140字小説

 いつもの匂いが充満している部屋の片隅で、

 私は懐かしい思い出にふけっている。

 どんな楽しい記憶にも必ず君がいて、

 どんな悲しい記憶にも君がいた。

 一生縛りついてくるのは君との出来事で、

 君の記憶は積み重なっていった。

 別れた日の事はずっと覚えているのに、

 君と笑い合ったときの顔が思い出せない。