪せ、埃を被っている。しかし、妙に惹かれた。どうしようもなく、読みたくなった。手に取らずにはいられなかった。
 それを手に取った私は、本に息を吹きかけ、埃を払った。タイトルには『妖怪退治の掟』と書かれていた。
「妖怪かぁ……昔、我が家は妖怪退治をしてたとかなんとかって、おばあちゃんが言ってたな。妖怪なんている訳ないじゃんね」
 一人でクスッと笑ってから、その表紙を開いた。そこには、一頁目に力強い字でこう書かれていた。

【妖怪は悪 一匹残らず駆逐せよ!】

 その文字からは、執念のような物が感じられた。怖くなって閉じようとしたその時——ピカッと、眩い光が手元の本から飛び出した。
 目が眩むほどの光に、ギュッと目を瞑る。どこからともなく吹き荒れる風、私は吸い寄せられるように本の中へと姿を消した。
 その場には、しんと静まり返った静寂とともに、古い書物だけが残された————。


◇◇◇◇

 目を開けるのが怖かった。
 ここが納戸の中でないことは、肌で感じられた。そして、この土や草の匂いには覚えがあった。
 何となく、私はこの地を知っているような気がした。大好きだったけれど、大嫌いだった世界。
 目を開けると、自然と涙がこぼれ落ちていた。
「ここ……どこ?」
 そこには、辺り一面菜の花畑が広がっていた。
 元いた納戸どころか、家すらない。我が家は、閑散とした住宅街の中心に建てられていたはずなのに、あるのはブレザー姿の私だけ。
 不安げに一歩、また一歩と歩き出す。
 菜の花が揺れ、蝶がヒラヒラと舞う。
 今の現状に頭が追いつかず、ひたすらに歩く。誰か人のいる場所に向かって行こうとするけれど、足はそっちには行くなと言っている。この何とも言えない葛藤は何なのか。
 そんな時だった。遠くの方に人の姿が見えた。
 ひとまずあの人に道を聞こう。そう思って、そちらに向かって歩を早めた。
「……ッ」
 近付くにつれ、その人の格好がおかしいことに気が付いた。
 おかしいというのも、教科書で見たことのある戦国の世にでも身に付けるような鎧と甲冑を付けているのだ。そして、その人は何か得体の知れない物を引きずって歩いている。
 人間とも動物とも少し違う……そこで私はさっきまで手に持っていた本を思い出す。
(もしかして……妖怪?)
 ないないない、と首を横に振っていると、甲冑を付けたその男性は、馬に乗って駆けてきたもう一人の男性に声をかけた。こちらも鎧を纏っている。
「大物だ。これで一ヵ月は食いもんに困んねぇぞ」
「うわぁ、先越されちまったか。俺も早く仕留めねぇと。妖怪ども、最近隠れるの上手くなってやがるからな」
「それもあるが、妖怪退治屋の(りつ)が表舞台に立つようになってから、めっきり仕事とられちまったよな」
「だな。そろそろ職転換するかなぁ」
 二人の話を聞いた私は、冷や汗が止まらない。
 聞き間違いであって欲しい、見間違いであって欲しい、夢であって欲しい。そう願いながら、私はその場から駆け出した――。

 私は、必死に走って走って走った。とにかく走った。
「なんで、なんで、なんで、なんで、ここは日本だよね? 日本に妖怪って、作り話だよね!? そんなの、アニメや漫画だけの話だよね!? こんなところにいる訳ない、いる訳ない、いる訳ない。てか、こんなところって、ここ……どこ」
 泣きながら走っていると、とある村が見えてきた。
 現代の二階や三階建てのお洒落な木造建築とは造りの違う、平屋の古めかしい建造物。それこそ都会に住んでいた私は、教科書でしか拝んだことがない。そんな村だ。
「これって……タイムスリップ的な? いやいやいや」
 信じられず、立ち止まって今日何度目かの首を振っていると、背後から声をかけられた。
「妙な格好で、あんた何者?」
「え……」
 後ろを振り返れば、鹿のような鹿でないような……おそらく鹿の妖怪を肩に担いでいる男勝りなポニーテールの少女が立っていた。先程の男性のようなしっかりとした鎧ではなく、動きやすそうなタイトな戦闘服を着ている。パッと見は、私と同い年くらい。そんな彼女の顔が歪んだ。
「あんた、どうしてここにいるの?」
「どうしてって……」
 私が知りたい。
 この際何でも良い。藁にも縋る思いで、彼女に泣きついた。
「お願いします! 私、家に帰りたいんです! 助けて下さい!」
 しかし、彼女は嘲笑するように口を歪めた。
「自分から家を出ていったくせに、何を言っているの?」
「自分……から?」
「妖怪退治が出来ないからって、啖呵を切って出ていったのは、雅。あんたでしょ」
「わ……たし?」
 何を言われているのか分からず呆気に取られていると、彼女は続けた。
「落ちこぼれなら落ちこぼれなりに、囮をやっていれば良かったのよ。囮も出来ない退治屋なんて、妖怪に喰われて死ね」
「死ねって……。あの……失礼ですが、誰かと勘違いされているのでは?」
「は? 勘違い? 見間違う訳がないでしょ。自分の妹を」
「い、妹!? ち、違います。私には兄弟姉妹はいませんので。生まれた時から、一人……」
 その時、ふいに私の頬をぷにぷにと触る少女の顔が頭に浮かんだ――。

『みやび。かわいいねー』
『良かったわね、律。今日からお姉ちゃんよ』
『二人で協力して妖怪退治するんだぞ』
『うん!』
 
 屈託のない笑みを浮かべる少女の顔が、目の前にいる彼女と重なった。
(今の……何?)
 動揺を隠せないが、それでも必死に自分の過去を振り返る。
「わ、私は一人で生まれて……お母さんとお父さんがいて……二人が死んじゃったから、十歳だった私は、おばあちゃんに引き取られて……あれ?」
 両親の顔が思い出せない。十歳までは確かにいたはずなのに、何度も何度も祖母に写真を見せられたはずなのに……。
 そして、また知らない記憶が浮上する。

『とにかく、遠くへ。妖怪を退治しなくても良いところに行きたい!』
 そう、とある祠に願った。
 すると、祠が眩い光を放って、気が付いたらあの納戸の中にいた。
 
(そうだ! あの後、おばあちゃんが私を見つけて……)
 狐のような糸目の老婆が、泣いている私の頭を撫でてくれた。
『全て忘れるんじゃ。辛い記憶は、胸の奥にしまっとけば良い』
 それから私は、記憶を封印した。妖怪退治屋の娘として生まれた過去を捨て去り、老婆と六年間一緒に暮らした。小学校にも通って、中学校にも通って、受験もした。今年から高校生活も始まった。
 私の両親は……私が作り上げた架空の人物。そうであったら良いなと自分で作り上げ、老婆の亡くなった息子夫婦の写真を自分の両親だと思い込んだ。

 ――頭を抱えていると、ポニーテールの彼女改め、一つ歳上の姉の(りつ)が怪訝な顔で言った。
「なんでも良いわ。囮がいる方が、妖怪を駆逐しやすいし。来なさい」
 腕を掴まれ、引っ張られるようにして歩く。拒みたいのに、まだ完全に思い出せない過去に頭が混乱して思考も体も追いつかない。
 村の中に入り、その中でもひときわ大きな平屋の敷居を跨いだ。
「おかえりなさい。律」
「ただいま」
「律、その子は……って、雅じゃない!」
「お……母ちゃん」
 写真で見た優しそうな母ではなく、眉間に皺を寄せ、怒りを露わにした母。
(そうだ。私のママは……こっちだ)
 酷く落胆した。絶望で足が動かない。
「なんだなんだ? 騒がしい」
 奥から父も出てきた。
「……ん!? お前、まさか雅か!?」
「そうよ。そこで命乞いされたわ」
 律が乱暴に私を地面に転がした。
「キャッ!」
 尻もちを付いた私は、三人に見下ろされる。
「この落ちこぼれが! 何しに帰ってきた!?」
「それにその格好は何!?」
「妖怪退治も出来ないくせに、良く生き延びてこられたわね」
「…………」
 三人の圧に萎縮し、何も言えない。
 そして、私はこの光景を知っている。何度も何度も味わった——。

『雅、お前は、こんな小さな虫の妖怪ですら倒せないのか!?』
『ごめんなさい。で、でも、妖怪さん達は何も悪いことしてなくて……』
 父に反論すれば、殴られた。
 転がった私を母は助けるどころか、一緒になって蹴ってきた。
『雅、悪は、こうやって叩きのめさなくっちゃ』
『うッ……』
 蹴られて痛むお腹を押さえ、両親の顔を見上げると、それはもう妖怪よりも恐ろしい鬼の顔をしていた。
 そこへ、律も両親の間に入って、せせら笑ってきた。
『なに? まだ虫ですら倒せないの?』
『それに比べて律は流石だな。今日も狼の妖怪を倒してくるとは』
 父によしよしと頭を撫でられる律が、提案した。
『そうだ、お父ちゃん。どうせ役に立たないなら、囮になってもらったら良いんじゃない?』
『囮?』
『縄で縛ってさ、食べてくださいって地面に転がしとくの。で、やってきた妖怪を狩るの』
『そんなの嫌』
 私の声など耳には入らないようで、父は歓喜した。
『おお! それは良い。こちらから探す手間も省けるな』
 そして、母も。
『雅がやっと人様の役に立てるのね! 妖怪退治屋の娘に生まれたのに、妖怪が退治出来ないなんて、恥晒しも良いとこだったのよ』
『でしょ? 万が一食べられちゃっても、食費が減って良いんじゃない?』
『だな。役立たずの穀潰しだからな』
 ハハハと笑い合う三人が怖くて逆らえなかった——。

 全て思い出した。
 私の家は、代々妖怪退治屋を営んでいた。
 姉の律は、五歳の時には既に狼の妖怪を一人で退治していたのに対し、私は八歳になっても虫の妖怪すら倒せなかった。そのことで、『落ちこぼれ』と罵られ、罵声を浴びせられ、虐げられてきた。訓練だと言って暴力を振るわれ、ストレスの捌け口にされていたこともしばしば。
 幼かった私は、妖怪が倒せない私が悪いのだと、自分を責めた。この仕打ちは仕方のないことなのだと、受け入れた。
 戦い方が分からなかった訳ではない。三歳の頃から武器を持たされ、扱い方を習った。私は鍬のような飛び道具が扱いやすくて、それを普段から持ち歩いていた。
 けれど、私には、何も悪いことをしていない妖怪を退治することなんて出来なかった。
 『妖怪は悪』だと、常々耳にタコが出来るほど言われてきた。最初は私もそうなのだと思った。『人間が善』なのだと。
 しかし、私が四歳の頃、川で溺れた時に助けてくれたのは、猫の妖怪である猫又だった。人間の大人は、川も氾濫していたこともあって、もう無理だろうと諦めた。それに対し、猫又は、危険を顧みず飛び込んでくれたのだ。
 あれから私は妖怪に刃を向けられなくなった。見た目こそおどろおどろしい者もいるが、そういう妖怪に限って何もしてこない。だから、殺せなかった。
 とはいえ、妖怪も人間同様に悪事を働く者や、襲ってくる者もいる。そういう妖怪には立ち向かった。しかし、私が弱いせいもあるのだろうが、どうしても殺めることまでは出来なくて、いつも両親に叱られていた。
 それからというもの、私は囮として縛られ、道端に放置された。妖怪が私の存在に気付き、食べようとしたのか、はたまた助けてくれようとしたのか……そこは定かではないが、とにかく近づいてくる妖怪を律らが倒しに来るのだ。

(また、あれをさせられるの……?)

 顔が青ざめる。手が震える。
 両手を縛られ、身動きの取れない状態で道端に放置される恐怖と言ったら計り知れない。律や両親が助けてくれなかったら? 私は、そこで野垂れ死ぬ可能性だってある。本当に妖怪に食べられてしまうかもしれない。
 それでもあの頃の私は子供だった。逃げ出したい反面、認められたかった。落ちこぼれの烙印は押されてしまったけれど、囮をやることで存在意義を見出していた自分がいた。
 でも、あの時、思い切って逃げ出して良かったと思っている。この家が全てだった私だが、逃げ出して分かったこともある。
(親が全てじゃない!)
 私の六年間住んだ場所が、果たして未来なのか、それとも全く別の異世界なのかは分からない。しかし、そこで培ってきたものは、確かに私の中に残っている。
 震える肩を抱いて、私は深呼吸をしてから立ち上がった。顔は上げられなかったけれど、今まで言えなかったことを言うことにした。
 今の私は、小さかった落ちこぼれの雅ではない。もう十六歳なのだから、自分のことは自分で出来る。
「私は……囮は、もうしない。したくない! 妖怪退治なんて、もうやめようよ!」
「落ちこぼれが何言ってんの? 家に帰らせてって泣きついてたくせに」
「律の言う通りだ。今まで何をしていたのか知らんが、俺たち一族の使命を忘れたとは言わさんぞ」
「そうよ。私たち一族は、妖怪を駆逐することが生業なのに、それをしないで何をするって言うの?」
「その考え自体がおかしいんだよ……」
 私は、体の横で拳をギュッと握って顔を上げた。
「妖怪が何したの!? 妖怪が、私たちに何かした!? してないよね!?」
「雅!!」
 ——パチンッ!
 父に思い切り頬を叩かれた。
「久々に帰ってきたと思えばこれだ。これだから落ちこぼれと言われるんだ! この出来損ないの穀潰しが!」
「穀潰し……ね」
 静かで冷たい声。それは屋根の上から聞こえてきた。
「だ、誰だ!?」
 父を筆頭に、母と律も外に出て屋根の上をガバッと見上げた。私も恐る恐る外に出て上を見上げる。
 屋根の上にいたのは、降り積もった雪のように輝くシルバーの長い髪の、それは端正な顔立ちの美しい青年だった。
 ただ、そんな彼の頭には、犬のような耳が付いている。
(うわぁ、ケモ耳のイケメンだ)
 と、呑気な感想が第一に出るが、彼は妖怪退治屋では知らない人がいないというくらい極悪非道で有名だ。その名も白夜(びゃくや)。かつて、犬の妖怪と人間の巫女が結ばれ、その間に授かった子。いわゆる半妖だ。
 半妖は半分妖怪の血が混ざっている為、駆逐対象。
 とはいえ、今や絶滅危惧種。半妖は、この世界におそらく彼だけだ。というのも、半妖は半分は人間である為、普通の妖怪より弱いのだ。私が生まれる随分と前に大半が倒された。
 しかし、彼だけは違う——。
「下賤な半妖め、今日こそは倒してやる!」
 父と律は、妖怪の血と骨で作った刀を構え、母は弓矢を背負った。その俊敏さは、妖怪退治屋そのもの。
 母が弓矢を放ち、跳んで避けた白夜に父と律が斬りかかる。が、それをいとも簡単に鋭く伸びた爪で弾き返す白夜。そして、右手に朱色の妖力、左手に青色の霊力を放出し、それらを両手の中で一つにし、紫色の球を作り出した。父目掛けて放たれたそれは、腹部に直撃した。
「あなた!」
「お父ちゃん!」
 父は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
 律と母も同様に紫色の球を放たれ、家の中へと吹き飛ばされた。建物も半壊状態だ。
 この世で最強と呼ばれた犬の妖怪の血と、巫女の血が混じっている白夜は、それはもうとんでもなく強いのだ。霊力と妖力を使う半妖に、妖怪退治屋は今のように手も足も出ない。
 そんな彼は、私がここに住んでいた頃も、何度も我が家だけでなく村や人を襲ってきた。私の中でも、極悪非道だという認識が残っている。
 しかし、あの頃の私は齢十歳にも満たない子供。そんな強い敵と戦ったことなどない。
 その強さに呆気に取られる私の前に、白夜はストンと綺麗に着地した。
「貴様は、戦わないのか?」
「わ、私は……」
 ニコリとも笑ったことが無さそうな冷淡な顔で見下ろされ、一歩たじろぐ。
「雅! 早くそいつを仕留めろ!」
 父の声が聞こえてくるが、私はその場から動けない。だって、そもそも私は武器を何一つ所持していないのだ。保管庫に行けばあるだろうが、それを取りに行っている間にやられるのは目に見えている。
「わ、私は……もうこの家の人間じゃないので。雅は雅でも、狐塚雅だから。おばあちゃんの孫だから……」
 それは、白夜にではなく、自分に言い聞かせるように言った。
 一回目の家出は、運良く時空を超えて優しい老婆に拾われた。二回目の家出は、そう甘くはないとは思う。けれど、ここで一生落ちこぼれと罵られ、不毛な扱いを受けるのは真平御免だ。それならいっそ、この美しい顔を見ながら死ぬ方が、よっぽどマシだ。
「私、痛いのは嫌いだから。やるなら一回でお願い」
 私は覚悟を決め、両手を前に組んで目を瞑った。
「…………」
 暫くしても何も起こらず、薄っすらと目を開けた。刹那、ひょいッと白夜に担ぎ上げられた。
「え、ちょ、何!? やるなら今ここで」
「穀潰しは、出て行った方が良い」
「ちょ、意味分かんないんだけど!?」
 白夜の腕の中で暴れる私を他所に、彼は蜂蜜色の冷ややかな瞳を両親らに向けた。
此奴(こやつ)は、貰っていく。返してほしかったら、むやみやたらに妖怪退治をしないことだ」
「フンッ、落ちこぼれの方を人質にしたところで、俺達は痛くも痒くもないわ! 律、無事か?」
「あたしは大丈夫。雅のことなんてどうでも良いけど、半妖如きに負けてたまるもんですか!」
 再び斬りかかってくる律を高く跳んでかわした白夜は、そのまま空中で転回しながら体勢を整え、その場を後にした――。